依然、弱気相場のBTC(ビットコイン)。しかし反転サインも?

Daily Market Report 2022/9/5

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ここ一週間の相場の振り返り

BTC/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
BTC(ビットコイン)のチャート・価格情報はこちら

上図は、8/19から現在までのBTC(ビットコイン)/JPYの日足チャートである。

8/28のBTC/JPYは、約270万円で反発し、トンカチ(※)の形を作った。
※トンカチ:上ヒゲが実体よりも長く、下ヒゲが無いもの。陽トンカチ:上昇傾向での出現は、反落の可能性あり。陰トンカチ:上昇傾向の出現は、反落の可能性あり。(ローソク足に関するコラムはこちら

ジャクソンホール会議でのパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の講演(8/26)の影響を受け、8/26、8/27と強い下落基調だったが、その後に作ったローソク足であるので、一旦は反発をする様相が伺える。

それもあり、8/29に底を割り約265万円まで下落してしまったものの、反発して陽線で閉じた。

そのまま8/30に一度高値の約282万円を付けたが、8/19から作っているレンジ下限(282万円)で反発し下落。

8/31から執筆時までは、約270万円から約282万円のレンジ相場になっている。

今後のファンダメンタルズ要因は?

暗号資産のニュースでいえば、9/15前後に予定されているETH(イーサリアム)の「The Merge」が引き続き注目される。

「The Merge」はETH固有の材料であるが、ETHは時価総額が大きいので、暗号資産全体のニュースとして暗号資産全体の価格変動にも影響する可能性が高い(「The Merge」の考察はこちら)。

「The Merge」が成功に終わり、POSの省エネ効果がクローズアップされると、ETHを中心に暗号資産の利活用について見直され、買いが入りやすい展開も想定できる。

一方で、暗号資産以外に注目されるファンダメンタルズ材料は、やはり米国のインフレ対応であろう。

9月はQT(quantitative tightening 、量的引き締め)が加速する。米連邦準備制度理事会(FRB)が、バランスシートの圧縮(※)のペースを上げた。
※バランスシートの圧縮:米国債の大きな買い手として存在感を持っていたFRBが、米国債が満期になって受け取った償還金から再投資する額を減らすこと。これは、米国債の買い手不足による価格低下(金利上昇)や、機関投資家などのポートフォリオリバランスによる国債買い・株売りなどに影響する。ペースを上げるとは、再投資する額を以前よりも減らすということ。

バランスシートの圧縮自体は6/1から行われており、昨今の弱気相場の一因にもなっているのだが、簡単にいえば、金融市場から資金がさらに抜けうることを意味し、QE(量的緩和)で急成長を遂げた暗号資産市場にとっては、大きなマイナスのファンダメンタルズになりかねない。

このようにETHの好材料がある中で金融政策のリスクは拡大しており、先行きの不透明感が増しているのが現状である。これを反映してか、BTCはここ数日、280万円を中心としたレンジ相場が続いておりボラティリティが低下している。

ボラティリティの低下はボリンジャーバンドの収縮局面となるが、これは、次の大きな流れに繋がる可能性があり、注意が必要だ。

そこで、以下では週足レベルに時間軸を伸ばし、考察していくことにする。

テクニカル分析から見る2つのシナリオ

BTC/JPY 週足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、6/13から現在までのBTC/JPYの週足チャートである。

8/15の週足で包み足(※)が発生し、その翌週の、8/22の週足も実体が大きい陰線をつけた。したがって、この二週間は下落圧力が強いことがわかる。
※包み足:1本目のローソク足(8/8週)が2本目のローソク足(8/15週)のなかに入っている状態。包み足の出現は、2本目のローソク足で大逆転が起こったと分析できる。

しかし、8/29の週足では十字をつける見込みだ。このことから、下落圧力と上昇圧力が拮抗し始めたと考えられる。

下落圧力が強かった中で生じた十字は反転のサインになりうるので、今週の週足は陽線となる可能性もある。

仮にここで反転を見せれば、2つのシナリオが考えられる。

1つ目は、ネックラインである330万円を越えればダブルボトムが成立(上図①)し週足レベルでトレンドが変わるというシナリオだ。

2つ目は、仮に330万円を超えられなかったとしても、相場の反転のきっかけとなるレンジが週足レベルで形成される可能性を残す(上図②)というシナリオだ。

いずれのシナリオも、中期的な上昇のきっかけになり、長い下落局面のなかで、やっと明るい見通しが見えてくるかもしれない

一方、週足で十字を形成したにも関わらず続落し、250万円を割ってしまった場合、次のわかりやすいサポートラインは、2017年末から2018年始にかけて高値をつけた約200万円の水準になってしまい、今の価格よりさらに約20%安くなる可能性もある。

今週どのような週足を形成するかは、重要なポイントとなるだろう。

(9/5 午前6:00時点)

銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

9/4の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は1.39%、中央値は0.78%、標準偏差は1.75%となった。

最大上昇銘柄はOMG/JPY6.15%、最大下落銘柄はLTC/JPY-2.26%

BTCをはじめ、多くのコインがここ数日のレンジの中に収まっている中、最大上昇銘柄のOMG/JPYはレンジを上にブレイク。現在約261円をつけている。

最大下落銘柄のLTC/JPYは、ここ数日は他の暗号資産とは違う値動きを見せている。8/31から9/2まで3連続陽線を記録したあと、9/3はカラカサを形成。その価格帯が前回高値の8500円のラインだったこともあり、9/4は続落し陰線を記録。最大下落銘柄となった。

24時間ボラティリティ(%)

社内データより作成

9/4の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は3.81%、中央値は3.91%、標準偏差は1.90%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はOMG/JPY7.31%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はZPG/JPY0.00%となった。

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2022-09-05
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