米株指標との相関関係が外れたか。注目は、米失業率とFOMC議事要旨発表?

Daily Market Report 2022/10/6

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当社取扱い22銘柄の騰落率

騰落率ランキング(期間2022/9/25 – 2022/10/4)
当社クローズレート(Bid)より作成

上図は、2022/9/25~10/4における当社取扱い銘柄の騰落率のランキングである。

22銘柄中17銘柄が上昇しており、当社取扱い銘柄の大半は順調に推移したようだ。

その中でもBTC(ビットコイン)は上昇率8%を越え、当社取扱い銘柄の中でも高パフォーマンスであった。上昇の要因としては、米長期金利低下を好感した10/3の米株指標の反発が考えられるが、その他の要因についても、暗号資産関連のニュースから以下で振り返る。

BTCのチャートで見る9月25日からのニュース(9/25~10/4)

BTC/JPY 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
BTC(ビットコイン)のチャート・価格情報はこちら

上図は、2022/9/21~10/4のBTC/JPY日足Bidチャートにニュースを記載したものである。

まず、図中で目立つのは9/27の大きな上ヒゲだろう。これまで弱気相場では正の相関関係にあると言われていた米株指数とビットコインであるが、過去5日間ではNASDAQ総合が約5%下落した一方で、ビットコインは約5%上昇と、正の相関が崩れた。

正の相関が崩れた要因として、米株を指標として認識している投資家は、保有していた暗号資産のポジションをすでに整理していることに加え、英国のトラス政権の減税政策や国債の増発計画に伴う財政悪化懸念による英ポンド暴落が影響し、自国通貨安と物価上昇により資金の逃避先として暗号資産に注目が集まったと考えられる。

9/28~10/2において、BTCは280万円付近を揉み合う展開になっていたが、10/3に大きく反発。10/4も続伸し、揉み合いが続いていた280万円台を突破し290万円付近まで上昇した。

10/3の上昇は、イギリスの減税政策や国債増発計画の撤回が発表されたことに起因すると考えられる。これにより財政悪化懸念が和らぎ、かつ、ISM製造業景況指数が50.9と市場の予測を下回ったことから利上げ等による金融引き締めへの懸念が後退。リスク資産である株式や暗号資産の買戻しに繋がったと考えられる。

続く10/4の上昇は、市場の予測に反して、豪中央銀行の利上げ幅縮小が要因だろう。

大幅な利上げが繰り返される中、金利は2.85%と市場は予測していたものの、発表は2.60%と予測を大きく下回った。これにより金融引き締めへの懸念がさらに後退し、株式市場の盛り上がりが暗号資産市場にも波及した。

ポジティブサプライズもあり、長くレジスタンスとなっていた280万円を超えたBTCだが、今後はどのような展開になるのだろうか。

発表が予定されている経済指標と、過去の発表時の値動きを以下に記載する。

今後のBTC(ビットコイン)を取り巻く動き

・10/7に米失業率、非農業部門雇用者数変化の発表
前回の雇用統計を振り返ると、9/2の米失業率は3.7%と前回の発表よりも0.2%高くなった。失業率上昇に伴い債券利回りは全体的に低下し、9月の大幅利上げの可能性も低下したことから、時間外取引でダウ平均先物が前日比0.47%上昇した。

一方、BTCは前日比0.58%のマイナスとなっており、株式市場とは逆相関の結果となった。

だんだんと米株指標との相関関係は外れているBTCだが、10/7の発表時の価格の動きが相関関係の判断材料になるかもしれない。

・10/12(日本時間10/13未明)FOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨発表
毎月のFOMC近辺では値が動いており、議事要旨の発表とはいえ注目のイベントといえる。

8/17(日本時間8/18未明)に発表された議事要旨には、参加者が過剰な引き締めリスクについて言及したことが分かり、NASDAQ総合は前日比1.25%下がった。

暗号資産との相関関係がまだどうなるかわからないものの、先のリスクに対する発言など、重要な項目が記載されていることもあるため留意しておきたい。

・10/13に米消費者物価指数(CPI)の発表
10/13には、インフレがどれほど進んでいるかの指標となるCPIの発表が控えている。

直近9/13に発表された8月の米消費者物価指数は、市場の予想とは離れた前年同月比8.3%上昇。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数も6.3%の上昇となり、上昇率は5カ月ぶりに加速した(9/14 時事通信社)。

これらの発表はインフレ圧力の強さを示し、暗号資産市場は反落。BTCは前日比8.7%の下落を記録した。

10/13の発表も市場予測を超える数値であった場合はネガティブサプライズとして市場心理は悪化し、突破したレジスタンスラインである280万円を下抜ければ260万円台も見えてくるかもしれない。

反対に、予想外に数値が好調な場合はポジティブサプライズとして市場が好感し、勢いづいた相場に拍車をかけるように上昇し、9月に1度試した300万円へ再度挑戦する可能性もあるだろう。

(10/5 午後6:30時点)

銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

10/5の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は-0.82%、中央値は-0.99%、標準偏差は1.13%となった。

最大上昇銘柄はXRP/JPY3.19%、最大下落銘柄はIOST/JPY-4.27%

最大上昇銘柄のXRP/JPYは、9/28に付けた安値58.7円ラインを切り上げ、61.5円ラインを形成した。現状は9/30に付けた高値71.5円ラインを推移しているが、ここを更新できるかどうかが、今後のトレンドを推し量るうえでの試金石となってくるだろう。

最大下落銘柄のIOST/JPYは、1.6円の高値を付けたのち大幅に下落。前回安円である1.52円を試す展開となった。

24時間ボラティリティ(%)

社内データより作成

10/5の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は4.18%、中央値は3.92%、標準偏差は1.52%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はCHZ/JPY7.08%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はZPG/JPY1.28%となった。

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2022-10-06
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