ETH(イーサリアム)、半年ぶりに200日移動平均線を上回る!今後のシナリオは?

Daily Market Report 2022/11/1

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200日移動平均線まで価格回復

ETH/JPY 週足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
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上図は、ETH/JPYの日足チャートに200日移動平均線(白線)とボリンジャーバンド(オレンジ線、2σ、20日、終値)を表示したものである。

ETH/JPYは9/22頃から値動きの乏しいレンジ相場となり、ボリンジャーバンドは極端に縮小する状況となっていた。

しかし、10/25の大幅上昇により、ETH/JPYはボリンジャーバンドの2σライン(オレンジ色の上方線)に沿う動きを見せている(通称、バンドウォーク)。このバンドウォークは一般的にトレンド発生と捉えることができるため、ETH/JPYは上昇トレンドに入ったとも言えるかもしれない。

さらに、足元では約半年ぶりに長期目線での節目となる200日移動平均線を上回る水準まで価格は上昇している。5月のルナショック以降に低迷が続いていたETHは転換期を迎えているような反発だ。

上昇トレンドが継続するようなら、8月高値の27万円や心理的節目となる約30万円(約2,000ドル付近)を目指す展開も考えられるかもしれない。

ETHの上昇を支えているのは、直近1週間ほどのマクロ経済環境による側面も大きい。先週(10月第四週)は米国の利上げ観測の後退や、良好なアップル決算が好材料となり、株式をはじめとしたリスク性資産に買いが入った。ハイテク企業に数多く出資しているソフトバンクの株価は昨年11月以来の高値に回復しており、景気敏感銘柄にも追い風が吹いている格好だ。

今週11月第一週は、米国にて市場参加者の注目度が高い指標発表が控えており、材料次第ではトレンドが再び大きく転換することもありそうだ。

米国の政策金利、失業率発表が控える

今週に発表がある重要指標は、米国の中央銀行にあたるFRBの政策金利を決める会合(FOMC)と米失業率である。

一番の注目ポイントは、11/2(日本時間11/3午前3時)の政策金利発表と、パウエルFRB議長の記者会見だろう。

11月の利上げは0.75%となることは市場予想に織り込まれているが、米国政策金利の先行きを表すFedウォッチによると12月の利上げ予想は0.5%と0.75%で市場予想が分かれている。

従って、FRBが利上げを強固に行うタカ派姿勢を取るかどうかがポイントとなりそうだ。仮に、リセッション(景気後退)を容認してでもインフレ退治のため利上げを続ける姿勢をFRBが見せれば、暗号資産市場には向かい風となる可能性もあろう。

ジャクソンホールでのパウエル議長の会見があった8/26は、ナスダック総合株価指数が3.9%安となるなどリスク性資産は軒並み下落に転じた。来年末にはFRBが利下げに転じるシナリオも市場では想定されているだけに、楽観論が消えていないのも事実だろう。

一方で、11/4発表の10月失業率にも目が離せない。現在の失業率は3.5%と歴史的な低水準を維持しており労働市場は売り手(労働者)優位の状況だ。失業率の市場予想は3.6%と横ばいとなっているが、失業率が低下となれば金融引き締めの余地が拡大しリスクオフの色合いが強くなるかもしれない。

また、11/4には平均時給の発表も控えている。時給、すなわち賃金の上昇が進むようなら企業が生産品にコスト分を価格転嫁し易い環境となり、物価高(インフレ)に一段と拍車がかかりそうだ。そうなればインフレ高進が懸念され、金融引き締め観測に繋がりそうだ。

上述した内容は株式や暗号資産の下落シナリオであり、発表される各指標などが上述とは反対の結果となれば(または市場がそのように受け止めれば)、再びリスクオンの市況環境となるだろう。

ちょうど1年前には50万円を超えていたETH/JPYは当時の半値以下(現在23万円前後)で推移している。

昨年のような勢いを取り戻すか、あるいは長期的な下落が続くのか。非中央集権的とされる暗号資産の運命を握るのは、皮肉にも中央銀行制度のFRBとなりつつありそうだ。

(10/31 午後11:00時点)

銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

10/31の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は-0.43%、中央値は-0.77%、標準偏差は1.29%となった。

最大上昇銘柄はMONA/JPY4.95%、最大下落銘柄はETC/JPY-2.31%

最大上昇銘柄のMONA/JPYは強い値動き。

欧州時間終わりまでは方向感のない値動きを続けていたが、NY時間突入後に動意づくと、直近の高値圏である65円を勢いよく上抜いた。その後70円に到達できずに一旦失速しており、今後の値動きに注目が必要だろう。

最大下落銘柄のETC/JPYは、上下動があったものの冴えない値動き。10/29頃から一時間足でジリジリと上値を切り下げる値動きを続けていたETC/JPYは、欧州時間に3,600円台を見たものの、その水準を維持できず行って来いの値動き。その後は3,500円台で膠着状態となった。

24時間ボラティリティ(%)

社内データより作成

10/31の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は5.75%、中央値は5.11%、標準偏差は2.52%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はCHZ/JPY12.80%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はZPG/JPY0.74%となった

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2022-11-01
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