米国中間選挙まで1か月、ビットコインへの影響は?
Daily Market Report 2022/10/18
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・米選挙とリスク資産の関係
来月8日、米国で中間選挙投開票が実施される。
中間選挙とは4年に一度、大統領選挙から2年後の年に実施される選挙であり、下院の全議席と上院の3分の1議席が改選される選挙である(米国議会は上院と下院の2院制)。
大統領の任期である4年間の折り返し地点で実施されることから、現大統領が国民から再評価される場とされている。
中間選挙による改選後、大統領の党派(バイデン現米大統領は民主党)が多数派となれるかによって、残り2年間の政権運営に大きな影響を与えることも、注目される理由の1つであろう。
また、米国の選挙活動は株式市場に与える影響も大きいとされており、金融市場からの関心も高い。
中間選挙の翌年である大統領選挙前年は株価が上昇しやすいというアノマリーもあり、中間選挙年は翌年に向けた買い場とも言われている。
このアノマリーを可視化したものが次のグラフである。
下図は、中間選挙年・大統領選挙前年・大統領選挙年・大統領選挙翌年ごとのパフォーマンスを比較したものであり、左がS&P500指数、右がBTC/USD(ビットコイン)である。
S&P500指数は1950年から2021年、BTC/USDは2015年から2021年のデータを元に作成している。
Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成
上図左上のグラフは、S&P500指数のパフォーマンスは大統領選挙前年が最も高く、反対に中間選挙年はパフォーマンスが最も低い傾向があることを示しており、米国株式は冒頭のアノマリーと実際の傾向が一致していると言える。
しかし、上図右上のグラフから、BTC/USDは大統領選挙翌年のパフォーマンスが最も高く、中間選挙年のパフォーマンスが最も低かったことがわかる。
大統領選挙翌年のパフォーマンスが最も高いという米国選挙のアノマリーは、暗号資産市場には当てはまらないが、中間選挙年のパフォーマンスが最も低いことは共通しており、大統領選挙翌年も低いパフォーマンスではない。
BTC/USDは検証データが少ないため、今後の経過とともに米国株式の傾向を追っていく可能性もあるだろう。
米国株式との相関率を考慮しBTC/USDも米国株式に近い傾向があるとする場合、来年に向けた買い場はどこになるのであろうか。
・米国株式は秋に底打ちする傾向
下図は、1950年から2021年のS&P500指数の値動きのうち、中間選挙年のパフォーマンスのみを抜き出し平均化した1年間の値動きである。
Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成
上図から、中間選挙年のS&P500指数は終値ベースで9月に底打ちし10月から翌年に向けて上昇する傾向があることがわかる。
また、下図から今年もこの傾向に沿う形での推移になる可能性があることが示唆される。
下図は、今年9/1から現在までのBTC/USDとS&P500指数の値動きを表したグラフである。
Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成
BTC/USDは、9/21に付けた9月最安値の18462.64ドルから安値を切り上げる形で推移しており、一度底を打ったかのように見える。
S&P500指数は9月の最安値である9/30の3585.61ドルを割り込みはしたものの、大きく値を下げることなく推移している。
・来年にかけての展望は明るいか
図1. BTC/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
BTC(ビットコイン)のチャート・価格情報はこちら
上図は、2021/11/1から現在までのBTC/JPY日足チャートに、2021/11/10の高値と2022/9/13を結んだトレンドライン(青色)と2022/6/7と2022/9/13を結んだトレンドライン(赤色)を描画したものである。
BTC/JPYは、2021年11月から続く中期的なトレンドライン(青色)を上にブレイクし、今年6月からのトレンドライン(赤色)も上抜いた位置を推移していることがわかる。
図2. BTC/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
上図は、図1を拡大したものに、2022/6/18を起点とするトレンドライン(黒色)と75日移動平均線を描画したものである。
現在は、75日移動平均線を挟んだ展開となっており、75日移動平均線を突破し、9/13の高値である3,216,127円水準まで短期的に上昇できるか着目したい。
しかし、米国連邦準備理事会(FRB)のタカ派姿勢の継続や米大手企業の決算発表などネガティブサプライズとなる可能性のある材料は払拭されていない。
再度下落に転じ、下支えとなって来たトレンドライン(黒色)を割り込めば、安値を探る展開も無視はできないだろう。
(10/18 午前6:00時点)
・銘柄別価格前日比(%)
社内データより作成
10/17の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は2.13%、中央値は2.09%、標準偏差は1.11%となった。
最大上昇銘柄はETC/JPYの3.99%、最大下落銘柄はMONA/JPYの-0.57%。
最大上昇銘柄のETC/JPYは、15日移動平均線を上抜け10/14高値である3576.2円を目指す動きに。現在は3491円付近を推移。
最大下落銘柄のMONA/JPYは、62円を下抜けたことにより一時的に売り圧力が強まる展開に。最安値から値を戻し現在は61.9円付近を推移している。
・24時間ボラティリティ(%)
社内データより作成
10/17の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は3.65%、中央値は3.59%、標準偏差は1.05%となった。
最もボラティリティが高かった銘柄はXYM/JPYで6.67%。
一方、最もボラティリティの低かった銘柄はZPG/JPYで1.57%となった。
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