ETH(イーサリアム):一目均衡表では19万円水準の底値もみ形成、FRB利上げ支持での下放れに注意

Daily Market Report 2022/10/17

_

本稿では、ETH(イーサリアム)について、一目均衡表を用いて分析する。

19万円付近での膠着から抜け出す兆候が?

図. ETH/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
ETH(イーサリアム)のチャート・価格情報はこちら

図は、ETH/JPY日足チャートに一目均衡表(基準線期間:26日、遅行スパン期間:26日、転換線期間:9日、先行スパン2期間:52日)を設定した図(期間:2022/8~現在)である。

図を見て分かるように、現在のETH/JPYは19万円付近での価格推移となっている。

目均衡表では転換線(9)・基準線(26)が同水準で推移していることで膠着感が強くなっている一方で、遅行スパン(26)が19万円で好転したことや雲の形状は下降を維持しており、雲上限の22万円をターゲットとした上昇トライの機運が高まりつつあると言えるかもしれない。

一方で、米コアCPIが40年ぶりの上昇率となったことや1年先のインフレ期待が7か月ぶりに上昇したことを背景に、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ継続、これに伴うドル上昇・暗号資産下落(リスクオフ)の流れが継続することにより、相場が19万円から下放れする展開も想定しておく必要がある。

<テクニカル要因> : 一目均衡表では19万円を相場水準とする底値もみ形成

①:遅行スパン(26)が相場実線を*好転したこと
②:転換線(9)と基準線(26)が同水準で推移していること
③:先行きの雲が下降を維持していること

*好転=転換線が基準線を上回る、遅行スパンが相場実線を上回る、雲が上方へ捻じれること
*逆転=転換線が基準線を下回る、遅行スパンが相場実線を下回る、雲が下方へ捻じれること

①:遅行スパン(26)が相場実線を好転したこと
図の①印を見て分かるように、遅行スパン(26)は10/15に19万円水準で相場実線を好転した。

この状況からは、19万円を相場水準とする当日含む過去26日間のもみ合い相場を形成したことが確認できる。また、相場実線が同水準から放れやすい状況と考えられる。

その理由は、均衡表におけるもみ合い相場は遅行スパンの好逆転をサインとして捉えることができ、もみ合いの起点(遅行スパンが好逆転した時点)から放れのポイントまでの日柄が*基本数値になるケースが多いとされるためである。

*基本数値=9と26を組み合わせた数

今回の場合、遅行スパンの遅行期間は26日(基本数値)を設定しているため、価格が相場水準となる19万円から放れやすい展開であると読み取る形となる。

②: 転換線(9)と基準線(26)が同水準で推移していること
図の②印を見て分かるように、転換線(9)と基準線(26)は26日間もみ合い相場の水準となる19万円付近で推移している。

この状況は、9日間と26日間のレンジ中央値(半値)が19万円付近で一致していることで、同水準が相場の放れ水準となる可能性も考えられる。

その理由は、転換線や基準線(半値)自体が押し戻しやスイングのポイントとなる傾向があるためである。

①:遅行スパン(26)が相場実線を好転した価格と、②:転換線(9)と基準線(26)が同水準で推移している価格が19万円付近であることを踏まえると、同水準から相場実線が放れる想定が妥当だろう。

③:先行きの雲が下降を維持していること
図の③印を見ると、一目均衡表の先行きの雲は厚い下降雲を維持していることが確認できる。

この状況から、相場実線は下落の勢いから脱出できておらず、雲は相場実線を強く抑える抵抗帯としての見方が優勢と読み取れる。

そのため、上昇した場合には先行スパン2に値する22万円を一時的なターゲットとして想定することになる。

以上①・②・③より、テクニカル面からは、ETH/JPYは遅行スパン(26)が好転した価格に値する19万円から放れやすい状況にあり、厚い下降雲を形成していることで先行スパン2に当たる22万円を一時的なターゲットとして意識される展開であると読み取ることができるだろう。

<ファンダメンタルズ要因>: 米コアCPIと消費者マインド上昇で利上げ優勢

・米0.75%利上げ予想に向けて暗号資産安(リスクオフ)優勢
11/3午前3時に発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利では、0.75%利上げを実施する見方が優勢と考えられる。

10/13午後9時30分に発表された天候の影響のない米コアCPI(変動の大きい生鮮食品を除いた米消費者物価指数)は市場予想6.5%上昇を上回り、前年比6.6%上昇。前月6.3%に対する伸びが加速し、40年ぶりの大きな上昇率となった(10/13 Bloomberg)。

また、10/14午後11時に発表された消費者信頼感指数の先行指標として注目を集めるミシガン大学消費者信頼感指数は、市場予想58.6を上回り59.8という結果が得られた。特に、1年先のインフレ期待が5.1%伸び、7か月ぶりに上昇した(10/14 Bloomberg)。

この状況からすると、10/25午後9時に発表される消費者信頼感指数も好調であるという見方にも繋がり、個人消費やGDPとの相関性の高い同指標が好調であると、消費者がお金を使って経済循環(物価上昇)を促している可能性を読み取ることができるだろう。

そのため、11/3午前3時に発表されるFOMC政策金利は、FRB(米連邦準備制度理事会)がインフレ期待の抑制を思案した0.75%の利上げを実施するという見方が優勢であると考えられる。

その場合、同日にかけてドル上昇・暗号資産安(リスクオフ)の流れが継続することも想定できるだろう。

(10/17 午前5:00時点)

銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

10/16の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は-0.11%、中央値は0.10%、標準偏差は0.81%となった。

最大上昇銘柄はIOST/JPY1.05%、最大下落銘柄はXRP/JPY-2.35%

最大上昇銘柄のIOST/JPY は、1.5円台を日足レベルのレジスタンスラインとして底値を硬められるかがポイントとなりそうだ。

最大下落銘柄のXRP/JPYは、70円付近に位置している20日移動平均線との攻防が数日間続いている。

24時間ボラティリティ(%)

社内データより作成

10/16の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は3.52%、中央値は3.39%、標準偏差は1.11%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はXRP/JPY5.29%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はZPG/JPY0.00%となった。

◆本資料においてお客様に提供される情報は、株式会社DMM Bitcoinが収集・作成等したものです。

◆本資料は、一般的な情報提供を目的に作成されたものであり、暗号資産取引の勧誘を目的としたものではありません。

◆本資料は、本資料作成時点で株式会社DMM Bitcoinが信頼できると判断した情報を基に作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。

◆本資料の情報によって生じたいかなる損害についても、株式会社DMM Bitcoinおよび本情報提供者は一切の責任を負いません。

◆本資料のグラフ・データ等は、過去の実績または作成時点での見通し・分析であり、将来の市場環境の変動や運用状況・成果を示唆・保証するものではありません。また、税金・手数料等を考慮しておりません。

◆本資料に関する著作権、知的所有権、その他一切の権利は、株式会社DMM Bitcoinまたは権利者に帰属します。お客様は、本資料に表示されている情報をお客様自身のためにのみ利用するものとし、第三者への提供、再配信、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。

2022-10-17
ページTOPへ