年初来大幅下落のAVAX(アバランチ)、再起なるか?
Daily Market Report 2022/9/30
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・AVAXは年初から85%下落
図1. 銘柄ごとの騰落率
Tradingviewより当社作成
図1は、2022/1/1を起点とする当社取り扱い銘柄の騰落率を表した比較チャートである。
図1を見て分かるとおり、現時点では、全銘柄が年初来の価格より下落しているが、その中でもAVAX(アバランチ)が5月下旬からワースト1位(85%下落)であることがわかる。
2021/1/1~2021/12/31までの1年間では+3,000%の成長を見せたAVAXだが、2022年突入以降の金融政策や地政学的リスクなどの影響を受け、例に漏れることなく大幅な下落となった。
AVAX(アバランチ)の現在の価格は約2,500円、時価総額は約7,300億円(9/29 16時時点)と16位に位置しており、依然と高い支持を得ているようだ。
本日はAVAXの特徴をおさらいしつつ、再起の余地はあるのか、今後のシナリオについて考察する。
・AVAX(アバランチ)について
Avalancheとは、AVA Labsが開発した高速かつ低コストなトランザクションが特徴のDApp(分散型アプリケーション)構築用のオープンソース・プラットフォームである。DAppだけでなく、Polkadotのように、独自のネットワークおよびブロックチェーンを作成することもできる。
また、a16z(※)出資のブロックチェーンということや、DeFiサービスの開発や提供が強みなことから多くの投資家から注目を集めた。
※a16zとは、世界的に有名なVC(ベンチャーキャピタル)である「Andreessen Horowitz」の略称である。
そして、Avalanche内の独自トークンがAVAX(アバランチ)である。
・AVAXに関する主なニュースと価格変動
図2. 週足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
AVAX(アバランチ)のチャート・価格情報はこちら
①仮想通貨Avalanche(AVAX)、機関投資家から250億円調達(2021/9/17 CoinPost)
Avalanche(AVAX)はプライベートトークンセールで、250億円以上を調達したことを発表した。プライベートトークンセールとは、コインやトークンなどを割引価格で一部の投資家に販売することである。
ロックアップ期間(一定量のトークンを凍結し、売却しない期間)が定められていたことから、その後の支えになったのではないだろうか。
また、同日2021/9/17には、アップグレードのテストネットリリースの完了もあり、上記の期待感と共に、これらが上昇の起因ではないだろうかと考える。
②米グレースケール、AVAXとLUNAを投資信託の検討リストに追加(2021/11/05 CoinPost)
2021/11は、大手暗号資産投資企業の投資信託の検討リストに追加、また海外大手取引所への上場などがあり、AVAX/JPYは一時16,000円(2022/11/22)まで上昇した。
③賞金総額6億円のハッカソン開始(2022/2/1 CoinPost)
「ハッカソン」は、ハッキングとマラソンを組み合わせたIT用語。これは、Avalanche上でのビジネスコンテストと捉えれば想像しやすい。最終投票は2022/4/14に行われ幕を閉じた。投票にはAVAXが用いられたため、開催中は上昇要因となったのではないだろうか。
④米Valkyrie、仮想通貨アバランチ(AVAX)投資信託をローンチ(2022/5/5 CoinPost)
米暗号資産(仮想通貨)投資企業Valkyrie Digital Assetsがアバランチ(AVAX)の投資信託「Valkyrie Avalanche Trust(VAVAX)」の提供開始を発表。Valkyrie社は米国で2つ目のビットコイン先物ETF(上場投資信託)を昨年10月にローンチした企業として知られる。
このニュースが発表された2022/5/4は10%以上もの上昇を見せた。
⑤アバランチDeFiでフラッシュローン攻撃、Nereus Financeに7,200万円の損失(2022/9/8 CoinPost)
アバランチ上のDeFi(分散型金融)ステーキングプラットフォーム「Nereus Finance」は、2022/9/6にフラッシュローン攻撃を受けたことを発表した。
「フラッシュローン」とは、即時(同一署名)返済を条件に暗号資産を無担保で借り入れる仕組み。スマートコントラクトでトランザクションが組まれ、瞬時に鞘取りを行う裁定取引などで使用される。反面、借り入れた多額の資金で市場価格を歪ませ、融資プラットフォームから不当に資金を抜き取るなど悪用されるケースも多い。
攻撃を受けた当日の9/6は5%ほどの下落となった。
特有の前向きなファンダメンタルズ要因が多かったにも関わらず、逆行高となるほどの強さではなかったようだ。
・マルチタイムフレーム(MTF:MultipleTimeFrame)分析
図3. 週足Bidチャート(左図)日足Bidチャート(右図)(当社取引ツールより作成)
上:AVAX/JPY価格
中:MACD(12,26,9)
下:スローストキャスティクス(14,3,3)
図3は、AVAX/JPYのチャートであり、左は週足(期間:2021/5/31~現在)、右は日足(期間:2022/8/23~現在)の各々に一目均衡表(9,26,52)とMACD(12,26,9)、スローストキャスティクス(14,3,3)を表示させたものである。
同指標を活用したマルチタイムフレーム分析(※)から見る今後のシナリオは、緩やかに2,181円まで下落した後に2,500円へ反発するシナリオである。
*マルチタイムフレーム(MTF:MultipleTimeFrame)分析:複数の時間足チャートを複合的に分析すること
<上位足(週足)の注目点>
・一目均衡表の先行きの雲は厚い下落雲を形成していること
・スローストキャスティクスが9/19~9/25週足でデッドクロスしたこと
・MACDはMACDシグナルより上で推移していること
・心理的な節目となる944円を形成したこと
<下位足(日足)の注目点>
・一目均衡表の先行きの雲は厚い下落雲を形成していること
・スローストキャスティクスが9/23日足で売られ過ぎ圏(20%以下)を脱出したこと
・MACDはMACDシグナルより上で推移していること
・心理的な節目となる2,181円(直近安値)を形成したこと
図3を見て分かるとおり、上位足(週足)のストキャスティクスは9/19~9/25足でデッドクロスしたことで下落水準を維持しているが、下位足(日足)のストキャスティクスは9/23に売られ過ぎ圏(20%以下)を脱出して以降50%水準(戻り売りが入る可能性)を維持している。また、一目均衡表の先行きの雲は上位下位足ともに厚い下落雲を形成しており、下落の勢いから抜け出せていないと読み取れる。
そのため、両足ともに下落方向へ進む可能性も考えられる。
しかし、MACDは上位下位足ともにMACDシグナルより上で推移していることや0から大きく乖離していないため、緩やかな下落となる想定である。
下落する場合は、下位足(日足)で形成した心理的な節目となる2,181円(日足直近安値)がサポートとなり、一目均衡表の雲下限2,500円まで反発する想定である。この一目均衡表の雲下限は過去に何度も上抜けを失敗しているため、この水準での攻防には注目だろう(上図黄色丸)。
一方、2,181円で反発しなかった場合、上位足(週足)の流れを意識される形で心理的な節目となる944円(週足直近安値)を目指す展開も想定されるだろう。
(9/29 午後10:00時点)
・銘柄別価格前日比(%)
社内データより作成
9/29の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は1.00%、中央値は0.04%、標準偏差は1.66%となった。
最大上昇銘柄はXRP/JPYの11.72%、最大下落銘柄はCHZ/JPYの-1.75%。
最大上昇銘柄のXRP/JPYは、6日ぶりの陽線及び大幅上昇となった。次の上値目標は9/23高値の78円であろうか。
最大下落銘柄のCHZ/JPYは、6日連続の下落。日足レベルにて40円付近がレジスタンスラインとなっているようだ。
・24時間ボラティリティ(%)
社内データより作成
9/29の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は5.17%、中央値は4.65%、標準偏差は3.04%となった。
最もボラティリティが高かった銘柄はXRP/JPYで16.63%。
一方、最もボラティリティの低かった銘柄はZPG/JPYで1.17%となった。
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