ビットコイン、材料はFTXショックから年末株上昇!?

Daily Market Report 2022/11/24

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当社取扱い24銘柄の騰落率

騰落率ランキング(期間2022/11/9 – 2022/11/22)
当社クローズレート(Bid)より作成

上図は、2022/11/9~11/22における当社取扱い銘柄の騰落率のランキングである。

24銘柄中17銘柄が下落しており、FTXショックの影響が未だに残っていることが伺える。

BTC(ビットコイン)も例にもれず、11/9につけた安値218万円を更新し11/21に年初来最安値である208万円を記録した。

反対に、BCH(ビットコインキャッシュ)、CHZ(チリーズ)、LTC(ライトコイン)は大きく上昇している。

上昇の理由として以下が挙げられる。

・BCH
セントクリストファー・ネービスの首相が2023年3月までにBCHを法定通貨として宣言する可能性があると示唆。法定通貨としての採用の期待感からか上昇したと思われる(11/15 コインテレグラフ)。

・CHZ
2022年11月20日より開幕したFIFAワールドカップが影響していると考えられる。

過去にも、2022年2月に開催されたFIFAクラブワールドカップの際に、1月の安値から最大で40%を超える上昇が確認できた。

・LTC
2023年夏頃に予定されている半減期の影響か。過去に起きた2度の半減期イベントでも価格上昇と大規模な調整を繰り返しており、今回も同様の事象と見受けられる(11/23 コインテレグラフ)。

11/12には暗号資産取引所であるFTXが米連邦破産法11条に基づく破産申請(チャプター11)を行ったことを発表した。

上述したとおり、個々の要因により上昇した暗号資産はあるものの、暗号資産市場全体の混乱が収束するにはまだしばらく時間がかかりそうだ。

次項では、BTCのチャートを用い暗号資産関連のニュースを振り返る。

BTCのチャートで見る11/9からのニュース

BTC/JPY 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
BTC(ビットコイン)のチャート・価格情報はこちら

上図は、2022/11/6~11/22のBTC/JPY日足Bidチャートにニュースを記載したものである。

(1)BinanceがFTX買収の合意書締結と発表
11/9に大手暗号資産取引所BinanceがFTXを買収することに合意した
と発表された(11/9 CoinPost)。

買収の対象となっていたのは、世界に展開している「FTX.com」で米国等のFTXは含まれていなかったものの、業界大手2社の事業が合併される可能性もあったため、市場はその動向に注目していた。

しかし、その翌日である11/10には買収側だったBinanceは買収方針の撤回を発表した(11/10 CoinPost)。

FTXの負債総額に難色を示したほか、米当局の捜査開始に関する報道を撤回の理由として挙げた。

(2)FTXが米連邦破産法11条(チャプター11)の適用を申請
11/12にFTXが米連邦破産法11条(チャプター11)の適用を申請したと発表
された(11/12 CoinPost)。

申請の対象となるのは約130社で、米や日本の関連企業、姉妹企業のアラメダリサーチなどが含まれる。

アラメダリサーチの破産申請書類によると債権者の数は10万を超え、負債額は約1.3兆円~6.9兆円にも上る。

FTXはハッキングの被害にも遭っており、約840億円相当の暗号資産がFTXのウォレットからDEX(分散型取引所)に移動したようだ(11/12 coindesk)。

(3)Binanceが事業再生ファンド設立を発表
11/14にBinanceが事業再生ファンドを立ち上げると発表
した(11/14 CoinPost)。

5月に発生したテラショックから下落基調にある暗号資産市場に拍車をかけるかのように今回のFTXの騒動があったわけだが、ここで業界復興に向けた前向きな動きをBinanceが見せた形だ。

上記ニュースに加え、利上げ減速の期待からか暗号資産市場は反発。BTCは一時237万円をつけた。

(4)BTCが年初来最安値を記録
11/22早朝(11/21営業日)にBTCは年初来最安値である208万円を記録
した(11/22 CoinPost)。

不安定な暗号資産市場の動向に加え、FTXから流出した暗号資産がETH(イーサリアム)に交換され、それらが売られたことでETH主導の下落が発生したようだ。

また、暗号資産取引所大手ジェネシスに対して破産疑いが浮上したことも関係しているだろう。

その他、中国の首都である北京の新型コロナウイルス感染拡大も少なからず関係しているのかもしれない。

FTXの破産審問開始。今後の市場動向は?

11/21にFTX初の破産審問が開始されたと報道された(11/23 CoinPost)。

米デラウェア州の連邦破産裁判所で行われ、FTXの幹部による企業統制の実態が報告された。FTXの元CEO、サム・バンクマン・フリード(SBF)氏を含めた少数グループによる企業のコントロールや、会社の資金を、子会社を通じて幹部の自宅や別荘の購入に充てたことなどが報告されたようだ。

11/23にはSBF氏からFTX社員に対して送った謝罪文が明らかになった。FTXが破綻に至った経緯と、自身の至らなさについて社員と顧客に対して深く謝罪した内容とされる。

さらに、FTXの子会社である「LedgerX」が存続していることに触れており、FTXを救うチャンスについて言及した。

果たして、今後の市場はどうなるのだろうか。

今後の暗号資産市場の動きについて、上記で述べたFTXの破産審問の進展がカギになるだろう。現状、顧客資金が引き出せない状態が続いており、負債額を解消できるかどうかが暗号資産市場の動きに繋がると予測される。

しかしながら、前述したように、負債額は約1.3兆円~6.9兆円もあり、すぐさまそれらが用意できると考えるのは難しい。

加えて中国の新型コロナウイルス感染拡大懸念など、憂慮すべき事項は他にも存在する。

反して、米株市場は底堅い推移をしている。NYダウ平均に注目してみると、11/9と11/22の終値比で4.87%上昇しており、年末商戦や金利利上げ幅の縮小への期待が要因と考えられる。

米株市場の動向に暗号資産市場が反応すれば米株市場主導で市場の活気が戻り、BTCにおいては、節目である18,000ドル(≒250万円)付近まで値が上がる可能性もあるかもしれない。

今後の暗号資産市場のニュース、米株市場の動向には注視すべきであろう。

(11/23 午後5:00時点)

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2022-11-24
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