BTC(ビットコイン)。本日の雇用統計と10日のCPI後の動きは?

Daily Market Report 2022/11/4

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BTC(ビットコイン)相場の振り返り


BTC/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
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上図は、9/28から現在までのBTC/JPYの日足チャートである。

CPI(消費者物価指数)が発表されボラティリティが大きくなった10/13を除くと、10/25までBTCはおおむね約270万円から約290万円までのレンジ相場であったが、10/25にレンジをブレイクアウトし、約298万円を付けた。

その後の10/26~10/28までは、レンジ上限となっていた約290万円をレジスタンスとする展開が続き、ピークとなった10/29には約307万円まで上昇した。

しかし、11/3の午前3:00に開かれたFOMC(連邦公開市場委員会)の影響で一度約290万円を付けてからはトレンドが反転し続落基調となった。

そのFOMCの結果と発表されたことを簡単にまとめると以下のとおり。

①結果:予想通りFRBは0.75%利上げ。
②記者会見内容:12月は利上げ幅縮小の可能性を示唆するも明言は避ける。最終的な利上げの到達点(ターミナルレート)が高まることにも言及しており、今後の経済指標によって姿勢が変わると予想できる

すなわち、インフレ率や世界的な景気動向といった今後のファンダメンタルズによってFRBの利上げ姿勢は変化し、乱降下する相場が続く可能性もあると言える

今後のファンダメンタルズ要因は?

直近の主な経済指標は11/4(午後9:30)発表の失業率や11/10のCPIだろう。

先述のBTCチャート10/13の下髭の長いローソク足に見られるように、経済指標の発表ではボラティリティが大きくなる傾向がある。

昨日のFOMCの内容は、経済指標によって今後の利上げスタンスは柔軟に変わる可能性があることを示すものであった。従って失業率やCPIの結果によっては、BTC/JPYのトレンドが再び大きく変わる可能性もある

米国の中央銀行にあたるFRBは物価の安定と雇用の最大化を使命としている。

11/4発表の失業率予想は前月比3.6%(前月発表は3.5%)であり、仮に失業率が急激に上昇するようなら、それは利上げのブレーキ要因となりそうだ。その反面、現在の失業率は3.5%と歴史的な低水準であり、多少の上振れではFRBのタカ派スタンスは崩れなさそうだ。

11/10発表のCPI予想は前年比8.0%(前月発表は8.2%)であり、やや低下傾向にはあるものの、インフレは根強く市場に浸透している状況だ。CPI(すなわちインフレ率)の低下は利上げ観測の後退に繋がるかもしれない。しかし、昨年にFRBは「インフレは一時的」との主張を撤回しているだけに、CPIの低下が利上げの減速に直結するとも言い切れない。

一般論としては、市場予想より強い景気を示す指標結果が出れば、利上げ加速の可能性が高まり金融資産は下降トレンドとなりそうだ。反対に、市場予想より弱い指標結果が出れば、景気減速を避けるため利上げ幅縮小の可能性が高まり金融資産は上昇トレンドになる可能性も出てきそうだ。

とはいえ、市場参加者の思惑が錯綜する展開も考えられるため、一本調子で相場が片方に動くとは限らないことには注意が必要だ。

テクニカル分析

最後に、BTC/JPYをテクニカルな視点で分析する。


BTC/JPY 週足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、2021/11/8から現在までのBTC/JPYの週足チャートである。

上図のとおり、およそ一年にわたって抵抗線となっていたトレンドライン(上図※)に先週トライし、約300万円を上抜けようとしている。

底固い動きを見せるBTC(ビットコイン)。トレンドラインブレイクなるか?」のマーケットレポートでも述べたが、もしこのトレンドラインを明確に上抜けるようなことがあれば、下落相場からレンジ相場を経てトレンドが転換するという相場の動きも考えられる。

一方、執筆時は上図のとおり価格は抵抗線より上に位置するが、週足確定時には今の価格帯より下に推移し、上抜け失敗の展開も想定される。

そうなれば、トレンド転換失敗により下降トレンドが継続し、直近安値となっている約230万円を試す可能性も生じるだろう

今週の週足でのローソク足がどのような形状になるかが、テクニカル的にはカギになりそうだ。

(11/3 午後5:00時点)

銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

11/3の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は2.52%、中央値は2.49%、標準偏差は1.79%となった。

最大上昇銘柄はBAT/JPY8.79%、最大下落銘柄はCHZ/JPY-0.43%

最大上昇銘柄のBAT/JPYは、一時的に節目の50円を回復。11/2に長い上髭をつけていたことで、上値の重さも意識される中、本日は力強い上昇を描き、大陽線が出現した。

ただし、50円の節目は一時的な回復に留まっており、上昇となるかを占う上で今後の値動きにおいて、同水準を超えることが出来るか要注目だろう。

最大下落銘柄のCHZ/JPYは、10/30からの上昇が一服。10/30に大台の30円を超えたことで大きく上昇してからは堅調な値動きを続け、数日で35円台を回復するに至った。

昨日は下落したものの、35円を維持しクローズを迎えており、直近の上昇スピードが早かったことや、次の節目の40円を眺め一旦スピード調整となった印象だ。

24時間ボラティリティ(%)

社内データより作成

11/3の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は5.25%、中央値は5.17%、標準偏差は2.97%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はBAT/JPY13.98%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はMONA/JPY0.92%となった。

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2022-11-04
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