押し目が発生した今こそみたいRSIランキング:次に先導する銘柄は?
Daily Market Report 2022/8/24
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・ジャクソンホール会議を控え、暗号資産の反発も一服?
8/23 RSI(14日間)ランキング
当社クローズレートMid(8/23 7:00算出)より作成(日足)
上表は、8/23 午前7時に算出した当社取扱銘柄のRSIランキングである。
RSI(Relative Strength Index:相対力指数)は相場の加熱感を示す指標の一つであり、50を基準とする0~100の値で表され、100へ近づくほど市場参加者が「買い」に傾き、0に近づけば「売り」へ傾いているとされる。
暗号資産市場は、上期のテーパリングへの警戒感が和らいだしたことを背景とした7月の自律反発から一服し、足元では高値警戒感や8/26に控えたジャクソンホール会議が材料視され、利益確定売りに押されている状況といえる。
一例として、BTC価格を挙げると8/15に334万円を戻り高値に8/19には284万円まで下落後、300万円台には乗せられない戻りの鈍い様相となっている。、
ランキングをみても、全ての銘柄がRSIの中間地点とされる50を下回っており、確かに暗号資産市場は悲観に傾きつつあるようだ。
その中で、ランキング上位の銘柄は、下落の余地が残されているとみることもできるが、何らかの買われる理由がある銘柄ともみることもできる。
ランキング上位の3銘柄をみると、「The Merge」を控えたETHと、そのETHから枝分かれしたETC、「有事の金」に連動するZPGとなっており、直近のファンダメンタルズや相場環境が比較的下支えとなっている銘柄ともいえるだろう。
ETH、ETCと「The Merge」の関係については、8月の当社レポート「ETH(イーサリアム)のアップデート“The Merge”は価格推移にどう影響するか」、「“The Merge”はETC(イーサクラシック)の追い風に?」を参照されたい。
一方、ランキング下位の3銘柄は、XLMやENJ、OMGであるが、これらはランキング内での時価総額が比較的小さく、昨今は目立ったニュースが少ない点で共通している。
しかし、低いRSIに挙げられるように、オシレーター上は下落余地が小さいこと、小さめの時価総額と低めの流動性から、上昇余地を残している銘柄とみることもでき、相場全体の上昇時には現在のRSI上位銘柄を上回るパフォーマンスを発揮する可能性も想定しておきたい。
今回はRSIランキング最下位となったXLMについて考察する。
・価格、RSIともレンジ展開だが、目線は異なる
XLM/JPY 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
XLM(ステラ・ルーメン)のチャート・価格情報はこちら
上図は、XLM/JPYの日足チャート(2022年3月~執筆時点)である。
まず、XLM/JPYの価格をみると、3月から4月にかけて上昇したものの、4月以降は下落に転じ、5月中旬に13円付近で一旦の底をつけたことが確認できる。
その後は反発する局面はあったものの、概ね13円~17.5円のレンジを推移している。
17.5円の価格帯は、2/24のロシアによるウクライナ侵攻開始時につけた安値であり、現状はレジスタンスラインとなっている。6/25や8/9(赤矢印)は、このレジスタンスにぶつかり、反落していることは注目しておきたい。
7月からの戻り相場では、黄矢印のサポートが示唆されるような上昇をしていたものの、これを8/19の下落で下抜け、その後も上値を抑えられるような戻りの鈍さをみせていることから、黃矢印もサポートからレジスタンスに転じた可能性もある。
その場合は白矢印のように、13円台を再び目指す動きも考えられる。
次に、RSI(下段 緑線)をみると、20~80のラインを推移していることが確認できる。
他の市場や銘柄においては、RSIの「売られすぎ」、「買われすぎ」のラインは30~70とされることもあるが、XLM/JPYのRSIがそれよりアウトレンジとなる傾向があり、RSI20または80付近での逆張り的なトレードが有効かもしれない。
3月以降のRSIの信憑性を探ると、2/24の急落や、3月下旬の頭打ち、5月下旬の底打ち、8月上旬の戻り高値など、RSIが20や80にタッチした直後からトレンドが必ず反転するというわけではないが、数日でこれに応えていることから、注目に値するオシレーターであるとみてもよいだろう。
このRSIは直近8/22の急落で16をつけてからは回復傾向にあり、再び80付近を目指す動きも想定される。
その場合は①価格の戻りは鈍いものの下値は限定的な動きとなるか、②17.5円を目指して前述の黃矢印を上抜けるような力強い動きのいずれかが考えられるところだろう。
(8/24 午前5:00時点)
・銘柄別価格前日比(%)
社内データより作成
8/23の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は2.74%、中央値は2.21%、標準偏差は2.33%となった。
最大上昇銘柄はBCH/JPYの10.25%、最大下落銘柄はXYM/JPYの-0.46%。
最大上昇銘柄のBCH/JPYは4日続伸し、8/17以後の下落分を取り戻した。
BCH自体に特に明確な材料はないものの、ETHに追随してハードフォーク元のETCが上昇していることが注目されており、BTCに対してもBCHも注目されつつあることへの期待感が下支えとなっているとも考えられそうだ。
最大下落銘柄のXYM/JPYは、続落し逆行安となった。
日中より上値の重さが意識されたが、8/20、21の安値は下回っておらず、このまま三角保ち合いの動きに移行するか注目しておきたい。
・24時間ボラティリティ(%)
社内データより作成
8/23の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は5.27%、中央値は5.02%、標準偏差は2.55%となった。
最もボラティリティが高かった銘柄はBCH/JPYで13.27%。
一方、最もボラティリティの低かった銘柄はZPG/JPYで0.57%となった。
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