ドル円の11週連続陽線は2000年以降一度だけ。調整するとBTC/JPYは反発も

Daily Market Report 2022/10/4

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・ドル円との相関関係

Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成

上図は、2021年11月以降のBTC/USDの価格(上)とUSD/JPYとの相関係数※(下)の推移を示したグラフである。
※相関係数は、1からマイナス1の範囲で示される。相関係数が0.7より大きい場合は、強い正の相関があり、相関係数がマイナス0.7より小さい場合は、強い負の相関があると言える。相関係数が、0に近い場合は、双方の騰落率の動きに関連性がないと考えられる。

史上最高値をつけた2021年11月から2022年1月頃まで、BTC/USDとUSD/JPYは正の相関関係が見て取れた。

しかし、2022年2月以降は負の相関関係に変化し、直近2022年5月頃から急速に負の相関関係が強まっていることがわかる。

USD/JPYとの負の相関関係が強まっていることは、USD高となる=BTC安となる傾向が強い状況と言え、このままUSD高が続けばBTCは下値を探る展開が続く可能性も考えられる。

一方で、BTC/USD現在2021年11月から続くトレンドライン(上図 黒線)に差し掛かっており、ここを上抜けることができるか否かによって中期的なトレンドに影響を与えるだろう。

為替介入は時間稼ぎに過ぎないか

9/22の為替介入以降USD/JPYは145円以下を推移して来たが、10/3に再び145円台まで上昇しており、為替介入の効果は一時的であったと考えざるを得ない。

財務省は先日、為替介入の金額は約2.8兆円(1ドル145円で計算して19,600百万ドル)だったと発表した。

財務省発表情報 (https://www.mof.go.jp/index.htm)より当社作成

 
上図は、日本の外貨準備高の内訳である。

橙色の部分が9/22に行った為替介入額、緑色の部分が直ぐに使用できる預金の割合である。

外貨準備の大半を占める青色の部分は米国債となっており、為替介入に使用するためには1度売却し現金化する必要がある。

しかし、債券の売却は米国債の金利上昇に繋がり日米金利差拡大させてしまう可能性もあり、USD/JPYにさらなる上昇圧力を生むことにもなりかねない。

そのため、ドル高となる影響を抑えて使用できる額は、預金部分の136,110百万ドル程度と推定され、9/22と同規模の介入を最大6回行うことができる。

しかし、今回の介入後も上昇トレンドが継続していることを考えると、日米金利差が埋まらなければ、効果は短期的となってしまうだろう。

乱高下する米金利

Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成

上図は、2022/9/1から現在までの米10年債利回りを示したグラフである。

9/23以降強い圧力を伴って上昇し一時4%に迫る勢いを見せたが、9/28に3.7%付近まで下落している。

今回の米金利の上昇と下落の要因は英国債から波及したものであると見られる。

英国のトラス政権は9/23に保険料の引き下げや複数の減税案を盛り込んだ経済対策を発表した。これにより英国の財務破綻懸念が広がり国債が売却され、債券価格は下落、利回りは急上昇した。

ポートフォリオの大半を国債で運用している英年金基金は、債券価格の下落により評価損が発生し、年金基金の破綻を防ぐためBOE(英中央銀行)は債券の買い入れを発表した。

BOEの対応により市場は一時的に落ち着きを取り戻したが、10/14までの期限つきのため、トラス政権が政策を改めなければ、再度債券市場はショックに見舞われ利回りが急騰するリスクも高い

なお、トラス政権は10/3に所得税上限引き下げを撤廃すると発表しており、政策が見直される期待感も高まっている。

ドルは一度調整局面入りする可能性

Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成

上図は、2000年以降のUSD/JPYを対象に何週間連続で陽線を付けたかを集計したものである。

陽線と判断する条件は以下の3点である。
①終値が始値より高い
②始値が先週の始値よりも高い
③終値が先週の終値より高い

現在USD/JPYは先週までで7週連続で陽線を付けており、今週で8週目となる。

7週間連続で陽線を付けた相場は4回、8週間連続で陽線を付けた相場は3回あった。

しかし、9週間以上になると、それぞれ1度ずつにとどまり、11週間連続で陽線となったのは2000年以降1度だけであったことを表している。

今回の上昇が11週間継続する場合、10/24週まで陽線が続くことになるが、8週間を超えて陽線が続く確率は低いだろう。

また、今まで12週連続で陽線を付けたことはないため、10月中には一度調整局面を迎える公算が高いのではないだろうか。

冒頭で記載したとおり、USD/JPYが調整することになれば、逆相関のBTC/JPYは上昇することになる。現在、BTC/JPYは280万円前後で推移しているが、円高に振れると、相対的にBTCの上昇が見込めるのではないだろうか。

(10/3 午後11:00時点)

銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

10/3の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は0.54%、中央値は0.49%、標準偏差は1.32%となった。

最大上昇銘柄はXTZ/JPY2.47%、最大下落銘柄はXLM/JPY-2.97%

最大上昇銘柄のXTZ/JPYは、レジスタンスとなっていた200円ラインを割り込んだ後、9/22につけた安値194.5円ラインをタッチし反転。短期的に上昇トレンドを形成している段階だ。

最大下落銘柄のXLM/JPYは、日足レベルの上昇トレンドを形成しているものの、9/23につけた高値18.6円ラインを超えることができず反落。次は9/29につけた安値15円付近を試すかどうかに市場の関心が集まっていると言える。

24時間ボラティリティ(%)

社内データより作成

10/3の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は5.60%、中央値は6.00%、標準偏差は1.88%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はXEM/JPY9.00%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はMONA/JPY2.15%となった。

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2022-10-04
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