FRBはタカ派姿勢継続で米国株式市場は大幅下落。S&P500に相関性の高いBTCの値動きは?

Daily Market Report 2022/9/26

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FOMCでの決定内容

日本時間9/22に行われた9月FOMCでの決定内容は、利上げ幅は0.75%と市場の予想通りだったが、今後の利上げ見通しが大きくタカ派に傾く結果となった。

CME提供情報(https://www.cmegroup.com/ja/)より当社作成

上図は、CMEグループが提供するFedWatchツールから作成した市場参加者の利上げ見通しである。

オレンジ部分は最も多くの市場参加者が支持する利上げ幅、緑色はその上下0.25%の範囲を表している(9/25時点)。

また、青色部分は前回レポート(9/6)時点でのFedWatchによる予測である(9/6時点でFedWatchツールが提供していた政策金利見通しは2023年7月まで)。

図をみてみると、9/22のFOMCを通過後、予想が上に振れたことがわかる。

今後の見込みについても、2022年11月FOMCに0.75%の利上げ、続く2022年12月に0.5%の利上げを行い2022年のターミナルレートは4.25%-4.50%が70%となっている。

2023年は、1月FOMC6月FOMCで0.25%の利上げ、7月FOMCで0.25%の利下げを行うとの予想が最も多く、6月を除くと2023年の政策金利は4.50から4.75%で維持されるとの見込みであり、本格的に利下げに転じるのは12月との見通しが優勢だ。

次に、今回9/22のFOMC後の見通し(上図 オレンジ色部分)と9/6時点の見通し(上図 青色部分)を比較してみる。

2022年11月FOMCでの利上げ幅は0.25%、2022年12月FOMCでの利上げ幅は0.5%、2023年度の利上げ幅は0.75%それぞれ引き上げられている

Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成

上図はシカゴ商品取引所で取引されている政策金利先物の推移を0.25%刻みに加工したものである。

9月FOMC前後での政策金利先物の推移(左軸)をそれぞれ青線とオレンジ線で表し、2本の線の差分(右軸)を棒グラフで表した。

政策金利先物では、2022年11月FOMCで0.75%の利上げ、2022年12月FOMCで0.50%の利上げを行い2022年のターミナルレートは4.00%-4.25%にあると予測されているようだ。

2023年になってからは、1月FOMCで0.25%の利上げを行った後、政策金利を4.50%-4.75%に維持。利下げに転じるのは2023年12月と予測している。

FedWatchツールの予測とは、利上げのスピードに違いがあるが、2023年の政策金利が4.50%-4.75%に維持されるとの見込みは同様である

FOMC後の株式市場は利上げ幅の拡大とマイナス成長への警戒から大きく値を下げている。

暗号資産市場との相関が高いS&P500指数は先週1周間で4%を超える下落となった。

現状では直近の下落相場が反転した6月の安値付近で下値が支えられていることに加え、長期的にサポートとして機能している、200週移動平均線が直下に位置しており、テクニカル的には下落が一段落する可能性も考えることが出来るだろう。

米国株式指数から見るビットコインの行方

Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成

上図は、2000年以降のS&P500指数に200週移動平均線を表示したチャートである。

2000年以降200週移動平均線を割り込んだのは3回だけであり、どれもリセッションを伴う下落(ITバブル崩壊:2001/3~2001/11、リーマンショック:2007/12~2009/6、コロナショック:2020/2~2020/4)であった(上図 赤部分)。

未だ米国が本格的なリセッションに陥っていないことを考えると、仮にリセッションを回避できれば200週移動平均線付近がサポートとなり、S&P500指数の反転上昇にも期待できよう。

しかし足元では大幅な利上げが見込まれていることで、株式市場に対する下押し圧力となり、200週移動平均線割れも視野に入っているだろう。

ただし、200週移動平均線を明確に割り込み下落相場となったとしても、過去の値動きから考えると、数ヶ月ないし数年で回復しており、楽観視はできないが200週移動平均線下の水準ではある程度買い意欲が強いことが見込まれる。

そのため、今すぐに200週移動平均線を明確に割り込んで大きく下落が進む可能性は低いのではないだろうか。

それをBTCと相関の高いS&P500指数の動きから確認してみる。

S&P500指数の下落が200週移動平均線まで継続すると仮定した場合、BTCの価格は先週末の終値から約3%下落することが見込まれる。

BTC/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
BTC(ビットコイン)のチャート・価格情報はこちら

上図は、2022/9/1からのBTC/JPYの日足チャートである。

BTC/JPYがS&P500指数を追う形で推移する場合、先週終値(9/19週終値)2,686,890円から3%安の2,606,283円水準をターゲットに進む可能性があるが、このレベルでは一度下げ止まる展開が考えられるだろう。

次回FOMCは、2022/11/1、11/2に開催されるが、今後も積極的利上げが継続されることが予想されており、引き続き注意が必要である。

(9/26 午後11:00時点)

銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

9/25の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は-2.37%、中央値は-2.58%、標準偏差は1.37%となった。

最小下落銘柄はZPG/JPY0.00%、最大下落銘柄はBCH/JPY-5.76%

最小下落銘柄のZPG/JPYは、休日のため価格は変動せず。一方、暗号資産は軒並み下落したため、このような結果となった。

最大下落銘柄のBCH/JPYは、9/11に、日足レベルのレンジ下限である約15,600円で反発し上昇した。9/24には約17,960円まで上昇していたが、その後大きく反発し、約17,400円で終値をつけた。9/25も下落の勢いは止まらず、約16,400円まで下落した。

24時間ボラティリティ(%)

社内データより作成

9/25の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は4.79%、中央値は4.66%、標準偏差は2.30%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はXRP/JPY10.47%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はZPG/JPY0.00%となった。

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2022-09-26
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