再度、上昇可能性が高まる原油。その時のBTC(ビットコイン)の行方は?

Daily Market Report 2022/8/30

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インフレ率の下落は一時的である可能性

8月26日のジャクソンホール会議でパウエルFRB議長が「インフレ抑制が達成されるまで金融政策を続けなければならない」と強いタカ派姿勢を見せた。

楽観視していた投資家の投げ売りにより、米株式指数は揃って3%を超える下落となり、暗号資産市場も連れ安となった。

インフレ率の指標となる米CPI(消費者物価指数)、米PCEデフレータ(個人消費支出)はいずれも6月にピークをつけて下落していたため、ジャクソンホール会議が開催されるまで、多くの投資家はインフレ率は改善され金融引き締めは早期終了を迎えると期待していた。

これに対し、パウエルFRB議長は「1カ月の改善ではインフレ率の低下を確信するにはほど遠い」と指摘しており、断続的な利上げが継続することが確認された。

FRBが7月のFOMCで言及したように、支出と製造のインフレ指標は鈍化の兆候を見せているものの、労働市場はいまだ力強いものがある。したがって、多少指標の鈍化兆候が見られたからといって、インフレ率の改善を確信するのは時期尚早であり、インフレ懸念が再燃する可能性も依然として残っているといえるだろう。

米労務省(https://www.bls.gov/home.htm)発表情報より当社作成

上図は、2022年5月から同年7月に発表された米CPI(前月比)の内訳と6月発表CPIから7月発表CPIにおける各商品・サービスの変動率を表したグラフである。

CPIは6月に前年比9.1%と40年ぶりの高水準となったが、高止まることはなく7月には8.5%と下落に転じた。

しかし、内訳を見るとほとんどの商品・サービスは-1%の変動に留まっており、2%を超えて下落したのはガソリン代や電気・ガス代など原油価格に影響を受ける商品・サービスであることがわかる。

現在、原油価格は下落傾向にあるため、原油の値動きがCPIの結果に影響を与えていると考えられる。

インフレ率を左右する原油価格

Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成

上図は、原油先物価格の2020年1月から現在までの週足チャートにトレンドラインと短期、長期の単純移動平均線を記載したものである。

2022年6月に終値ベースで最高値を付けたが、7月に入ると一転して価格を切り下げている。

しかし、8月15日週に2020年から続くトレンドラインと長期の単純移動平均線がサポートとなり、反発した。

OPEC(石油輸出国機構)の石油減産の可能性を示唆する発言もあり、現在価格は短期単純移動平均線の上に位置しており、7月中の下落は一時的な押し目であり、再度上昇トレンドとなる可能性もある

原油価格が再び上昇に転じれば、高インフレと金融引き締めの恐怖も再来することとなるだろう。

FRBは「9月会合での利上げについては、最新のデータと見通しを持って決定する」としており、2会合連続の大幅利上げとなるシナリオも想定が必要かもしれない。

チャートから見るBTCの行方

BTC/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
BTC(ビットコイン)のチャート・価格情報はこちら

上図は、2022年3月1日から現在までのBTC/JPYの日足チャートに3つのレジスタンスラインと短期、中期の単純移動平均線を記載したものである。

短期移動平均線が中期移動平均線を下抜けていることから、短期的には6月のレンジ相場でレジスタンスとなった260万円付近を目安に下落が続くことも想定しておくべきかもしれない。

原油価格の上昇可能性も高まっており、2会合連続の大幅利上げが現実となれば、金融資産全般にリスクオフの流れが広がることになる。

こうした状況においては、BTCも下落基調を強める可能性があり、年初来安値となる235万円を更新し、2020年12月のレジスタンスである200万円付近を目指す可能性も考えられ、注意が必要である。

(8/30 午前5:00時点)

銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

8/29の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は2.28%、中央値は2.47%、標準偏差は1.76%となった。

最大上昇銘柄はETH/JPY5.22%、最大下落銘柄はXYM/JPY-1.50%

最大上昇銘柄のETH/JPYは、直近の下落からの反発があったと同時にBTC建てで8/28日高値を突破したことで強い上昇圧力が生まれた。

最大下落銘柄のXYM/JPYは、一時的に上昇を見せたものの6.2円付近がレジスタンスとなり、再度下落する形となった。

24時間ボラティリティ(%)

社内データより作成

8/29の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は7.87%、中央値は7.75%、標準偏差は4.62%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はIOST/JPY24.97%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はZPG/JPY1.26%となった。

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2022-08-30
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