つかず離れずのXEM(ネム)とXYM(シンボル)、今後の投資戦略は?
Daily Market Report 2022/10/25
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・XEMとXYMの価格が逆転!?
当社取引データより作成
XEM(ネム)のチャート・価格情報はこちら
XYM(シンボル)のチャート・価格情報はこちら
上図は、XEMとXYMの週足終値をベースとして、両銘柄の2022年4月からの価格推移を示したものである。
XYMは、2021年3月にXEMのハードフォークにより発生し、オプトインを行ったXEMの保有者に対して1対1の割合でXYMが配布された。
※当社では、2022年3月30日からレバレッジ取引にてXYMの取扱いを開始した。
当初はXEMよりXYMの価格が優勢であったが、上図のとおり2022年5月に両銘柄の価格が初めて逆転したのち、つかず離れずの値動きを見せている。
ここで、XEM、XYMの相違点をおさらいしておこう。
社内資料より作成
上図のとおり、XYMはXEMと比較してセキュリティ面や処理速度が向上し、コンセンサスアルゴリズムもユーザーにとってより公平なシステムが採用されており、XYMは機能面からXEMのアップグレード版と見ることができる。
多くの暗号資産は原資産を持たないゆえに理論価格が算出できず、どちらの価格が優勢であるべきか判断するのは難しい。
しかし、本来ならXYMの機能面が評価され、XEMの価格を上回ってしかるべきところ、XYMの価格が下位に甘んじていた状態は歪(いびつ)であったといえるかもしれない。
かつて、ビットコイン(BTC)からビットコインキャッシュ(BCH)、イーサリアム(ETH)からETC(イーサクラシック)がハードフォークにより発生し、現状では新たに発生した暗号資産の価格が下位となっているが、こうしたアノマリーが影響していた可能性もあるだろう。
実際のところ、ハードフォーク時の話題性から優勢であったXYMが失望され、代わりに生みの親であるXEMが評価されていたかは定かでないが、昨日10/24に一時6円台をつけたXYMの急騰が一時的なものに留まり、XEM優勢のトレンドに戻る可能性も否定はできない。
再びXEM優勢のトレンドに戻り、つかず離れずであった両銘柄の価格差が急拡大した場合、いずれは過去の値動きに倣って価格差が縮小するであろうという観点に立てば、3つの投資パターンが考えられる。
①XEMと比較してXYMが割安と考え、XYMの買い建を行う。
②XYMと比較してXEMが割高と考え、XEMの売り建を行う。
③割安と考えられるXYMの買い建をして、割高と考えられるXEMの売り建を行う。
これらのうち、③はペアトレードとも呼ばれヘッジファンドが用いるいわゆるロング・ショート戦略である。
社内資料より作成
相関関係の高い2銘柄において、上図のように価格差が拡大した際、割高と考えられる銘柄Aの売り建、割安と考えられる銘柄Bの買い建を組み合わせて行うのもペアトレードの一例である。
そして、過去の値動きに倣い価格差が縮小した時点で全て決済すれば、双方のポジションにおける損益を相殺した分が利益となる。
XYMはXEMのハードフォークによって発生し、過去の値動きからも相関関係が高いと考えるならば、両銘柄の価格差が拡大した際にペアトレードを検討する余地はあるかもしれない。
なお、ペアトレードは買い、もしくは売り一方の取引と比較して、一般的に相場全体における騰落の影響を受けづらいとされるが、新規建のタイミングよりも価格差が更に拡大して、売り買い双方で損失を抱えるリスクもあるため油断は禁物といえる。
昨今の金融市場では、対日本円における米ドル(USD)とユーロ(EUR)、スイスフラン(CHF)とユーロのように価格の逆転から更に価格差が拡大している事象も発生しており、こうした事象を興味深く見守る投資家もいるだろう。
来月初頭のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、引き続き利上げが予想されており、リスクオフムードの高まりから、依然として暗号資産市場は厳しい状況におかれている。
しかし、今月11日には米国の金融大手バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)が暗号資産のカストディ(保管・管理)業務開始を発表しており、金融市場における暗号資産の存在感は確実に増している。
日進月歩で存在感を増す暗号資産の取引においても、一方通行の売りや買いのみならず、ペアトレードの機会を探ってみることも考えられるだろう。
(10/25 午後1:00時点)
・銘柄別価格前日比(%)
社内データより作成
10/24の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は0.83%、中央値は-0.06%、標準偏差は1.69%となった。
最大上昇銘柄はXYM/JPYの12.35%、最大下落銘柄はETC/JPYの-1.93%。
最大上昇銘柄のXYM/JPYは14時頃に5円台から、一時6円台に乗せる急伸を見せた。
10/25に予定されているアップデートへの思惑や、医療大麻の栽培管理へXYMが活用されるとの報道による期待感の高まりが価格上昇に繋がった可能性がある。
最大下落銘柄のETC/JPYは2日続落。昨日は10/21-10/22の上げ幅に対する半値押し水準で下値がサポートされたが、3,500円で頭を抑えられており、上値の重さが払拭できない状況が続いている。
・24時間ボラティリティ(%)
社内データより作成
10/24の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は5.91%、中央値は5.15%、標準偏差は3.78%となった。
最もボラティリティが高かった銘柄はXYM/JPYで21.84%。
一方、最もボラティリティの低かった銘柄はMONA/JPYで1.28%となった。
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