ジャクソンホール後のBTC(ビットコイン)相場は?基本にもどりローソク足から言えること

Daily Market Report 2022/8/29

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マーケットはジャクソンホール会議のパウエルFRB議長の発言を受けて、大荒れとなっている。

市場の期待に反するように、「(インフレ沈下を)やり遂げるまで(利上げを)やり続けなければならない」と述べて、米国株は3%を超える下落(CFDNYダウは8/29 午前11時時点でもさらに250ドル下落)、BTC/JPYは280万円を割り込む水準まで下落している。

マーケットの楽観論が広がりつつあった中で、冷や水を浴びる格好となり、今後はボラティリティの高い相場環境となりそうだ。

こうした状況であるが、本日は基本に立ち戻り、ローソク足のおさらいとこれをもとにした相場分析について記載してみる。

・ローソク足について

ローソク足とは、一定期間の始値、終値、高値、安値を、ローソクのような棒で表したものであり、一目でレートの推移がわかるものである。

インジケーターやオシレーターは数多く存在するが、それらのほとんどはローソク足のデータを基に計算されている。

また、チャートを見ずにトレードをしている人はほとんどいないであろう。つまり、最も市場参加者に見られているものであり、それだけで分析する価値は十分あるといえよう。

以下で、簡単にトレンドの転換を示唆するローソク足を紹介する。

(1)カラカサ(下の髭が長い陽線/陰線)

カラカサとは、長い下髭と短い実体で形成されており、トレンドの転換を示すローソク足のひとつである。一概に、実体と髭の割合が決められているわけではないが、実体:髭=1:2以上であればカラカサと言ってよいだろう。

より大切なことは、どうやってこのローソク足が形成されているかを理解することである。

カラカサの陽線が安値圏で出現した場合、上昇への転換を示唆する。売り方よりも買い方の勢力が強かったという解釈だ。高値圏で出現した場合、下落を示すサインとなる。

反対に、カラカサの陰線が高値圏で出現した場合、下落への転換を示唆する。買い方の抵抗はあったものの、最終的には売り方が勝ってるものの、買い方の抵抗が強かったと読み取れる。

つまり、下げ局面に出現すればボトムチェックをしたあと反発した動きになり、上げ局面では上昇余地が限られていることを示す動きをしているといえる。

(2)トンカチ(上の髭が長い陽線/陰線)

長い上髭と短い実体で形成されており、こちらもトレンドの転換を示すローソク足のひとつである。カラカサと真逆の形になるのだが、同様に、実体:髭=1:2以上であればトンカチと言ってよいだろう。

トンカチの陽線が高値圏で出現した場合、下落への転換を示唆する。最終的には買い方が買っているが、売り方の抵抗が強かったと読み取れる。安値圏では、上昇へのサインとなる。

陰線が高値圏で出現すると、下落を示唆していることになる。売り方の抵抗が強く、最終的にも売り方が勝利したいう見方である。

つまり、上げ局面に出現すれば、上がった後たたかれた形になり、下げ局面では下限余地が限られていることを示す動きをしているといえる。

(3)十字(文字通り、十の形をしているローソク足)

上と下の髭はあるが、それに対して実体がほとんどないローソク足である。

陽線、陰線ともにり買いの勢力が拮抗していることを表しており、これもトレンドの転換を示唆するローソク足のひとつである。

陽線、陰線での見方よりもこの十字が高値圏か安値圏のどちらで出現するかがポイントである。

高値圏で出現した場合、買い勢力を売り勢力が受け止め下落へ転換、安値圏ではその反対で上昇への転換を示唆する。

しかし、他のテクニカル分析と同様に、どのローソク足の形も常に全局面において、対応できるわけではないということを注意する必要がある。

これらをふまえて、2022年6月中旬から現在までの日足を拡大図で示し、マーケットを振り返ることにする。なお、2021年1月から現在までのチャートより、325万円のラインで水平線を引いた。

・BTC(ビットコイン)のローソク足と相場環境

図中拡大図

BTC/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
BTC(ビットコイン)のチャート・価格情報はこちら

上図は、BTC/JPYの日足チャート(2022年6月~執筆時点)である。

現状のBTC/JPYは、8月中旬に付けた高値333万円(拡大図B丸付近)から、現在まで約18.5%ほど下落(270万円付近)している状況だ。

ジャクソンホールの影響を解消しきれた状況ではなく、世界的なインフレが金融市場にとっては手痛いダメージとなっており、なかなか長期的な上昇トレンドに転じられない一因になっている。

ローソク足に着目すると、拡大図中のA丸では十字、B丸ではトンカチが出現している。もちろん、丸で囲っている部分以外でも、冒頭に挙げたトレンドの転換を示すローソク足は出現しており、そこで必ずトレンドが反転していると断定はできないものの、水平線と組み合わせて見てみると、わかりやすいのではないだろうか。

すなわち、水平線が引ける場所で、上記のローソク足が出現すると、その後トレンドは反転しやすいといえるだろう

A丸、B丸の二回の箇所も325万円のラインでトレンドの反転を示すローソク足を形成し反発していることから、ここの上値はなかなか重く映っている

A,Bでダブルトップを形成した可能性もあり、そうなると今後は下落トレンドが続きそうである。

一方で、下落トレンドが継続した場合、下値の目途はどのように考えておけばよいのであろうか。

下落した場合のいったんの目途は200週MAレベルである260万円付近となるが、その次は6月の安値233万円付近でサポートされるかが重要となってくる。

市場の下落圧力が強く、ここを破られた時に影響は計り知れない。

233万円アンダーは、2020年12月水準からの空白地帯であり、市場は一気に200万円を突き抜け100万円台に突入する可能性もあり、下値が見えてこない可能性もある。

今回のレポートで取り上げたパターンのような、トレンド転換の可能性を示唆するローソク足が形成され、「BTC(ビットコイン)価格上昇も、厳しい下落相場?反転のカギは包み足にあり?!」で記載のような状況までは慎重な姿勢が求められるかもしれない。

(8/29 午前7:00時点)

・銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

8/28の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は0.88%、中央値は0.61%、標準偏差は1.18%となった。

最大上昇銘柄はLTC/JPY4.42%、最大下落銘柄はADA/JPY-0.72%

最大上昇銘柄のLTC/JPYは28日の午後7時頃にレンジ上限の7,200円を上にブレイクし、その後垂れてきたが、押し目買いがレンジ上限で入り強い上昇を見せた。

最大下落銘柄のADA/JPYは、27日に底を確認後反発し上昇していたが、8/23~26ごろまで続いたレンジ下限の61.5円付近で跳ね返され下落した。

24時間 ボラティリティ(%)

社内データより作成

8/28の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は3.47%、中央値は3.41%、標準偏差は1.67%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はXYM/JPY6.79%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はZPG/JPY0.00%となった。

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2022-08-29
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