300万円回復のBTC。ビットコイン・ドミナンスの底打ちから反転強めるか?

Daily Market Report 2022/9/13

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本レポートは、9/5の当社マーケットレポート「依然、弱気相場のBTC(ビットコイン)。しかし反転のサインも?」を継いで、今後の展望を記載することにする。

ここ一週間のBTC(ビットコイン)相場の振り返り

BTC/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
BTC(ビットコイン)のチャート・価格情報はこちら

BTC/JPY 週足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上記二つのチャートのうち、上はBTC/JPYの日足チャート、下は週足チャートである。

8/31から9/5まで、約270万円から約282万円までのレンジ相場だったが、9/6に下抜けし、一時は約261万円まで下落した(日足チャート参照)。

しかし、9/7にもう一度約261万円近くを付けた後に強く反発し、現在約320万円まで続伸している。その結果、一週間で約20%の大幅な上昇となった。

また、週足チャートを見ると、先週のローソク足は先々週の足を包むことで(週足チャート図中丸囲い部分)、包み足(※)が完成している。これがテクニカル上の強調材料となり、足元では三週連続の陽線を記録している。
※包み足:1本目のローソク足(8/8週)が2本目のローソク足(8/15週)の中に入っている状態。包み足の出現は、2本目のローソク足で大逆転が起こったと分析できる。

足元ではBTCに限らず暗号資産は全体的に上昇しており、その中でもBTCが特に強い伸びとなっている。

これは、暗号資産全体の時価総額におけるBTC時価総額の割合を表すBTC.D(ビットコイン・ドミナンス)を見ればわかる(BTC.Dに関するコラムはこちら)。

TradingView(https://jp.tradingview.com/)より当社作成

BTC.Dは、ルナショックの影響により5/11急上昇し、48%水準をピークとし下落に転じた。その後は、アップデートの関係でETHが注目されたこと等により、年初来最低水準となった約39%付近まで低下した。足元では9/9以降の反発が続いており、BTCが巻き返す状況となっている。

トレードに関しては、BTC.Dが急騰しBTCの価格も上がる環境では、逆張り(ショート)で立ち回ることは難しくなることが考えられ、トレンドフォロー戦略を念頭に入れておきたい。

現在もBTC.Dは続伸しており、ETHアップグレードである「The Merge」を控えたBTC.Dの動向も注意したほうが良さそうだ。

今後のファンダメンタルズ要因は?

ファンダメンタルズ要因としては、先述した「The Merge」のアップデートが近づいてきたことと、本日21時30分に発表されるCPI(米消費者物価指数)だろうか。

「The Merge」のアップデートに関しては、海外大手暗号資産取引所の期限付き先物価格と現物価格の乖離を見ると現状では1%ほどしかない。従って、8/12の当社マーケットレポート「ETH(イーサリアム)のアップデート“The Merge”は価格推移にどう影響するか」で取りあげたような、エアドロップを見据えた投機的な動きは現状それほど目立たないよう思われる。

つまり、アップデートが無事に成功し大きなサプライズが無ければ、「The Merge」終了後にボラティリティが急拡大するリスクはそれほどない可能性もあるだろう。

CPIに関しては、先月発表のCPIは予想以上に鈍化しインフレ懸念が拭えたかに見えたが、内訳をみると食料品など一部は引き続き上昇傾向が見られ、鈍化傾向が続くとは断言できない。

本日発表のCPIは、マーケットのコンセンサスによると前月比-0.1%となっているが、食品とエネルギーを除いたコア指数は前月比で上昇するという見通しもあり、波乱な展開に注意が必要だろう。

テクニカル分析

BTCは週足での包み足の発生等により続伸基調ではあるが、「The Merge」や米CPI発表が控えていることから、楽観できるかはまだ判断しかねるだろう。

そして、9/5のマーケットレポートでも記載した通り、330万円を抜けるか、それまでに反落してしまうかがテクニカル的な争点になってくると分析する。

BTC/JPY 週足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

ネックラインである330万円を超えればダブルボトムが成立(上図、①)し週足レベルでトレンドが変わりうる一方、330万円を超えられなければ(上図、②)、レンジ継続として250万円~260万円まで再度落ちてくる可能性も考えられる。

しかし、長期的な目線で見ると、250万円~260万円付近で力強く反発し底を作る動きをしたことは、弱気相場が続いていた暗号資産市場にとって、強調材料になりうるだろう。

(9/12 午後7:00時点)

銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

9/12の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は1.98%、中央値は2.07%、標準偏差は1.38%となった。

最大上昇銘柄はOMG/JPY4.14%、最大下落銘柄はIOST/JPY-0.87%

最大上昇銘柄のOMG/JPYは、下値が固くなっており、4時間足レベルの前々回安値である231.5円付近のラインにタッチして上昇。短期的な値動きとしては、上昇トレンドを形成している。このまま上昇トレンドが続けば、7/22の高値と、8/9につけた安値である297.5円ラインを目指す展開が想定されようか。

最大下落銘柄のIOST/JPYは、4時間足レベルでは上昇トレンド中ではあるものの、押し目を形成している段階であり、若干の売り勢力の強まりを示唆している。

24時間ボラティリティ(%)

社内データより作成

9/12の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は6.56%、中央値は6.70%、標準偏差は2.40%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はOMG/JPY10.68%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はZPG/JPY1.44%となった。

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2022-09-13
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