頻発する暗号資産のハッキング。8月のBTCは…?
Daily Market Report 2022/8/18
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・当社取扱い20銘柄の騰落率
騰落率ランキング(期間2022/8/1 – 2022/8/16)
当社クローズレート(Bid)より作成
上図は、2022/8/1~2022/8/16における当社取扱い銘柄の騰落率のランキングである。
20銘柄中17銘柄はプラス域で推移しており、上位4銘柄は+10%を超えた。
暗号資産の代名詞であるBTC(ビットコイン)は+4.48%となっており、上位銘柄に比べてパフォーマンスは突出していないものの、プラス域で週を終えた。
BTCのパフォーマンスが出なかった理由として、暗号資産関連のハッキング被害に関するニュースが多かったことが考えられる。
詳しくは後述するが、8/2にDeFiクロスチェーン「Nomad」で1億5000万ドル、8/3にはSolanaの暗号資産ウォレットである「Slope」や「Phantom」などで800万ドルに及ぶ暗号資産が流出したと報道された(8/2、8/3 Coinpost)。
また、CPI(米消費者物価指数)や米失業率などの経済指標を前に買い控えが発生したことも要因の一つだろう。
本稿では、8/1から8/16にかけて起こった暗号資産市場のニュースを振り返り、今後の展開を想定する。
・BTCのチャートで見る8月からのニュース(8/1~8/16)
BTC/JPY 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
BTC(ビットコイン)のチャート・価格情報はこちら
上図は、2022/8/1~2022/8/16のBTC/JPY日足Bidチャートにニュースを記載したものである。
上記でも述べたように、8/2にDeFiクロスチェーン「Nomad」でハッキング被害が発生。WBTC(Wrapped Bitcoin)など1億5000万ドル規模の資産が流出した(8/3 Coinpost)。
Nomadは異なるブロックチェーン間で資産を移動させるアプリケーションで、そのアプリケーションの脆弱性を突かれる形で資産を奪われた。
翌8/3には、Solanaのウォレットへのハッキングが報道された(8/3 Coinpost)。
Solanaのウォレットの一つである「Slope」ウォレットにおいては、同ウォレットにセキュリティの脆弱性があったものの、Solana側はこれが流出の直接の原因ではないと主張しており、今後の調査が待たれる。
8/4~8/5には英中央銀行(BOE)の金利発表、米失業率などの経済指標が発表された。
BOEは事前の市場予想通り、1.75%に金利を引き上げた。また、米失業率は前月から0.1%改善し3.5%となり、米雇用情勢の強さが改めて示される結果となった。
注目の経済指標のため大きく値が動くかと思われたが、BTCへのインパクトは薄く、価格は8/4は-3.83%、8/5は+4.15%となった。
BTCは8/5の上昇から8/8までは順調に陽線を付けて推移していたが、8/9は-2.53%下落した。これは、翌日に発表される米消費者物価指数(CPI)を控えて手じまいによる売りが走った影響だと考えられる。
翌8/10、米消費者物価指数(CPI)が発表された。前年同月比は8.5%と前月の9.1%から鈍化し、市場予測の8.7%を下回った。
インフレ加速を示さなかったことにより、世界的な金利上昇懸念が後退。これらの要因により、8/10から8/11にかけてBTCは上昇。8/13には終値320万円を超えた。
暗号資産市場で注目されているETHの大型アップデート「The Merge」も控え強気の様相だが、今後どのような値動きになるのか。
以下で考察する。
・現在と今後のビットコインを取り巻く動き
上でも述べたように、ETHの大型アップデート「The Merge」が9月に控えている。
PoW(Proof of Work)からPoS(Proof of Stake)に切り替わるが、稼働しているネットワークのコンセンサスアルゴリズムを切り替えた実例は過去にないため、暗号資産時価総額第二位のETHが行うことに大きな注目が寄せられている。
無事成功すればETHが暗号資産市場を牽引し、上値が重くなっていたBTCも価格が上昇する可能性も見えてくる。
BTCは7月初頭からだんだんと下値を切り上げていることから、2022年6月初頭のラインである400万円付近まで値が上がる可能性も考えておきたい。
しかし、ETHの大型アップデートには懸念もある。
アップデートが近づき、既存のコンセンサスアルゴリズムであるPoWを続けようとするコミュニティが存在するのだ。
これらのコミュニティがPoWを支持した場合、PoSのETHとPoWのETHが存在することになる。
現状、「The Merge」による影響は大きくないと見受けられるものの、ETHコミュニティの大きな分裂が起こる可能性もある。
分裂に際しては市場が不安定になり、ETHに連れられて他の暗号資産も大きく値を落とす場合も考えられるため、大型アップデート近辺の値動きには十分留意しておきたい。
(8/17 午後8:00時点)
・銘柄別価格前日比(%)
社内データより作成
8/17の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は-1.86%、中央値は-1.54%、標準偏差は1.96%となった。
最大上昇銘柄はETC/JPYの2.06%、最大下落銘柄はIOST/JPYの-6.47%。
最大上昇銘柄のETC/JPYは、5293.1円でオープンし、5402.4円でクローズとなった。日足レベルでは一目均衡表の三役好転となっているが、1時間足レベルでは、雲上限がレジスタンスとなっているように見受けられる。
最大下落銘柄のIOST/JPYは、1.916円でオープンし、1.792円でクローズとなった。日足では半月ほど雲の中を推移している。MACD、ストキャスは下落を示唆しており、雲下限の1.72円付近の攻防に注目したい。
・24時間ボラティリティ(%)
社内データより作成
8/17の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は7.11%、中央値は7.97%、標準偏差は2.76%となった。
最もボラティリティが高かった銘柄はIOST/JPYで11.49%。
一方、最もボラティリティの低かった銘柄はZPG/JPYで0.84%となった。
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