いよいよ本日、米中間選挙、暗号資産市場への影響は?
Daily Market Report 2022/11/08
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・サイコロジカルラインに着目
社内データより作成
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いよいよ本日は米国の中間選挙が行われる。報道によると連邦議会の下院は野党・共和党が優勢で、上院は多数派の確保をめぐって、激しい競り合いとなっているようだ。
足元では、中間選挙を反映したアノマリーからか、株式市場は利上げの影響を無視するかのように強い反発を向かえているものの、暗号資産市場は伸び悩みとなっている。
この背景にはFTXの経営不安(FTXの関連会社アメラダ・リサーチの財務リスクに端を発するFTXトークンの売却など)がアルトコインを始めとして暗号資産の頭を押さえている状況がある。
本日は投資家心理を数値化したサイコロジカルラインを用いて、米国中間選挙後の暗号資産市場を分析してみる。
上図は、当社取扱い銘柄のうち、時価総額の大きいBTC(ビットコイン)、ETH(イーサリアム)、XRP(リップル)をピックアップして、サイコロジカルラインを示したものである。
サイコロジカルラインとは、前日と比較して終値が上昇した日が何日あるか、一定の期間で表すテクニカル指標である。
一般的には、直近12日間を対象として、数値が高いほど強気、低いほど弱気とされ、投資家の心理状態を示すといわれる。
まず、現状のサイコロジカルを確認してみる。
本日、11/8には米中間選挙の投票を迎えるが、上図のようにサイコロジカルラインは50%と強気弱気のどちらでもないゼロ地点に位置している。
現在、市場関係者が最も重視している要素の一つはインフレ動向の先行きであり、民主党、共和党ともにインフレを警戒する姿勢は同じである。
直近のサイコロジカルラインは、多くの投資家がインフレ動向などに関して米中間選挙をリスクニュートラルなスタンスとなっているといえそうだ。
複数のメディアで予測されているように、下院で共和党が議席を伸ばしたとしても、従来通りFRB(米連邦準備理事会)の独立性は保たれるだろうし、今回の選挙が米国の金利政策においてはターニングポイントになりえないかもしれない。
だだし、今回の選挙で共和党勢力が盛り返した場合には暗号資産への風向きが変化する可能性には留意しておきたい。
共和党のリーダーであるドナルド・トランプ氏は、過去にBTCやMeta(旧Facebook)社が発行を予定していた暗号資産Libra(リブラ)に対して否定的な発言をしてきた。今回の選挙で共和党勢力が盛り返した場合、長期的には暗号資産市場にとってネガティブな材料が燻る可能性もあるだろう。
また、共和党が議会を奪還するシナリオは、2023年後半頃になるとされる政府債務の上限引き上げの是非に影響するかもしれない。現実的な可能性は高くないが、民主党主導の財政政策に共和党が反抗し債務上限の引き上げ法案が滞れば、米国債のデフォルトリスクが意識されることも考えられる。
ただし、財政再建はバイデン政権の行き過ぎたマネーサプライの健全化とも言え、エネルギー分野などに効果的な予算配分がなされると市場の共和党評価も一変する可能性もあるだろう。
英国の前トラス政権は、財源の乏しい財政政策が引き金となり失脚し、英国の市場混乱時に英ポンド建てBTCの取引は急増した。米国の財政事情が暗号資産に脚光を浴びさせることも否定できない。
話をサイコロジカルラインに戻すと、BTC、ETHおよびXRPは50%の中間地点となっており、市場は弱気に傾いているわけではない点から、現時点では暗号資産市場にとって米中間選挙後の動向待ちといったところであろうか。
暗号資産が弱気、あるいは強気どちらに傾くかは上院の結果次第となるだろう。共和党の勝利から2024年のトランプ大統領を織り込むような動きとなると、財政の健全化、強いアメリカ政策の強化から、リスク資産全般の盛り上がりが広がる展開となる可能性は視野に入れておきたい。
(11/7 午後8:00時点)
・銘柄別価格前日比(%)
社内データより作成
11/7の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は-1.74%、中央値は-2.09%、標準偏差は0.96%となった。
最大上昇銘柄はDOT/JPYの3.42%、最大下落銘柄はAVAX/JPYの-3.62%。
最大上昇銘柄のDOT/JPYは当社取り扱い銘柄で唯一上昇となった。
1,017円でオープンし、16時台には安値963円まで下落するもその後1,075円まで反発した。
昨日のレポート(Daily Market Report 2022/11/7「DOT(ポルカドット)、ダイバージェンス発生。上昇転換なるか?」参照)では970円を割るかを関門としたが、失敗に終わった形である。しかし、依然、日足のストキャスとMACDは下落を示唆しているため再度トライするかもしれない。
最大下落銘柄のAVAX/JPYは、2,748円でオープン、2,649円でクローズ。日足ではダブルトップのネックラインに位置していると捉えることができ、今後の下落に繋がるかもしれない。
・24時間ボラティリティ(%)
社内データより作成
11/7の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は6.12%、中央値は5.70%、標準偏差は3.22%となった。
最もボラティリティが高かった銘柄はCHZ/JPYで16.83%。
一方、最もボラティリティの低かった銘柄はZPG/JPYで0.76%となった。
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