ジャクソンホール会議を控えたビットコイン、行き過ぎた悲観論には要注意?

Daily Market Report 2022/8/25

 

BTCと金利の逆相関が弱まる

Bloombergより当社作成
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上図は、2022/1/1から現在までの米10年物国債利回り(右軸)とBTC/USDの価格(左軸)を比較したグラフである。

FRB(米連邦準備理事会)は金融緩和政策により高進したインフレを正常化すべく、利上げ・バランスシート縮小による金融正常化を行ってきた。

このため、金利とリスク資産であるBTCの価格推移は逆相関してきたが、今年の4月以降は特に顕著になっているのがわかる。

一方で足元の動きを見てみると逆相関の動きは弱まっているようだ。

図を見ると、米10年物国債の利回りは7月末に底をつけ、8月に入って上昇してきているにもかかわらず、直近のBTC価格は軟調ぎみではあるものの、逆相関とは言えない底堅い雰囲気が見て取れる。

去年開催されたジャクソンホール会議において、FRBのパウエル議長は、2021年春から加速傾向を示してきた物価上昇率の高まりを「一過性のものにとどまる可能性が高い」と発言した。

その際、現状で見られるような、コロナ危機によるサプライチェーンの遅延やロシアとウクライナの戦争に起因するコストプッシュインフレによる物価上昇リスクを見落としており、批判を浴びる結果となった。

この経験から、今月の26日から開催されるジャクソンホール会議では、タカ派色の強い声明をするのではないかと注目が集まっている。

更には、セントルイス連銀のブラード総裁が9月に3度目の0.75%利上げ支持を表明するなど、タカ派的な展開が続き、これらを織り込んだBTC価格は8/19の取引において、高値23,200USDから、安値20,800USDまで、10%安を記録した。

しかし、BTC価格の一日平均騰落率は、3%前後であり、これらの事象を織り込んだにしては、あまり強い下落幅とは言えないようにも思う。

さらに、いくらジャクソンホール会議でのタカ派発言が市場のコンセンサスだとしても、支出や製造の景気指標が後退していることは事実であり、コンセンサス以上のタカ派的な発言がなされるのは考えにくいのではないか。

つまり、ジャクソンホール会議を通過した後のBTCが大きく売り込まれる展開になることには懐疑的になるべきかもしれない。

トレンドラインを下抜ければ一段安の可能性も

BTC/JPY 4時間足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、BTC/JPYの4時間足チャート(6月~執筆時点)である。

現状のBTC/JPYは、8/15に付けた高値(333万円)から、8/20に安値(280万円)を付け16%ほど下落し、反発している。

この価格帯は、6/19安値(233万円)と、7/13安値(255万円)を結んだトレンドラインEと、7/26に付けた安値(280万円)と交わるポイントである。

上値を重くする抵抗要素としては、7/8につけた高値と8/10につけた安値を結んだ抵抗帯B(300万円付近)と、6/21、6/23につけた高値と8/2につけた安値を結んだ抵抗帯C(295万円付近)ラインがある。

直近では、図の赤枠で囲んだ部分の通り、安値を切り上げ高値を更新し上昇トレンドを作っており、抵抗帯C(295万円付近)を若干上抜けてきている。

しかし、直上には抵抗帯B(300万円付近)があり、一段高を記録するためにはこのラインの上抜けが重要な要素となってくる。

上昇の場合、7/21と8/15につけた高値を結んだ、抵抗帯A(333万円付近)をターゲットプライスと見ることができようか。

逆に下支えとなる抵抗帯に関しては、トレンドラインEと、7/26の安値と8/20につけた安値を結んだ抵抗帯D(280万円付近)がある。

現在、BTC/JPYは290万円付近にある。一段安を記録するためには、このラインの突破が条件になってくるため、下値の固い展開も可能性として捨てきれないだろう。

(8/25 午前8:00時点)

銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

8/24の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は0.72%、中央値は0.77%、標準偏差は1.46%となった。

最大上昇銘柄はETC/JPY6.12%、最大下落銘柄はBCH/JPY-1.32%

最大上昇銘柄のETC/JPYは24日の夜間帯にかけて、大幅に上昇し、8/20から抵抗として機能していた4,650円台を更新した。

現状は4,950円付近の高値をつけた後、高値を切下げて推移しており、短期下落トレンドを形成している。

最大下落銘柄のBCH/JPYは、21日から続く上昇トレンドである利確売りのフェーズにあり、ゆっくりと下落推移した。

24時間ボラティリティ(%)

社内データより作成

8/24の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は5.01%、中央値は5.19%、標準偏差は2.14%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はETC/JPY12.04%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はZPG/JPY1.30%となった。

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2022-08-25
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