The Merge後のETH(イーサリアム)はどのような展開となるのだろうか

Daily Market Report 2022/9/29

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2週間前の9/15、イーサリアム待望のアップデート「The Merge」は無事成功に終わり、これによってProof of Work(PoW)に終わりを告げ、新たにProof of Stake(PoS)へと移行した。

とはいえ、The MergeによるPoSへの移行は、スケーラビリティ問題の根本的な解決策となるものではなく、今後予定される4つのアップデートによってスケーラビリティ問題を本格的に改善するための土台となるものだ。

The Merge移行後のETHの推移は芳しくないが、本稿では2022年におけるETHの推移のおさらいと、今後控えるETHの展望について記載したい。

これまでのETHの推移

CoinGeckoより当社作成
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上図は、CoinMarketCapにて掲載される時価総額上位20銘柄のうち、当社取扱い銘柄(BTC =橙色、ETH=水色、XRP=灰色、ADA=青色、TRX=赤色、AVAX=桃色)の2022/1/1終値(取引ペア=USD)を100として指数化した推移だ。

2021年は暗号資産市場全体が好調であり、ETHはNFTのブームによって高いパフォーマンスを発揮した銘柄の一つである。一方、2022年はNFTの失速や米国経済の利上げなどによる影響から、価格が伸び悩んでいるといえる状況だ。

実際、上図においてETHは年初から8月の半ばにかけてはほとんどの状況でBTCのパフォーマンスを超えることはなく、中でも6月半ばから7月半ばに至ってはAVAXに次いで低い位置で推移している

また、AVAXは2020/9末に始動したばかりのプロジェクトであり、2021/1から2021/12末に時価総額を100倍近く引き上げた銘柄であることから、今年に入り、行き過ぎた過熱感の調整として下落していると捉えるとすれば、ETHのパフォーマンスの低さが伺えるだろう。

とはいえ、ETHは7月半ばからThe Mergeが近づくにつれて上昇基調に入り、8月半ばになると一時はBTCを凌ぎ、TRXに次ぐパフォーマンスを発揮していた。

その後ETHは、9/15実施のThe Mergeが完了以降は現在に至るまで力なく推移しており、1/1終値から60%以上も下落した状況で第三四半期を終えることとなりそうである。一方で、BTCとの差を大きく拡大せずに維持できたとポジティブに捉えることもできるだろう。

今後のETHの展望

CoinGeckoより当社作成

上図は、前項の図の起点日を2022/9/1に置き換えた各銘柄の推移だ。

暗号資産市場は、SEC(米国証券取引委員会)との争いにおいて有利な方向で終決しそうなXRPを除き下落傾向にあるが、中でもETHは現在パフォーマンスが低く推移しており、状況的には芳しくないといえるだろう。

この理由として、The Mergeが完了したことにより、期待感のはく脱から利確売りの動きが進んでいることが主な原因となろうか。また、今後は次に控える「Shanghai」アップデートによる混乱がETHの価格に影響を与えることが懸念されているかもしれない。

現在、イーサリアムでは、The MergeによってPoWからPoSへ移行したことにより、ネットワークの価値移転記録は32ETHを担保するバリデーターによって行われている。

バリデーターは、ブロックの提案と証明を行うことによって報酬を獲得し、悪意のある行動をとった場合に担保とするETHが没収される仕組みによって、健全なネットワークの稼働に貢献する立場にある。しかし、現時点では担保や報酬として獲得したETHがロックされており、引き出すことができない状況である。

この状況について、イーサリアムの公式ウェブサイトでは「Mergeの数カ月後に実施されるShanghaiアップデートにて引き出しが可能になる」と記載されているが、この記載通りになるかについて実際は不透明であることからコミュニティでの混乱が生じているようだ。

前述の通り、現時点でのETHの下落要因の大部分がThe Merge完了による利確売りの影響が占めると考えられるが、今後は2023年初頭ごろに実施されるであろうShanghaiアップデートで、実際にETHの引き出しが可能になるかについて動向を注視する必要があるだろう。

続いて、今後ETHの価格に影響を及ぼす可能性のある要因として、2023年以降も米国の金利が引き上げられる見込みが高まったことが挙げられる。

当社Daily Market Report 2022/9/26「FRBはタカ派姿勢継続で米国株式市場は大幅下落。S&P500に相関性の高いBTCの値動きは?」で記載した通り、これまでは米国の政策金利は4%で一旦停滞すると考えられていたが、9月中旬以降になると、政策金利は2023年以降もさらなる引き上げが行われる見込みへ変化した。

とはいえ、イーサリアムでは2023年に長年の課題であったスケーラビリティ問題を大幅に改善する「シャードチェーン」アップデートが予定されている。

来年以降のイベントではあるが、シャードチェーンアップデートでは、イーサリアムネットワークの使用料として発生するガス代が大きく軽減することで利便性が飛躍的に高まり、新規利用者の参入も容易になることになる。

これは、今回のThe Mergeで起きた短期的なETHの価格上昇のみならず、長期的な価格の上昇に繋がる可能性もあるだろう

(9/28 午後7:00時点)

銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

9/28の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は0.33%、中央値は0.42%、標準偏差は1.07%となった。

最大上昇銘柄はBTC/JPY2.93%、最大下落銘柄はMONA/JPY-1.82%

最大上昇銘柄のBTC/JPYは、約270万円を付けたのち急騰し、一時は約290万円まで昇った。終値は約285万円だったが、陽線の実体を大きく残した。ここ数日、上下に激しい相場になっているが、このまま上昇できるか注目だろう。

最大下落銘柄のMONA/JPYは、8月中旬から下降トレンドとなっている。直近安値となる約60円で反発したが、それをきっかけにトレンド転換できるかが鍵を握るだろう。

24時間ボラティリティ(%)

社内データより作成

9/28の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は5.79%、中央値は5.72%、標準偏差は1.74%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はETH/JPY9.41%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はZPG/JPY2.73%となった。

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2022-09-29
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