40%安のLINK(チェーンリンク)、750~800円で底形成となるか?

Daily Market Report 2022/11/14

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先週の暗号資産市場は、大手暗号資産取引所FTXの破綻、出金停止などを受け全面安となった。

LINKも例に漏れることなく、対円で11/8の高値約1,300円から11/13の安値約800円へと約40%の下落となった。

LINK/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
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ポイント

・暗号資産市場全体がFUD相場
・今後はFTX破綻の余波に注意
・LUNAショック後のレンジ下限750~800円がサポートとなるか

FTXの騒動が始まって以来、市場はいったん下げ止まったように見受けられる。しかし、出金停止やハッキングなどの悪いニュースが連日流れ、FUD相場(※)はまだ続きそうだ。
※FUD=Fear, Uncertainty, and Doubt(不安、疑念、不審)」の略。

直近のFUD相場の事例として2022/5のLUNAショックが記憶に新しい。LUNAショックの余波として2022/6には暗号資産レンディングプラットフォームを運営するCelsius Networkの不正流出や出金停止などが挙げられる。その後、LUNAショックの初動から下げ止まるまでは1か月以上を要した。

このことから、FTX破産の余波はまだ収まっていないと推察できるのではないだろうか。今後1か月ほどはより慎重な判断と情報収集が欠かせないだろう。

LINKは現在、835円付近を推移している。LUNAショック以降、LINKは750~800円の価格帯がレンジ下としてサポートになっていそうだ。

その点を踏まえ、今後の値動きについて考察する。

週足から底入れと判断するにはまだ早いか―マルチタイムフレーム(MTF:MultipleTimeFrame)分析

週足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
上:LINK/JPY価格
中:MACD(12,26,9)
下:スローストキャスティクス(14,3,3)

上図は、LINK/JPYの週足チャート(期間:2022/4/14~現在)に、MACD(12,26,9)とスローストキャスティクス(14,3,3)を反映させたものである。

上図テクニカル指標より、注目点を整理しよう。

<上位足(週足)の注目点>

・上昇要因
①一目均衡表の転換線(黄)が基準線(緑)を上抜け

・下落要因
②MACDヒストグラムが縮小傾向
③ストキャスがデッドクロス

<注目点の解説>

①一目均衡表の転換線(黄)が基準線(緑)を上抜け
転換線が基準線を上抜けることは上昇トレンド入りを示唆する。しかし、上抜けしてからローソクが1本しか確定していないことから、ダマシということも考えられる。今後2本ほど注目する必要がありそうだ。

②MACDヒストグラムが減少傾向
MACDヒストグラムがプラス圏で極大値から減少している。ヒストグラムはMACDラインのゴールデンクロス・デッドクロスに先行するので、ヒストグラムの縮小は下落の後押しとなる。実際にMACD線とシグナル線を確認すると、デッドクロスを連想させる動きであることがわかる。

③ストキャスがデッドクロス
ストキャスのデッドクロスが確認できる。デッドクロスは下落要因だが、今回は60付近でのデッドクロスなので弱めの売りサインと考えられる。

以上から、一目均衡表の転換線に上昇トレンド入りの兆しが伺えるも、前週は陰線をつけ、その他の指標も弱気を示唆している。相場の底入れとみなすには、まだ早いのかもしれない。

次に日足チャートを確認する。

日足でも弱気示唆だが、底打ちは遠くはないか

週足Bidチャート(左図)日足Bidチャート(右図)(当社取引ツールより作成)
上:LINK/JPY価格
中:MACD(12,26,9)
下:スローストキャスティクス(14,3,3)

上図でも、LINK/JPYの日足チャートにMACD(12,26,9)とスローストキャスティクス(14,3,3)を反映させている。

週足と同様に日足の注目点を整理する。

<下位足(日足)の注目点>

・上昇要因
④ストキャスが売られすぎ圏

・下落要因
⑤一目均衡表の三役逆転まであと一歩
⑥MACDヒストグラム極大値更新

<注目点(日足)の解説>

④ストキャスが売られすぎ圏
ストキャスが20以下であり売られすぎ圏にいることが確認できる。

⑤一目均衡表の三役逆転まであと一歩
遅行線(青)が価格の下、価格が雲より下の2点を達成しており、残りは転換線が基準線を下抜けることである。現在はその2線が重なっている状態であり、この下抜けを待っている相場参加者が多数いるのではないだろうか。その場合、買い控えにより売り優勢となるかもしれない。

⑥MACDヒストグラム極大値更新
ヒストグラムが拡大しており縮小が確認できない。ヒストグラムについては②でも記載した通り、ゴールデンクロス・デッドクロスに先行する。減少が確認できないということは下落の落ち着きが見えない状況を示す。

以上、週足・日足の計6点からは弱気示唆と捉えられる。

ここで、日足のMACDとストキャスをみると、8月中旬(上図緑部分)と同じような形で既に推移したようだ。LINKは8月下旬に底を打ったため、同様の相場展開となれば、上値は重いながらも「大幅下落」とまではいかないだろう

LUNAショックでは安値640円をつけたが、その後は750~800円がサポートとなっているため、その価格帯を維持できるかがしばらくの着目点だろう。④の売られすぎによる値ごろ感から反発した場合は、一目均衡表の雲下限1,000円が目先のターゲットプライスになるだろう。

もちろん、FTX破綻の余波に注意が必要であることにはかわりなく、材料次第では700円を割る局面も考慮した上で臨むことが肝要だろう。

(11/14 午前7:00時点)

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2022-11-14
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