ゴールドへの連動を目指すジパング、暗号資産の冬に退避先となるか

Daily Market Report 2022/11/30

 

上昇の兆しを見せるゴールド

FTXショックから半月ほど経過し、市場は落ち着きを取り戻しつつあるものの、FTXに連鎖する形でBlockFiの破産が起こるなど、弱気相場の継続が見込まれる。

そんな中、ZPG/JPY(ジパングコイン)に上昇の兆しが見えている。

図1. ZPG/JPY日足Bidチャート(当社ツールより作成)
ZPG(ジパングコイン)のチャート・価格情報はこちら

図2.Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成

上図1はZPG/JPYの日足チャートに上昇のトレンドラインを描画したもの、図2はZPG/JPYが連動するゴールドのドル建て価格(XAU/USD)の日足チャートに下落のトレンドラインを描画したものである。

ZPG/JPYは、2022年8月から安値を切り上げ上昇トレンドとなっており、XAU/USDは2022年3月から続くトレンドラインをブレイクし上昇トレンドへの転換を示唆している。

ドルの上昇トレンド転換期を迎えたか

一般的にゴールドと逆相関の関係にあるとされるドルは来年度の利上げ打ち止めを折り込む形で下落しており、これがゴールドのサポート要因の一つとなっている。

Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成

上図は、2022/5/2から現在までのUSD/JPYの日足チャートに、上昇のトレンドライン、3本の移動平均線(15日、25日、50日)、XAU/USDとの相関率を描画したものである。

USD/JPYは現在、2022年5月から続くトレンドラインを下抜けた(上図 黄丸印)。

加えて、3本の移動平均線が長期(50)・中期(25)・短期(15)と並ぶ下降のパーフェクトオーダーを形成している。

上昇トレンドが終わり下降に転じるようなら、ドル安ゴールド高に押される形でZPG/JPYがここから一段上昇となるか着目したい。

日米金利差は埋まらず

しかし、ファンダメンタルズ的にはドルの下落は一時的とも見られる。

11/10に発表された10月米国CPI(消費者物価指数)は前月比0.4%と9月CPIと同数値だった。前年比は7.7%とピークである6月の9.1%から弱まって入るものの依然高止まりしている。

図3.米労務省(https://www.bls.gov/home.htm)発表情報より当社作成

図4.Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成

上図3は、10月CPIの内訳である。

内訳を見ると10月CPIで上昇した品目は医療費と住居費(主に家賃)、ガソリン・燃料費であることがわかる。

ガソリン・燃料費の上昇はガソリン代が10月に上昇した影響と思われ、現在は再び下落トレンドとなっており、11月CPIでは低い数値となると思われる(上図4)。

医療費も7月に0.6%を付けた後、減少傾向にあり、継続して上昇を続けているのは住居費のみである。

Investing.com (https://jp.investing.com/crypto/bitcoin/historical-data)より当社作成

上図は、S&Pケース・シラー住宅指数(※)の推移を表したグラフである。
(※S&Pケース・シラー住宅指数とは、全米の主要都市圏の一戸建て再販価格を集計し、2000年1月を100として算出した指数)

2020年8月頃から上昇を始め、2022年4月にピークを付けた後、現在は減少傾向にある。

しかし、住宅価格の変動がすぐに家賃に反映される訳ではなく、約1年から1年半程度のズレが生じる傾向があると言われている。

つまり、住居費が減少に転じるのは、早くとも2023年5月頃からであると見込まれるだろう

住居費はCPIに占める割合が3割と影響の大きい項目であるため、住居費に下支えされる形でCPIの高止まりは今後しばらく継続することが有力視されると言えよう。

米インフレ率と共に米政策金利も高止まりする公算が大きい。

FedWatchが予想するFF(Federal Funds)金利の最終到達水準(ターミナルレート)は5%-5.25%となっており、5%-5.25%の金利を3月ないし5月から7月のFOMC(連邦公開市場委員会)まで維持するとの見方が多数である。

暗号資産市場における弱気相場の継続が見込まれる中、ZPG/JPYの価格に関しては、2022年8月から安値を切り上げ上昇トレンドの兆しが見えるといえるだろう。

しかし、今後、日米金利差の拡大からドルが再び上昇に転じれば、ZPG/JPYは2022年8月から続くトレンドラインを下抜け下落する展開も想定すべきかもしれない。

(11/30 午前7:00時点)

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2022-11-30
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