今注目すべきはPoW(プルーフ・オブ・ワーク)!期待できる銘柄は?

Daily Market Report 2022/8/2

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ETH(イーサリアム)のハッシュレート急低下。減少した計算パワーはどこへ?

https://etherscan.io/及び当社データより作成
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上図は、ETHのハッシュレートとETH/JPYの価格推移(2021/1~現在)を表したものである。

今年4月のピーク時からETHのハッシュレートは最大約20%近く急低下し、足元でも昨年12月以来の低水準に位置している。

2021/6にもETH/JPYの価格下落に伴いハッシュレートは低下したが、ハッシュレートは底打ち後すぐに反発上昇となっており、足元で横ばいが続く今回は状況が異なりそうだ。

ハッシュレートはマイナーが暗号資産のマイニングをするために投下した計算パワーを表している。従ってETHのハッシュレート低下は、マイナーがETHのマイニングに懸念を示しつつある結果だと考えられる。

マイニングを行うかどうかの意思決定の要因は「暗号資産価格、採掘難易度、電気代、施設代・・・」等と複合的であり、今回のハッシュレート低下理由の断定は難しい。

しかし、マイニングマシンによる超高速計算の必要がほぼ無くなるETHの(PoWからPoSへの)アップデートが9月に予定されており、今回のハッシュレート低下はETHからマイナーが撤退しつつあることを意味するだろう。

そして、ETHのハッシュレートが低下した影響は他の暗号資産にも影響を及ぼしている。

急騰したETC(イーサクラシック)。ハッシュレートは過去最高に

当社取引ツール(ETC/JPY Bidチャート)より作成
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上図は、2022/3/1~現在までのETC/JPYの日足チャートである。

ETHからのハードフォークにより誕生したETC/JPYは6月に1,700円付近で底値を固めた後に急騰し、回復基調にある暗号資産内でも上昇著しい展開となっている。

また、ETHのハッシュレートが6月以降低迷している中、ETCのハッシュレートは18TH/s(6/1)→27TH/s(7/30の過去最高記録時)※となり、過去にない水準でマイニングに計算能力が投下されている。
※ハッシュレートはcoinwarz.comより

マイナーの動向を正確に追うことは難しいが、ASIC等※のETH特化型マイニングマシンの計算パワーが、ETHと関連性の高いETCのマイニングに素早く振り向けられたことにより、ハッシュレートは上昇したと考えられそうだ。
※ASIC・・・特定の用途のために製造された半導体集積回路

そして今後も、「ハッシュレート上昇→暗号資産のセキュリティー向上」という好循環が生まれれば、ETC/JPYのさらなる上値追求もありえるだろう。

また、ETCのハッシュレート向上分は、ETHのハッシュレート低下分のごく一部に過ぎず潜在的なマイニングの計算パワーは未だ残されているとも考えられる。

他の中小型PoW銘柄も上昇なるか

上図は、トランザクション(ブロックチェーン)の承認方法をマイニングによる計算パワーが必要な「PoW」に依存している銘柄の騰落率推移を表している(期間2022/6/1~現在、当社取扱銘柄)。

ASICと異なりGPU等※のマイニングマシンは汎用性が比較的高いため、上図に記載した銘柄は、ETHから撤退するマイナーの参入先となる可能性もあるだろう。
※GPU・・・ Graphics Processing Unitの略。画像処理装置のこと。

急騰したETC(時価総額約6,100億円)を基準とすると、規模感で類似するLTC(同5,400億円)やBCH(同3,400億円)はマイニングの代替先となろうか。

その一方で、切り替え先の暗号資産とマイニングマシンの親和性低下や、それに伴う期待収益の悪化等といった懸念材料も考えられる。また、GPU価格も下落基調であり、マイニングに対する投資熱も活発であるとは言い難い。

PoW銘柄に追い風となる材料はあるが、暗号資産全体の先行きにも目を配り、冷静な判断をする必要がありそうだ。

(8/2 午前0:00時点)

銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

8/1の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は-3.37%、中央値は-2.54%、標準偏差は3.20%となった。

最大上昇銘柄はTRX/JPY0.69%、最大下落銘柄はETC/JPY-12.31%

最大上昇銘柄のTRX/JPYは約8.9円への下落から値を戻し唯一の上昇銘柄となった。

最大下落銘柄のETC/JPYは4日連続の陰線となり、7/28の大幅上昇を打ち消す水準まで下落している。

24時間ボラティリティ(%)

社内データより作成

8/1の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は6.85%、中央値は5.91%、標準偏差は3.72%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はENJ/JPY15.75%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はZPG/JPY1.18%となった。

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2022-08-02
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