暗号資産ショックの再来か。ビットコインは前日比10%を超える大幅な下落

Daily Market Report 2022/11/10

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当社取扱い22銘柄の騰落率

騰落率ランキング(期間2022/10/30 – 2022/11/8)
当社クローズレート(Bid)より作成

上図は、2022/10/30~11/8における当社取扱い銘柄の騰落率のランキングである。

22銘柄中20銘柄が下落しており、その中でも14銘柄は10%を超える大幅な下落となった。

暗号資産の代名詞といわれるBTC(ビットコイン)も10.88%下落しており、暗号資産全体が下落基調になったことが伺える。

下落のきっかけとして考えられるのが、大手暗号資産取引所であるFTXの姉妹企業アメラダ・リサーチ社の貸借対照表のリークだろう。

次項では、BTCのチャートを用い暗号資産関連のニュースを振り返る。

BTCのチャートで見る10月29日からのニュース

BTC/JPY 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
BTC(ビットコイン)のチャート・価格情報はこちら

上図は、2022/10/29~11/8のBTC/JPY日足Bidチャートにニュースを記載したものである。

(1)FOMC(米連邦公開市場委員会)政策金利発表
日本時間11/3未明に、政策金利が発表された。

10月と同様0.75%の利上げを発表し、11/3朝の時点ではNYダウは前日比1.55%下落NASDAQは前日比2.50%下落と落ち込みからのスタートとなった(11/3 CoinPost)。

暗号資産市場も米株市場と同様軟調な推移となっており、BTCは前日比1.5%下落と米株市場に連れられて下落した。しかし、前回発表時(日本時間9/21未明)のBTCは前日比1.47%の下落であり、発表時の値動きに大きな変化は見られなかった。

(2)米非農業部門雇用者数変化、失業率発表
日本時間11/4夜に米雇用者数変化と失業率が発表された。

非農業部門雇用者数は26.1万人、失業率は3.7%と市場予測それぞれ上回った。

続く政策金利利上げの影響が出始めているとの見解があり、12月のFOMCでは0.75%の利上げから0.5%の利上げに減速すると予想されている(11/7 モーニングスター)。

株式市場が開いた11/7の値動きを見ると、NYダウは前日比1.31%の上昇NASDAQは前日比0.85%の上昇と微増ながらも利上げ幅縮小の期待からか上昇した。

暗号資産市場を見ると、11/4に300万円を突破し上昇の兆しがみられるも、11/7には下落。一時290万円台まで下落し、約300万円でその日を終えた。

(3)米大手暗号資産取引所FTXの姉妹企業「アラメダ・リサーチ」の貸借対照表リーク
大手暗号資産情報サイトであるCoinDeskが、FTXとその姉妹企業であるアラメダ・リサーチが過度な依存関係にあると報じた(11/2 CoinDesk)。

貸借対照表がリークされ、かつその内容から財務リスクを指摘されたことを受け、FTXのネイティブトークンであるFTT(FTX Token)は40%下落の17ドルとなり2021年2月ぶりの安値を付けた。

このようなアルトコインの大幅な下落に起因する出来事と言えば、2022年5月に発生したUST(TerraUSD)の暴落が想起される。

UST(TerraUSD)の発行元であるLUNAの5/8時点の時価総額は約2兆9000億円であったが、5/13時点では約85億円と2兆円以上の価値が消滅したことは記憶に新しい。

これらの出来事は暗号資産市場に与えた影響は大きく、BTCをはじめとする主要暗号資産も連れられて下落。3AC(スリーアローズ)などの暗号資産関連企業に大きなダメージを与えた。

今回のFTTの騒動もアルトコインが起因しているという観点からみるとTerraと似たような出来事のようにも見えるが、別の大手暗号資産取引所BinanceがFTXの買収に合意したという報道や、事業買収方針の撤回などといった過去には無かった出来事も絡んでいる。

FTXの出方によって、今後の暗号資産市場の動向に大きな影響を与えるかもしれない。

FTXの買収方針撤回。今後の市場動向は?

11/9に大手暗号資産取引所BinanceがFTXを買収することに合意したと報道された(11/9 CoinPost)。

買収の対象となっていたのは、世界に展開している「FTX.com」で米国等のFTXは含まれていなかったものの、業界大手2社の事業が合併される可能性もあったため、市場はその動向に注目していた。

しかしながら、その翌日である11/10には買収側だった暗号資産取引所Binanceは買収方針の撤回を発表した(11/10 bloomberg)。

FTXのCEOは追加資金の投入ができなければ、破産法を申請すると投資家らに警告しており、その不足資金は日本円にして約1.1兆円にも上る。

追加資金が投入されるか否かが分水嶺となるだろう。

FTXへの追加資金投入が成功した場合は暗号資産の買戻しが発生し、一時的に上昇する可能性もある。その後の展開は読めないものの、市場心理的にはプラスとして捉えることができるであろう。

しかし、注意すべきは資金投入に失敗しFTXが破綻するケースだ。

同社が直面している資金不足は総額80憶ドル(約1兆1700億円)であり、暗号資産の冬(クリプトウィンター)といわれている昨今の市場をより一層冷やすことにつながるかもしれない。

今後の動静を注視したい。

(11/10 午前10:30時点)

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2022-11-10
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