急落のBTC(ビットコイン)。業界トップの動向とCPIに注目
Daily Market Report 2022/11/9
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・BTC、FTT(FTX Token)に連れ安
BTC/JPY 5分足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
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上図は、11/8営業日午前7:00から本日午前11:40頃までのBTC/JPY 5分足チャートである。
チャート上で確認できるように午前11:45頃から下落し始め、午後1:10頃には当時の日中安値278万円をつけた。同時刻には大手取引所であるFTXが発行するトークンFTT(FTX Token)が20%近く下落しており、今回の下落はFTTに連れ添う形での下落と見ることができるだろう。
FTTに関連するニュースを時系列で追ってみると以下のようになる。まず、11/2にCoinDeskから、アラメダリサーチ(FTXの関連会社)の資産の大半がFTTであるとの報道があった。その後、11/7には、大手取引所バイナンスのチャンポン・ジャオCEOがFTTの全売却をTwitter上で表明した。
まとめると、アラメダリサーチの財務状況への疑義に端を発した一種の信用不安がFTTの価格下落に発展、それがさらにBTCを始めとした暗号資産全体に波及したと言えるだろう。
こうした状況からは、今年上旬のセルシウスショックが思い起こされる。FTXのサム・バンクマン・フリードCEOは「競合他社によるデマ」と疑惑を否定している。
直近の情報としてはバイナンスがFTXの事業買収で合意したと伝わっており、市場はいったんの落ち着きを取り戻したかのように見える。
ただし、企業査定の段階で想定よりも大きな負債が見つかるケースなど、買収がスムーズにいかない展開や買収自体が取りやめとなる可能性は否定できない。
BTCは翌日午前4:30頃に250万円を一時割り込んだ後、265万円付近での取引となっているが、FTXの動向次第ではさらにボラティリティが高くなる展開には注意が必要だ。
・控えるCPI
マクロ環境に目を向けると11/10 午後10:30にはCPI(米国消費者物価指数)の発表が控えている。先月の発表時の動きを振り返ってみると、発表直後のBTCは対円で前日比約-4.5%と大きく下げたものの、その後巻き返し、最終的に前日比+1.36%でクローズした。
先月のCPI発表時の当社レポートでは、CPI当日の値動きが大きければ、その一週間後には発表当日比で、更に大きな変動となる傾向があることを記載した。
今回のCPIは8.0%の上昇がコンセンサスとなっているが、この数字からの乖離幅により市場への影響が大きくなる。
8.0%を大きく上回るとインフレ継続から株式、暗号資産の売り、逆に大きく下回るとインフレ懸念の後退と利上げ打ち止め感からリスク資産の上昇も想定される。
今回も市場参加者の思惑が錯綜して、一本調子でない値動きになることが想定されるため、注意したい。
・テクニカル(移動平均線)
BTC/JPY日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
上図は、BTC/JPY日足Bidチャートに移動平均線(25・75,終値)を表示したものである。
10/25の上昇によって25日移動平均線(赤線)を上抜けて、さらに75日移動平均線(青線)が25日移動平均線を下から突き抜けるゴールデンクロスを形成し、順調に推移していたBTC/JPYであるが、11/8の下落の初動で290万円台の水準まで戻し、10/25以降の上昇分を一旦吐き出した。そして、夜間には75日移動平均線も割り、7月以来の価格帯まで下落した。
テクニカルの観点からは、それまで下値のサポートとして意識されてきた75日移動平均線が今回否定されたといえる。
今後の一つの見方として、この移動平均線が上値のレジスタンスに転じ、戻り売りに押される展開も想定しておきたいところだ(白矢印)。
まずは前述したように、FTT関連の続報、CPIに注意しつつ相場に望みたい。
(11/9 午前9:00時点)
・銘柄別価格前日比(%)
社内データより作成
11/8の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は-12.67%、中央値は-13.67%、標準偏差は3.97%となった。
最大上昇銘柄はZPG/JPYの1.53%、最大下落銘柄はCHZ/JPYの-23.09%。
最大上昇銘柄のZPG/JPYは、取扱銘柄唯一のプラス圏で推移。大手暗号資産取引所FTXを巡る懸念により暗号資産市場全体が急落したが、リスクオフへの耐性が強い傾向にある金価格への連動を目指したZPG/JPYは堅調な値動きとなった。
最大下落銘柄のCHZ/JPYは、11月の上昇分を吐き出す下落となった。FTXを巡る暗号資産市場全体の急落により、足元で強い動きを続けていたCHZ/JPYはその分強い下落に見舞われた。40円台から一時25円付近まで下押ししており、1日で直近1ヶ月程度の上げ幅を失うこととなった。
・24時間ボラティリティ(%)
社内データより作成
11/8の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は21.54%、中央値は22.66%、標準偏差は8.15%となった。
最もボラティリティが高かった銘柄はCHZ/JPYで40.79%。
一方、最もボラティリティの低かった銘柄はZPG/JPYで2.30%となった。
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