道半ばのFRBバランスシート縮小。縮小が進むとビットコインはどうなる?

Daily Market Report 2022/11/15

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バランスシート縮小が鍵を握るフェーズに移行か

BTC/JPY 4時間足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
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11月に入ってからの暗号資産市場は、FTXショックや継続的な米利上げ局面に頭を押さえられたベアマーケットとなっており、11/5の高値315万円から25%下げた236万円付近を推移している。

FTXに関しては、完全に鎮火したとはいえないが、破産によりとりあえずの決着がついた状態と言える。利上げに関しても、市場の事前予想であるターミナルレート(金利の最終目標)5%前半に近づいており、利上げ局面も終着点が見えてきた状況だ。

ここで疑問符が浮かぶのは、かねてから実施すると明言されてきたFRB(米連邦準備制度理事会)のバランスシート縮小である。

バランスシート縮小の市場への影響度は、利上げと同じくインパクトが強く、マーケットにとっては無視できない要素の一つである。

FF(フェデラルファンド)金利の上限金利である超過準備預金金利(民間の銀行が中央銀行に預け入れることが義務付けられている資本比率を超過した預け入れ額に付される金利)と下限金利であるリバースレポ金利(中央銀行が民間銀行に対し資金を調達する際に担保として差し出す債権の金利)を引き上げることによって、利上げを行っている。

つまり、金利の引き上げはFRBが民間の銀行に対し払う利払いが増加していくことを示している。

これが閾値を超えると、民間銀行への利払いのほうがFRBの金利収入を上回ってしまい、金利収入は赤字状態となる。

そのため、金利をある程度の段階で据え置きとしつつ、バランスシート縮小をメインに行うフェーズに入っていくことになる。

2018年の引き締め局面から見えてくるもの

Trading Viewより当社作成

上図は、FRBのバランスシートの増減額と、BTC価格の推移である。

前回の量的引き締め期間(2017年10月~2019年8月)で縮小された資産額の合計は約7000億ドルほどである。

これに対し、今回6月から開始された引き締め額はまだ2000億ドル強であり、現在のFRBのバランスシート総額が2018年の2倍ほどであることを考えると、2018年と同じかそれ以上の縮小が待っていることも想像に難くないだろう。

前回の引き締め期間の始まりにつけた2017年12月の167万円から、最も引き締めが加速していた時期につけた2019年1月の安値37万円まで、BTCは78%ほどの下落幅をつけている。

今回の引き締めが2018年のものと同じかそれ以上になると仮定すると、FRBが量的引き締めを始めた6月の高値418万円から78%安の90万円ラインつけて来る可能性も想定しておくべきかもしれない。

(11/14 午後10:00時点)

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2022-11-15
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