FOMC通過後に買われたBTC(ビットコイン)、三角保ち合いブレイクなるか?
Daily Market Report 2022/7/29
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・米連邦準備制度理事会(FRB)が2会合連続での大幅利上げ
米連邦公開市場委員会(FOMC)が決定する政策金利の動向は、株価だけでなく暗号資産に与える影響も大きいことで知られており、今月27日のFOMCの政策金利決定でもマーケットは大きく反応した。
まずは、今回のFOMCを受けた市場の動きを米国の主要株式指数から考察し整理していく。
Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成
上図は、FOMCが開催された2022/7/27のナスダックとS&P500の前日比(%)を示したチャートである(日本時間表記)。
チャートを見ると、FOMCが75bpの利上げを決定した時の動きは限定的だったものの、パウエルFRB議長の発言後(詳細は後述)には、ナスダックとS&P500が大きく上昇したことが分かる。
今回の利上げは前回(6月)のFOMCと同様に75bpと大幅なものになったものの、政策金利の上昇幅とは裏腹に、市場にはリスクオンムードが広がり株価は反発上昇した。
このような株価の動きは、下記のような材料が意識された結果であろう。
・今回2022/7/27に開催されたFOMC
市場の予想通り2会合連続で75bpの大幅利上げとなった。これ自体にサプライズ要素は無かったものの、注目すべきは、FOMCでのパウエルFRB議長の発言である。
「いずれ利上げペースを落とすことになるとした上で、次の利上げ幅に関して明確なガイダンスを示すのではなく、政策は会合ごとに新たに設定される」と説明した(7/28 Bloomberg)。
このことを受けて、以前ほどFRBは強硬的な利上げを継続しないだろうとの見方が市場に広がり、株式市場は大幅に反発しNASDAQは4%、S&P500は3%上昇する動きを見せた。
市場参加者のリスク許容度が緩和した要因をまとめると、以下の3点である。
①事前の市場予想通り75bp利上げでFOMCを通過。
②28日の日本時間午前3時にFRBが発表した声明文でインフレ指標の鈍化を認めた。
③前回までは金融正常化の強硬姿勢一択であったが、今後の経済指標によっては、ハト派的か中立的かタカ派的なのかを見極める方向に向かう。
そして、6/28未明のリスクオンムードの中でBTCも日足ベースで7.8%の上昇を記録した。しかし、ナスダックとS&P500は6/9以来の高値圏にある一方で、BTCは6/9高値の約400万円とは依然として乖離がある状況であり、上昇余地は十分に残されているとの見方もできそうだ。
・三角保ち合いブレイクにより400万円越えを目指せるか
BTC/JPY 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
BTC(ビットコイン)のチャート・価格情報はこちら
上図は、2022/5/10から現在までのBTC/JPYの日足チャートである。
2022/6/8の高値を起点としたレジスタンスライン(上図 黄色線)と、2022/6/18の安値を起点としたサポートライン(上図 赤線)との間で描かれる三角保ち合いが形成されており、相場の転換点を迎える可能性が出てきたといえるだろう。
上図の黄色線と赤線で囲まれたような状況は、“均衡している三角保合い”と表され、高値が徐々に切り下がると同時に、安値が徐々に切り上がってくることで振幅が小さくなる。
この三角保ち合いを上下どちらにブレイクするかで相場の方向性は決まりそうだが、ブレイクした後の目標価格は振れ幅が大きくなりそうだ。
具体的には、6月中旬以降に形成した約20,000ドル付近のレンジ下限(約233万円)と、5月中旬~6月中旬頃に形成されていた30,000ドル付近のレンジ上限(約417万円)が目標となろうか。
20,000ドルと30,000ドルの価格帯はBTC現物保有者の大きな心理的節目となっており、三角保ち合い後は、このような節目まで一気に価格が動くことも念頭に置きたいところだ。
次回FOMCは9/20~21であり、言い換えると次回の政策金利決定まで約2か月近くの空白期間がある。6/27のパウエル議長の会見内容は今後の金融政策の決定要因に明確かつ具体的な言及はなかったため、今後は市場参加者の思惑が先行し相場が突然反転する可能性もあるだろう。BTCを占う上では株式市場、金融政策の動向にも目が離せない。
(7/28 午後7:10時点)
・銘柄別価格前日比(%)
社内データより作成
7/28の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は6.12%、中央値は4.20%、標準偏差は5.65%となった。
最大上昇銘柄はETC/JPYの21.77%、最大下落銘柄はZPG/JPYの-0.43%。
最大上昇銘柄のETC/JPYは7/27に直近の揉み合い相場を上方向にブレイクし、4,000円台を回復した流れを引き継ぎ、7/28も続伸となった。
米国時間に4,500円周辺で揉み合いを見せたものの、ここでも上方向にブレイクしたことで勢いづくと、一気に5,000円台を回復した。
最大下落銘柄のZPG/JPYは、7,500円付近での一進一退となった。米利上げ通過後に暗号資産は軒並み上昇となったものの、安全資産である金価格に連動しているZPG/JPYはリスクオンの流れには乗れず、限られたレンジでの推移をとなり、大きな変動は見られなかった。
・24時間ボラティリティ(%)
社内データより作成
7/28の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は10.18%、中央値は9.21%、標準偏差は6.08%となった。
最もボラティリティが高かった銘柄はETC/JPYで26.48%。
一方、最もボラティリティの低かった銘柄はZPG/JPYで1.27%となった。
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