急騰後のETC (イーサクラシック)、タートルスープ発生は下落のサインとなるか

Daily Market Report 2022/7/25

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ETC、XEMの取引高が急増

CoinMarketCap (https://coinmarketcap.com/)の7/24 7:00、6/24 7:00に取得したデータより当社作成

上表は、当社取扱い銘柄のうち、時価総額上位15位までの銘柄の前月比と取引高をまとめたものである。

時価総額をみると、15銘柄中12銘柄が増加していることがわかる。

暗号資産市場は4月から6月末にかけての下落を経て、価格は回復途上にあり6/24からの一ヶ月間をみると概ね堅調な一ヶ月だったといえるだろう。

時価総額の前月比上位3銘柄をみると、ETC、ETH、XEMの順で、59.8%~20%超の増加となっている。

ETC個別の売買材料となる報道はないが、ハードフォーク元のETHの価格上昇や、アップデート「The Merge」に関する報道(7/21 Coindesk JAPAN)等が注目され、連れ高になったともいえそうだ。

次に取引高をみると、ETCの7/24の取引高はBTC、ETHに次いで3位の規模となっている。

前月比ではETCとXEMは500%を超える増加となっており、注目が集まっているとも受け取れる。

ETCとXEMは2年以上前から暗号資産市場で時価総額100位以内を保っており諸外国の取引所で扱いの多い銘柄といえる。価格の値ごろ感とは別に、一定の流動性も一つの要件といえるかもしれない。

一方で、大きく時価総額の増加したETHの取引高は5.0%にとどまっている。

現在のETHが前月に比べ特段注目を浴びているともいえず、取引高の伴わない価格は、失速しうる可能性には注意しておきたい。

ETCの取引高がETHに構わず堅調推移している理由としては、個別のファンダメンタルズについては材料が乏しいため、割安感や、出遅れ銘柄としての期待といった注目度の増加と推察することもできそうだ。

次に、取引高の推移をあたり、チャート分析から今後の展開を考察する。

取引高の減少に遅れて、時価総額も減少する傾向?

CoinMarketCap (https://coinmarketcap.com/)より当社作成
ETC(イーサクラシック)のチャート・価格情報はこちら

上図は2022年1月からのETCの取引高と時価総額の推移である。

ETCは取引高、時価総額とも3月中旬に年内高値(6,337円)をつけ、6月末にかけては一貫して下落、7月からは流れが変わり、反転の兆しをみせつつある。

次に、ETCの時価総額が増加する局面(2月上旬、3月中旬、5月下旬、7月中旬)に着目すると、取引高もあわせて増加しているが、取引高が時価総額の調整に先駆けて減少している点はETCの一つの傾向ともいえそうだ。

なお、7月中旬から急増した取引高について、7/19以降は高値が更新されていない。

年初からのETCの傾向をふまえると、このまま取引高が減少すれば、時価総額も遅れて調整に向かう展開も考えられるため、継続して観察しておきたいところだ。

タートルスープでは既に頭打ち?

ETC/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、ETC/JPY の日足チャートを用いて7/23に「タートルスープ」(※)を用いた場合の一例である。

タートルスープとは2つの発生要件(後述)を達成したときに、相場が反転するとみる投資法である。
(※)タートルスープ…米国の先物トレーダーであるリンダ・ブラッドフォード・ラシュキの開発した逆張り投資法。日本では、1999年の「魔術師リンダ・ラリーの短期売買入門」の第4章にて紹介され、注目を集めた。

まず、「タートルスープ」の発生要件を確認する。

上昇から下落へ反転する場合の「タートルスープ」は以下2点となる。

①当日を含めた過去20日間の最高値を更新すること
②直近高値は当日を含めた4営業日以前であること

①当日を含めた過去20日間の最高値を更新すること

ETC/JPYの過去20日間の高値は7/19につけた3732.1円となる。

この7/19高値を7/23に突破していることから、①の条件は達成しているといえる。

②直近高値は当日を含めた4営業日以前であること

①の7/19高値は当日(7/23)を含めた5営業日前であり、7/23になって初めてこの高値を更新したことから、②の条件も満たしているといえる。

「タートルスープ」において一方向にブレイクした価格がレンジ相場に回帰する思想が根底にあるため、今回であれば直近安値を下回る、もしくはレンジへの回帰が想定される。

よってETC/JPYが「タートルスープ」を満たしていると見ると、黃矢印のように7/23の上放れから一転し、黃矢印のように下落するか、直近の安値-高値である3000.8~3747.8円の間でレンジ推移となるシナリオが考えられる。

一方で、その後の価格上昇で7/23につけた3747.8円の高値を超えた場合は、「タートルスープ」のシナリオは崩れたといえそうだ。

ETC/JPYが上昇に転じた場合には、心理的節目である4,000円周辺に週足一目均衡表・基準線及び雲下限が位置しており、この水準をしっかりと上抜けできるかどうかをまず確認する必要があるだろう。

それ以上の水準は、3/30につけた6300円の価格帯からほぼ下落一辺倒できた分、反発後のレジスタンスラインに乏しく、大台の回復を確認しながら6,300円を目指す展開を想定しておきたい。

(7/25 午前5:00時点)

銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

7/24の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は2.74%、中央値は2.56%、標準偏差は2.38%となった。

最大上昇銘柄はBCH/JPY7.66%、最大下落銘柄はXEM/JPY-2.47%

最大上昇銘柄のBCH/JPYは7/19につけた高値を更新し、6/13以来の高値圏へ到達した。

BCHは7/8に米投資企業グレースケールの対象銘柄から除外されて以降(7/9 CoinPost)、主な報道は挙がっていない。

しかし足元では、7/13から7/19にかけて7連騰するなど、着実な買い支えが入っており、新たな大口機関投資家の存在も想定されそうだ。

最大下落銘柄のXEM/JPYは早朝から正午にかけては急騰したものの、午後は弱含んだ。

他銘柄と同じく、7/13以降のXEM/JPYも着実に下値を切り上げているが、前日も一時10%高となるなど、ボラタイルな値動きとなっている。

24時間ボラティリティ(%)

社内データより作成

7/24の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は4.45%、中央値は4.05%、標準偏差は2.03%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はBCH/JPY9.08%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はZPG/JPY0.00%となった。

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2022-07-25
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