ADA(カルダノ)が高パフォーマンス。ハードフォークを控えどうなる?
Daily Market Report 2022/9/8
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・当社取扱い20銘柄の騰落率
騰落率ランキング(期間2022/8/28 – 2022/9/6)
当社クローズレート(Bid)より作成
上図は、2022/8/28~9/6における当社取扱い銘柄の騰落率のランキングである。
20銘柄中11銘柄はプラス域で推移しており、ETC(イーサクラシック)に至っては+14%を超える上昇となっている。
暗号資産の代名詞であるBTC(ビットコイン)は-1.39%となっており、軟調な相場に苦しんだようだ。
注目はADA(カルダノ)である。ADAはコンセンサスアルゴリズムにPoS(Proof of Stake:プルーフオブステーク)を使用しており、独自のメカニズムを有するウロボロスと呼ばれるブロックチェーンプロトコルが特徴だ。
ADAは、ボラティリティの高いETCを除くと、+9.9%と高パフォーマンスを記録した。
9/22に予定されているVasilハードフォークに向けた期待感からの買いによる影響と見受けられ、時価総額もXRP(リップル)を抑え7位となっている(9/7現在 CoinMarketCap調べ)。
本稿では、6/19から9/6にかけて起こった暗号資産市場、ADAのニュースを振り返り、今後の展開を想定する。
・ADAのチャートで見る6月19日からのニュース(6/19~9/6)
ADA/JPY 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
ADA(カルダノ)のチャート・価格情報はこちら
上図は、2022/6/19~9/6のADA/JPY日足Bidチャートにニュースを記載したものである。
全体の動きとして、8月中盤までは堅調に推移していたものの、8/19に大幅な下落。60円付近でもみ合い、9/3に上方ブレイクし現在の価格(68円)に着地している。
上昇、下落の要因は何だったのか。以下で振り返る。
6/29、ADA(カルダノ)のブロックチェーンを開発するIOHK(Input Output Hong Kong)が、6月末に予定していたVasilハードフォーク(※)の延期を発表した(6/29 CoinPost)。
これは、テストネットで7つのバグが指摘されたことによるが、アップデートは4週間後となった(後に再延期)。
※ネットワーク処理の大幅な変更、DApps開発向けのスマートコントラクト言語の改善などを盛り込んだアップデート
これを受けてADAは下落。6/30には60円を割り、58.8円でクローズした。
その後、7/9までは堅調に推移していたものの、7/10~7/12にかけて続落。これは米株市場が3日連続で下落しており、それに連れられる形で暗号資産市場が下落。安値を切り下げていったと考えられる。
7/13の57.5円を底に、7/19にかけて大幅に上昇した。これは7/13に発表された米消費者物価指数(CPI)が前年同月比で+9.1%と、1981/11以来の大幅な伸びとなったことや、米企業の決算発表が本格化する中での米企業への期待から米株市場に連れられて暗号資産市場が盛り上がったことが要因だろう。
7/20~8/18までは60~70円台で揉み合う値動きとなった。7/20の米テスラ社のBTC売却や、米株市場の過熱からのひと段落など様々な要因が重なり合い、暗号資産市場全体が方向感を見失っていたようだ。
8/19の大幅な下落は、BTCの大幅な下落に起因すると考えられる。BTC下落の要因に明白な材料はないものの、7月末から目立っているFRB高官など米当局者複数によるタカ派発言や、トルネードキャッシュ(※)への制裁を皮切りとした暗号資産市場に対する規制強化の流れなど悪材料が目立っているため、市場参加者が手じまいした結果であるとも考えられる。
※トレネードキャッシュとは…マネーロンダリングに使用される恐れがある、クリプトの匿名化サービスのこと
そこから方向感がつかめぬまま60円付近でもみ合いが続くも、9/3にADAのブロックチェーンを開発するIOHKがVasilハードフォークの日程を発表したことで価格は上昇。前日終値比+5.73%の66.8円でその日を終えた。
暗号資産市場では、注目されているETHの大型アップデート「The Merge」も控え、9月は大きな転換期となることも考えられる。
以下で、今後のADAを取り巻く暗号資産市場の動きについて考察する。
・現在と今後のADA(カルダノ)を取り巻く動き
ETHの大型アップデート「The Merge」により、PoW(Proof of Works)からPoS(Proof of Stake)に切り替わるが、稼働しているネットワークのコンセンサスアルゴリズムを切り替えた実例は過去にないため、暗号資産時価総額第2位のETHがその切り替えを行うことに大きな注目が寄せられている。
9/22にはADA(カルダノ)のVasilハードフォークも実施予定のため、9月中盤の暗号資産市場の動向には注意しておきたい。
これらが無事成功すれば、軟調な相場の起爆剤となり、他暗号資産を牽引する可能性も考えられるだろう。
ADAでみると、直近ではレジスタンスとなっているラインが無いことから、心理的節目である70~75円付近まで値が上がる可能性も視野に入れておきたい。
しかし、ハードフォーク直前の値動きには警戒が必要だ。
値上がりを見込んだ投資家たちがハードフォーク後の値動きを嫌い、ハードフォーク直前に手じまいするケースが散見される。
BTCを例にすると、2021/11/14のタップルート実装直前の11/10に770万円を記録したが、そのまま770万円を超えることなくハードフォーク当日の7/14を迎え、ハードフォーク後にはずるずると値を落としていった。
これは2021年11月の暗号資産市場が盛り上がっていた時期の事例のため現在の相場と相違する点はあるが、懸念材料として念頭に置いておきたい。
どちらにせよ、ハードフォークは価格が大きく動くイベントとなるため、ハードフォーク付近の値動きには十分留意しておきたい。
(9/7 午後4:00時点)
・銘柄別価格前日比(%)
社内データより作成
9/7の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は3.39%、中央値は3.70%、標準偏差は2.05%となった。
最大上昇銘柄はOMG/JPYの7.30%、最大下落銘柄はXYM/JPYの-1.58%。
最大上昇銘柄のOMG/JPYは、9/7未明の急落後、 午前11時頃に230円付近で安値をつけた後、反発。勢いを落とすことなく上昇し、257円付近で推移している。ETHのアップデート「The Merge」が近づき、ETHチェーン(ERC-20)のトークンであるOMGは連日高いボラティリティとなっている。
最大下落銘柄のXYM/JPYは、7月から続く下落基調から未だ抜け出せずにいる。他銘柄が反発する中、流動性も乏しく200円付近で推移している。
・24時間ボラティリティ(%)
社内データより作成
9/7の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は8.70%、中央値は8.96%、標準偏差は3.12%となった。
最もボラティリティが高かった銘柄はETC/JPYで16.28%。
一方、最もボラティリティの低かった銘柄はZPG/JPYで2.91%となった。
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