頻発するハッキング被害。イーサリアム(ETH)はどうなるか
Daily Market Report 2022/10/20
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・当社取扱い22銘柄の騰落率
騰落率ランキング(期間2022/10/9 – 2022/10/18)
当社クローズレート(Bid)より作成
上図は、2022/10/9~10/18における当社取扱い銘柄の騰落率のランキングである。
22銘柄中17銘柄が下落しており、下位5銘柄に至っては10%を超える下落となった。
そんな軟調な相場の中で、暗号資産時価総額ランキング2位(※)のETH(イーサリアム)は何とか持ち堪え、プラス域でその日を終えた。
※2022年10月現在
今月はBSC(バイナンススマートチェーン)やソラナ基盤のDeFiであるMango Marketsへの攻撃など、ハッキング被害が目立った月でもあり市場は軟調な相場を抜け出せずにいる。
本レポートでは、ETHのチャートを用い、暗号資産関連のニュースを振り返る。
・ETHのチャートで見る10月9日からのニュース
ETH/JPY 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
ETH(イーサリアム)のチャート・価格情報はこちら
上図は、2022/10/9~10/18のETH/JPY日足Bidチャートにニュースを記載したものである。
2022年10月は、まだ下旬に差し掛かった段階であるにも関わらず、暗号資産関連のハッキング被害総額は7億1800万ドル(約1054億円)と、過去最悪となっている状況だ(10/13 CoinDesk)。
(1)中でも大規模なハッキング被害として、10/12にソラナ基盤のDeFiで170億円相当の被害が発生している(10/12 CoinPost)。
当該DeFiのコミュニティは約100億円を返還する代わりに、脆弱性指摘への報奨金としてハッカーの手元に残りの約70億円を残すことを投票で承認した。
(2)10/13には長い下ヒゲがついている。
これは、米CPI(消費者物価指数)の発表を受けて金融引き締めの長期化懸念が広がり、一時的に売りが強まったことが要因と考えられる(10/14 モーニングスター)。
売り一巡後は米株の上昇などを背景に買戻しの動きが強まり、ETHは187,900円でクローズした。
(3)10/17の上昇は、米小売売上高が好転し輸入物価指数が低下、それを株式市場が好感したことが要因であろう。
米株に連れられる形でETHも上昇。前日比3.6%上昇の195,400円を付けた。
19万円という心理的節目を越えたが、今後はどのような展開になるのか。
今後発表される経済指標や、暗号資産市場に影響しそうなイベントをもとに考察する。
・今後のETH(イーサリアム)を取り巻く動き
・10/27 欧州中央銀行(ECB)政策金利の発表
9月のECB政策金利は大幅利上げに踏み切り、0.75%上昇の1.25%となった。
加えて、今後数回に渡り追加利上げを表明しており、10/27は前回の表明から初の金利発表のため、市場はリスクに備える動きをすると考えられる。
CPIやFOMC(米連邦公開市場委員会)の金利発表時など、市場は警戒ムードに突入する可能性もある。
直近は発表前にリスクオフの動きをすることが多いため留意しておきたい。
・11/2(日本時間11/3未明)FOMC政策金利発表
毎月のFOMC近辺では値が動いており、市場が注目する重要なイベントだ。
10/12(日本時間10/13未明)に発表された議事要旨には、政策金利を景気に抑制的な水準に短期間で引き上げること、インフレ率を目標値まで下げるためにその水準で維持する方針を示していた。
それに加えて、CPIの発表を控えての警戒感からか米株市場は下落。NASDAQ総合は前日比0.2%下がった。
9月のFOMC政策金利発表時にETHは前日比3%以上の下落を記録しており、ECBの政策金利発表時と同様、今回の発表前には急な値動きに警戒が必要そうだ。
度重なる利上げの発表で市場は織り込み済みのリスクとして判断することも考えられるが、毎度同じ動きと予測し売りが走る可能性もある。
そうなった場合、18~20万円で推移していたETHは節目である18万円を割り込み、直近安値である17万円付近まで下落するかもしれない。
反対に、予想外に数値が好調な場合はポジティブサプライズとして市場が好感し起爆剤となり、9月後半~10月前半に試した20万円へ再度挑戦する可能性も出てくるだろう。
その他、ETHに関しては、次期アップグレード「Shanghai」のテストネットがローンチされ(10/18 CoinPost)、これらのニュースにも注意が必要である。
(10/19 午後8:00時点)
・銘柄別価格前日比(%)
社内データより作成
10/19の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は-0.29%、中央値は-0.39%、標準偏差は0.93%となった。
最大上昇銘柄はMONA/JPYの4.17%、最大下落銘柄はCHZ/JPYの-2.61%。
最大上昇銘柄のMONA/JPYは、9月下旬頃から60円付近を張り付く展開が続いていたが、反発し、現在は約64.2円付近を推移している。
最大下落銘柄のCHZ/JPYは、9月下旬頃は約40円を付けていたが、そこから下降トレンドが続いている。現在は約26円を推移している。
・24時間ボラティリティ(%)
社内データより作成
10/19の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は3.03%、中央値は2.88%、標準偏差は1.41%となった。
最もボラティリティが高かった銘柄はMONA/JPYで6.48%。
一方、最もボラティリティの低かった銘柄はZPG/JPYで1.26%となった。
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