ETH(イーサリアム)vs「イーサリアムキラー」のADA(カルダノ)達、勝負の行方は?

Daily Market Report 2022/8/1

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一時期話題となった「イーサリアムキラー」、それからどうなったのか

CoinMarketCap (https://coinmarketcap.com/),
Google Trends「Ethereum Killer」(全世界)より当社作成

上図は、ETHと「イーサリアムキラー」と称される8銘柄の合計時価総額の比較チャートにGoogle トレンドの「Ethereum Killer」(場所:全世界)というワードの検索指数をプロットしたものである(期間2021年1月~現在)。
※検索指数は、その期間の検索数の最大値を100とし、0から100の相対的な数値で示している

「イーサリアムキラー」とは、ETHに対して、処理能力の速さ、手数料の低さ環境への優しさなどを売りとした競合ブロックチェーンのことで、主に称されることの多いのは以下の8銘柄である。

ADA(カルダノ)(時価総額7位)
DOT(ポルカドット)(時価総額11位)
XTZ(テゾス)(時価総額38位)
SOL(ソル/ソラナ)(時価総額9位)
・MATIC(ポリゴン)(時価総額12位)
AVAX(アバランチ)(時価総額14位)
ATOM(アトム/コスモス)(時価総額26位)
・FTM(ファントム)(時価総額59位)

「イーサリアムキラー」の話題について時系列で振り返ってみると昨年4月、8月はETHの価格上昇とともに「イーサリアムキラー」が注目された時期といえるだろう。昨年4月は当時の9銘柄合計の時価総額全体の下落に対して、Googleトレンドの下落がなだらかであった。

これは、ADAのように環境負荷の軽さを売りとする側面が注目されたとみることもできそうだ。また、昨年8月もADA等の上昇に繋がったことが確認できる。

一方で、その後の年末にかけてのETHの続伸に対して、「イーサリアムキラー」の話題は伸び悩み、年初に各種メディアで取り上げられたものの、このところは暗号資産市場の下落とともに鳴りを潜めている。

Googleトレンドをみると、ETHが下落に向かった今年2月をピークに右肩下がりとなっており、確かにその傾向が伺える。

これらの事例から、昨年前半のETHの上昇時や後半の反発時に、より高いパフォーマンスを期待できる出遅れ銘柄として、市場参加者が「イーサリアムキラー」へ注目する傾向が推察され、今年もETHの価格下落時に注目したがその後の続落により諦めたのか注目度が薄れていくなど、市場参加者の傾向に対する一種の示唆が得られそうだ。

次に、ETHの時価総額に対してイーサリアムキラーのシェアは拡大したといえるのか、上記期間の100%積み上げグラフをみてみよう。

SOLは台頭するが、ADA、DOTは伸び悩み、ETHに軍配

CoinMarketCap (https://coinmarketcap.com/)より当社作成
ETH(イーサリアム)のチャート・価格情報はこちら

上図は、2021年1月からのETHと「イーサリアムキラー」とされる8銘柄の時価総額の100%積み上げグラフである。

ETHの時価総額は昨年1月から3月にかけて、ADAやDOTの台頭により落ち込んだものの、昨年9月に60%台をボトムとしてほぼ一貫して右肩上がりとなっている。

今年1月や6月など、一時的に下落する局面はあったものの、これは、昨年9月以後の「イーサリアムキラー」に対するETHのパフォーマンス優勢を示していると受け取ることができる。

また、「イーサリアムキラー」の銘柄をみていくと、昨年9月からSOLが台頭した一方で、ADA、DOTのパフォーマンスは伸び悩んでおり、ADA、DOTからSOLへ循環物色する動きがあった可能性が示唆される。

今後のETH vs イーサリアムキラーの行く末を考えてみると、ETHは現在POS(プルーフオブステーク 環境負荷が低いとされる)の実装に向けてアップデートを進めていることから、環境負荷の軽減をアピールポイントとするイーサリアムキラーの価値は相対的に弱まるだろう。

ただし、その他の独自性を打ち出す銘柄、例えば異なるブロックチェーン間の相互運用が可能なことが特色のDOTなどについては一定の評価を受ける可能性がある。

よってETHに対しての「イーサリアムキラー」としてひとくくりに見るのではなく、「イーサリアムキラー」とされる銘柄のなかで比較していくことも必要だ。

(2022/8/1 午前5:00時点)

銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

7/31の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は-0.03%、中央値は-0.29%、標準偏差は2.36%となった。

最大上昇銘柄はDOT/JPY7.50%、最大下落銘柄はQTUM/JPY-5.13%

最大上昇銘柄のDOT/JPYは5日続伸し、6/6以来の高値をつけた。

DOTは本稿で触れた通り「イーサリアムキラー」の一つと称されるが、年初来では他の「イーサリアムキラー」よりも軟調で、ETHよりも7月の反発も浅かった銘柄である。

換言すれば上昇余地の大きい銘柄ともいえる。

また、DOTは8月に国内取引所における上場が予定されており、取引機会の増加やユースケースの拡大が上昇の後押しになっているともいえそうだ。

最大下落銘柄のQTUM/JPYは続落。

QTUMは8/1にハードフォークが完了した。現在の価格帯は、今年5月から約1ヶ月にわたって続いたレンジの上限に位置しており、ここで下げ止まれるか要注目だろう。

24時間ボラティリティ(%)

社内データより作成

7/31の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は6.21%、中央値は5.58%、標準偏差は3.34%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はIOST/JPY14.79%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はZPG/JPY0.00%となった。

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2022-08-01
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