今年はアノマリーのハズレ年?2018年にならい10月のBTCはこのまま下落か?

Daily Market Report 2022/10/21

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ビットコインのアノマリー

coinglassより当社作成

上の表は、2013年から2022年10月現在までのビットコインの月別の騰落率をまとめたものである。緑色は上昇、赤色は下落を示している。

株式市場をはじめとした相場分析の手法には様々な種類があるが、過去の騰落を上表のようにまとめ傾向を探ることは長く用いられてきた手法の一つである。

このような理論的根拠に基づかない、相場での経験則のことをアノマリーというが、本稿では上表から読み取れる傾向から、今後のBTCの動向を考察する。

・9月は下落、10~11月は上昇する傾向
「夏枯れ相場」や「サマーラリー」といった投資用語があるように、一般的に8月、9月は株式市場でも弱気な相場を生みやすいと言われている。

ビットコインにおいては、2015、2016年を除く9月が下落に終わっていることから、少なからず同様の傾向があるといえるだろう。

また、10/18のレポートで取り上げた通り、10月に上昇傾向が強いのは、米国中間選挙後に上昇する傾向が強いことも関係していると言える。

今年2022年における10月は今のところ株式市場とともに上昇は見られていないため、今年はアノマリーのハズレ年となるかもしれない。

・2014年、2018年、2022年と大きな下落は4年ごとに発生している
2021年までのうち下落に終わった年は、2014年と2018年である。

どちらも、半減期(2012年と2016年)の翌年のバブル(2013年と2017年)の翌年(2014年よ2018年)であり、半減期の周期である約4年とも一致している。半減期とはマイニングでの採掘報酬が半減する時期のことであるが、ビットコインの需給バランスを取り、価格維持に欠かせないものである。詳しくは当社コラム参照

今年2022年も同様の状況といえる。2020年に半減期を迎え、昨年大きく上昇したのは記憶に新しいが、11月に天井を迎えると、現在にかけて70%以上も下落している。

特に今年2022年と2018年は、今のところ3月と4月を除く月で騰落が一致しているため、同様の動きとなることを視野に入れておくべきだろう。

以下では、2018年と2022年の比較をもとに今後のBTCを考察する。

2018年は12月に底打ち

Trading Viewより当社作成

上図は、2018年(左軸)と2022年(右軸)のBTC/USDの日足終値を前年度10月から描画したものである。

前章でも述べた通り、2018年及び2022年はどちらもバブル翌年である。

2018年は、前年12月に高値19,650ドルを更新したのち、乱高下を繰り返しながら、12月に底となる3,183ドルをつけている。この一連の下落は高値から約84%下落している。

2022年は前年11月に高値67,554ドルを更新してから、10/20現在の約19,000ドルまで約72%下落している。2018年と同様の展開を迎えるとした場合、ここからさらに約10%の下落をすることとなる。

チャートの形状的にも現在は2018年と似通っており、今後大きな材料がない限りは11月以降の下落に注意するべきだろう。

また、2018年は12月に底値を付けて以降横ばいが続き、翌年2019年4~5月ごろに下落前の水準に価格を戻している。

このことを踏まえると、今回の暗号通貨市場の冬が終わるのは来年の4~5月という見方もできるだろう。

・まとめ

以上のように、過去のアノマリーから推察すると、今年は2018年と状況が似ており、ここからさらに下落する可能性があるといった悲観シナリオが予測された。

しかし、一方でビットコインハッシュレートが最高を更新しており、採掘ペースは以前に増して勢いをつけている。このことから、仮に下落しようとも健全なサイクルの一環とも捉えられよう。

現在は米国株式市場との相関も増しており、不安定な情勢が続いているため、今回用いたアノマリーがどれほど通用するかは全くの未知数であるが、このような過去の傾向を知り注意深く相場を観察することで、相場の反転サインに気付ける可能性は大幅に上がるだろう。

(10/20 午後8:00時点)

銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

10/20の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は-2.31%、中央値は-2.17%、標準偏差は1.66%となった。

最大上昇銘柄はTRX/JPY0.33%、最大下落銘柄はCHZ/JPYの-5.47%

最大上昇銘柄のTRX/JPYは、9月下旬は約8.2円前後だったが、そこから上昇トレンドになっており、現在は約9.2円を推移している。

最大下落銘柄のCHZ/JPYは、10/19も当社取り扱い銘柄の中では最大下落銘柄だったが、相変わらず下降トレンドが続いている。現在は、約24.8円を推移している。

24時間 ボラティリティ(%)

社内データより作成

10/20の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は5.21%、中央値は5.09%、標準偏差は2.10%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はXRP/JPY10.29%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はZPG/JPY1.25%となった。

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2022-10-21
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