取引高&時価総額急増のAVAX(アバランチ)、9月時価総額高値の63億ドルに注目
Daily Market Report 2022/11/2
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・取引高はCHZ、時価総額ではETHが前月比1位、取引高&時価総額ではAVAXにも注目
CoinMarketCap(https://coinmarketcap.com/)の11/1 7:00、10/1 7:00に取得したデータより当社作成
上表は、当社取扱い銘柄のうち、暗号資産市場における時価総額上位90位までの15銘柄の前月比(10/1と11/1の比較)と取引高をまとめたものである。
まず、前月比の時価総額をみると、15銘柄中7銘柄が増加し8銘柄が減少している。
10月の暗号資産市場は米国の金利引き上げの観測報道に左右され、方向感に乏しい相場だったと総括できそうだ。
次に、取引高の前月比上位3銘柄をみると、CHZ、AVAX、ETHの順で、138.9%~34.6%の増加となっている。
CHZは、スポーツに関連した暗号資産銘柄とされる(詳細は10/27の当社レポート「”伸びしろ”あり?CHZ(チリーズ)に迫る好機を探る」参照)。中でも今月末に控えているサッカーW杯が材料視され、取引高の急増に現れたともいえるだろう。
ただし、CHZの今回の時価総額であるが、前月比で-5.7%と伸び悩んでおり、売買が交錯しているようだ。足元では一時的な材料銘柄とする見方が優勢とも捉えられるが、まだW杯の開催まで20日間もあることや、時価総額上位の銘柄と比較したときのCHZの知名度の拡大の余地を考えると、今後も注目しておきたい銘柄といえるだろう。
2位のAVAX、3位のETHは時価総額も10%超のパフォーマンスをみせている。これらは買いで入る取引参加者が多い状態といえる。
ここで、時価総額と取引高の関係を整理しておきたい。
以下が傾向として考えられるだろう。
・時価総額増加(↑)、取引高増加(↑)…(例: AVAX、ETH、DOT、BTC、LTC)
買いで入る取引参加者が多い状態。レバレッジをかけた買いも考えられ、その場合はいずれ決済売りが起こる。典型的な上昇トレンドのチャートを描くことが多いが、急落に転じる局面の見極めが重要な難しい相場ともいえる。
・時価総額減少(↓)、取引高増加(↑)…(例:CHZ、ADA)
売りで入る取引参加者が多い状態。相場の下落局面で発生した場合は、後でみたときに、出来高の伴った下髭となることがあり、これらは「投げ」とも称される。
背景としては、買いで含み損を抱えたレバレッジ取引参加者が追証解消のために行う換金売りのほか、レバレッジをかけた積極的な売りが考えられ、その場合はいずれショートカバーが発生する。反転に転じる局面の見極めが必要な相場ともいえる。
だが、今回のCHZに関していえば、10月下旬に底値をつけてから既に13%以上の上昇をみせており、相場の下落局面とは言い難い。減少した時価総額が再び増加に転じる局面とも考えられ、日足以下のスパンでみることも肝要だろう。
・時価総額増加(↑)、取引高減少(↓)…(例:TRX)
「投げ」の後のショートカバーによる時価総額の増加と「投げ」と比較したときの取引高の減少が考えられる。
例として挙げたTRXは7月から9月末にかけて、9円台後半から8円台前半まで軟調で推移したが、その後は堅調に下値を切り上げている。
8円台前半の価格帯は8月にもつけており、9月末の反転でダブルボトムをつけていたとも考えられる。下値の堅さを足場とした買い戻しが進んでいるとみることもできそうだ。
・時価総額減少(↓)、取引高減少(↓)…(例:XRP、XLM、ETC)
時価総額の減少がゆるやかな場合は、銘柄の材料に乏しく、他の銘柄に向かった可能性が考えられる。
減少が急な場合は、前月、前々月の注目度が大きかったことの反動ともいえる。XRPは、9月末にリップル社CEOがSECとの裁判の見通しについて語ったことにより、注目され、時価総額・取引高ともに急増したが(9/27 CoinPost)、その後は材料の出尽くし感から、時価総額・取引高とも逓減している。
XLMも決済系の銘柄であることを背景にXRPと相関性の高い値動きをすることがあり、同様の理由だったとみることができそうだ。
前項で触れたとおり、取引高2位のAVAXは反転の見極めの難しい銘柄といえるが、中長期的な観点から注意しておきたい点を取り上げる。
・10/31の取引高&時価総額を超えられるかが勝負
CoinMarketCap(https://coinmarketcap.com/)より当社作成
AVAX(アバランチ)のチャート・価格情報はこちら
上図は、年初からのAVAXの取引高と時価総額の推移である。
AVAXの取引高&時価総額は前月比では高いパフォーマンスだったが、3月、5月、7月、9月と隔月単位では下落トレンドが伺える(黃矢印)。
この下落トレンドを否定するうえで、目先の取引高&時価総額の高値でもある9月上旬の6,312,006,912ドル(日本円で約9,391億円。上図 白丸)を抜けられるかが今後の焦点となりそうだ。
足元では、10/31の取引高&時価総額の増加に対し、11/1は減少がみられている。
AVAXの隔月サイクルが今後も効くとすれば、このまま頭打ちとなった場合、12月末まで低迷する可能性が考えられ、警戒が必要だろう。
(11/2 午前6:00時点)
・銘柄別価格前日比(%)
社内データより作成
11/1の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は-0.66%、中央値は-0.83%、標準偏差は1.26%となった。
最大上昇銘柄はCHZ/JPYの3.54%、最大下落銘柄はMONA/JPYの-4.56%。
最大上昇銘柄のCHZ/JPYは、反発。
日中は底堅く推移し、夜間はボラタイルながらも下値を切り上げながらの推移となった。CHZ/JPYの詳細は本稿で触れた通り。
最大下落銘柄のMONA/JPYは前日の上昇から一転して反落。
一時間足でみると、10/31の午後10時から11/1の午後2時にかけての上に往って来いの相場となっている。
流動性の低い銘柄の価格は、一部のまとまった売買に動かされる現象がみられ、今回のMONA/JPYもその一種といえるかもしれない。これを狙った取引を探究するのも一つの戦略といえるだろう。
・24時間ボラティリティ(%)
社内データより作成
11/1の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は4.23%、中央値は4.45%、標準偏差は1.49%となった。
最もボラティリティが高かった銘柄はCHZ/JPYで7.65%。
一方、最もボラティリティの低かった銘柄はZPG/JPYで0.92%となった。
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