週末にBTC(ビットコイン)大幅下落、原因は?

Daily Market Report 2022/8/22

_

BTCとドルは逆相関を示す

TradingViewより当社作成

上図は、7月以降のBTC/USD(左軸、ドル)とドル指標(右軸)の日足チャートである。

ドル指標は、ユーロ・円・ポンド・スイスフランなど主要国通貨に対するドル相場を指数化したものであり、個別の一通貨の為替レートよりも正確に国際経済におけるドルの価値を示すことができる。

BTC/USDは8/15に一時25,000ドルを上抜けたものの、上値が重くその後下落が続き8/19未明から8/20にかけ約12%下落し、20,700ドル台で下値をつけた。

今回の下落に関して、特段明白な悪材料が出たようには見えないが、BTCと米ドルとの逆相関から下落要因が見えてくるかもしれない。

上述した通り、BTCが大幅下落している一方で、ドル指標は大幅に上昇しており逆相関の値動きを表している(図中点線枠)。

この一連のドル高の傾向は、ドル円が8/19に7月末以来の高値137円を突破したことからも分かりやすく見て取れるが、ドル指標も大幅に上昇していることから、円安によるドル高とは考えづらく、各国の通貨に対して、ドル買いの動きが高まったと考えられる。

この一連の動きが、25,000ドルを抜けきれず、上値付近で揉みあい状態だったBTCの下落に寄与した可能性もある。

ドル高の原因としては、7月末から目立っているFRB高官など米当局者複数によるタカ派発言が挙げられる(タカ派とは、金融引き締め政策に積極姿勢を示し、利上げによるインフレ抑制を狙うスタンスをとることをいう)。

これらの発言を受け、米10年債利回りの上昇とともに、全面的なドル買いの傾向が強まったと考えられる。

また、暗号資産関連のファンダメンタルズとしては、9月中旬にETHアップデート「The Merge」を控え、市場参加者の期待感が高まる一方で、トルネードキャッシュ(※)への制裁を皮切りとした暗号資産市場に対する規制強化の流れや、エネルギー危機から懸念されるPoW(Proof of Work)を採用する暗号資産の環境問題など好材料は依然として多くなく、方向感を探る米国株式市場や世界動向に左右される相場が続くだろう。
※トレネードキャッシュとは…マネーロンダリングに使用される恐れがある、クリプトの匿名化サービスのこと。

目先では8月末にジャクソンホール会議が控えており、FRBのパウエル議長の発言に注目が集まっている。

同会議はFRB議長、地区連銀総裁、世界各国の中央銀行首脳が集まり、世界経済や金融施策について議論を交わす重要なイベントである。この会議にてパウエル議長がタカ派の姿勢をとることがあれば、さらなる米金利の上昇、ドル高につながる可能性が高く、BTC相場もさらなる下落を迎えることを視野に入れる必要があるだろう。

トレンドライン分析

BTC/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
BTC(ビットコイン)のチャート・価格情報はこちら

上図は、2022/5/4から8/21現在までのBTC/JPYの日足チャートである。

BTCは6/12にサポートライン①を割り、その後急落し234万円台で安値を付けた後、サポートライン②を形成しながら上昇を続けていた。7/20と8/15に334万円台で高値をつけ、350万円台を目指すも上値が重く、再びサポートラインまで下落した格好となっている。

執筆時点(8/21 午後8時)では、トレンドライン上の290万円付近でレンジを形成しながら、安値付近で揉みあっている状況だが、トレンドラインを割る場合は下落幅が大きくなる展開には注意が必要だ。

下落時のターゲットプライスは7/13につけた前回安値の256万円台であるが、現状、安定しているとはいえない米国株式市場や世界経済動向に大きく影響を受ける可能性も視野に入れておきたい。

この場合は、5~6月に形成した下降フラッグのように、もう一段下落する可能性もある。

256万円で下げ止まらない場合は、6/18の安値234万円台も下抜けることになり、再び暗号資産市場は底の見えない展開になるだろう。

(8/20 午後 8:00時点)

銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

8/21の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は3.07%、中央値は3.32%、標準偏差は1.46%となった。

最大上昇銘柄はXTZ/JPY5.31%、最小上昇銘柄はMONA/JPY0.47%

最大上昇銘柄のXTZ/JPYは、ここ数日間は下落基調であったが、210円のレジスタンスで反発し買い戻されている状況だ。

最小上昇銘柄のMONA/JPYは、小幅ながら反発したものの、7/26に付けた安値付近で頭を押さえられる形となった。

24時間ボラティリティ(%)

社内データより作成

8/21の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は4.78%、中央値は4.86%、標準偏差は1.75%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はXEM/JPY7.72%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はZPG/JPY0.00%となった。

◆本資料においてお客様に提供される情報は、株式会社DMM Bitcoinが収集・作成等したものです。

◆本資料は、一般的な情報提供を目的に作成されたものであり、暗号資産取引の勧誘を目的としたものではありません。

◆本資料は、本資料作成時点で株式会社DMM Bitcoinが信頼できると判断した情報を基に作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。

◆本資料の情報によって生じたいかなる損害についても、株式会社DMM Bitcoinおよび本情報提供者は一切の責任を負いません。

◆本資料のグラフ・データ等は、過去の実績または作成時点での見通し・分析であり、将来の市場環境の変動や運用状況・成果を示唆・保証するものではありません。また、税金・手数料等を考慮しておりません。

◆本資料に関する著作権、知的所有権、その他一切の権利は、株式会社DMM Bitcoinまたは権利者に帰属します。お客様は、本資料に表示されている情報をお客様自身のためにのみ利用するものとし、第三者への提供、再配信、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。

2022-08-22
ページTOPへ