DOT (ポルカドット)、短期的調整後、一転上昇可能性も?
Daily Market Report 2022/7/22
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DOT(ポルカドット)の時価総額は約998億円(7/21 15時時点)と12位に位置しており、高い支持を得ているようだ。
本日はポルカドットの特徴をおさらいしつつ、価格の行方について検証してみたい。
・DOT(ポルカドット)について
ポルカドットとは、イーサリアムの共同創立者のギャビン・ウッド氏らが率いるWeb3 Foundationという組織によって考案されたブロックチェーンであり、ポルカドット上のブロックチェーンプラットフォームで使用されている暗号資産がDOTである。
ポルカドットの特徴
①インターオペラビリティ(相互運用性)
②パラチェーン
①インターオペラビリティ(相互運用性)
分離されたブロックチェーンを繋げること(ブリッジ)で、規格の違うブロックチェーン間でのデータのやり取りを可能にしている(例えば、インターオペラビリティにより異なるブロックチェーン上で扱われるBTCとETHを直接取引することが可能となる)。
②パラチェーン
パラチェーンとはポルカドットに接続する個々のブロックチェーンのことであり、トランザクションを並行処理し拡張性が優れていることが特徴である。これによりスケーラビリティ問題を解決している。
1秒間でのトランザクションの処理件数は、ビットコインは約7件、イーサリアムは約30件であるのに対し、ポルカドットはパラチェーンにより1,000,000件という高速度での処理が可能となっている。
また、パラチェーンとして繋がることができる枠は100枠のみであり、それを決めるためにDOTの保有量を競うパラチェーンオークションがある。
ブロックチェーン市場は急成長しているが、その一方で、異なるブロックチェーン同士のやり取りが出来ないことや、時間あたりに処理可能なトランザクション数が少ないといった課題に直面している。
また、それらを解決するブロックチェーンの開発は技術的には可能であっても、悪意を持ったノードによる攻撃やハッキング等のリスクもあり、実用化は容易ではない。
ポルカドットは、ブロックを承認するバリデーターをメインチェーン(リレーチェーン)にプールする等、独自のコンセンサスアルゴリズムを採用することでセキュリティ面を強固にしている。
上記のような特徴があることにより、ポルカドットへの関心は高いのではないだろうか。
・DOTの価格変動とプロジェクト進行
DOT/JPY 週足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
DOT(ポルカドット)にチャート・価格情報はこちら
上図は、DOT/JPYの週足チャート(期間2021/1/4~現在)にトピックとなるニュースを記したものである。
以下、各概要である。
・Polkadotの実験ネットワーク「Kusama」、パラチェーンオークションを開始(2021/6/16 CoinPost)
Polkadot(ポルカドット)の実験的なネットワークである「Kusama(クサマ)」。Kusamaでの検証後、問題なければポルカドットへの実装するため、Kusamaでの成功はポルカドットへの期待となったのではないだろうか。
・Polkadot、本格運用開始へ パラチェーンオークションの日程を提案(2021/10/14 CoinPost)
2021/10/13、本格運用の準備が完了したことを発表するとともに、パラチェーンオークションの日程を提案。
この発表直後、価格は20%ほど上昇し、11/4には最高値の5,977円に達した。
・Polkadot、国産Astarなど5つのパラチェーンが稼働開始 本格運用始まる(2021/12/20 CoinPost)
バッチ1のパラチェーンオークションにおいて、5つのプロジェクトがスロットを獲得した。これにより、ポルカドットの本格運用が始まった形だ。
それまで下落基調だったが、大きな上昇を見せたことは留意しておきたい。
・ポルカドットがアップグレード、パラチェーン間の直接通信が有効に(2022/5/5 CoinPost)
2022/5/4、アップグレードにより、Polkadotベースのブロックチェーン間で各種データや暗号資産(仮想通貨)の直接通信機能が有効になった。リレーチェーンへのXCM(通信プロトコル「XCM(cross-consensus messaging format)」)実装により、個別の接続先の脆弱性に影響されることはなく、ユーザーはパラチェーン間で簡単にトークンやNFTの移動が可能となった。
経済政策や地政学的リスクの影響もあるため、一概にプロジェクトが価格の上下を決めているとは断定できないが、プロジェクトの進行が価格変動の要因の一つではありそうだ。
また、ポルカドットの運営団体がWeb3 Foundationということもあり、Web3の成長・発展によってもDOTの価格に影響を及ぼすことも考えられるだろう。
最後に、テクニカルの面から今後の値動きについて考察する。
・テクニカル分析
週足Bidチャート(左図)日足Bidチャート(右図)(当社取引ツールより作成)
上:DOT/JPY価格
中:MACD(12,26,9)
下:スローストキャスティクス(14,3,3)
上図は、DOT/JPYのチャートであり、左は週足(期間:2021/10/11~現在)、右は日足(期間:2022/6/12~現在)のそれぞれにMACD(12,26,9)とスローストキャスティクス(14,3,3)を反映させたものである。
左図、週足ベースでは上昇を示唆している。根拠は以下3点である。
①MACDがマイナス水準
②スローストキャスティクスが5付近と売られすぎ水準
③MACD、ストキャスともにゴールデンクロスを形成
上記3点から、オシレーターは売られ過ぎ、トレンド系のMACDは反転を示唆しており、週足からは上昇する可能性は高いと言えるだろう。
上昇となった場合、レジスタンスラインとなる2022/2/21の安値、1,536円までの戻りが達成できるかが本格的な上昇トレンドに繋がるキープライスとなるか注目したい。
一方で、日足ベースに目線を変えると、オシレーターは逆に買われ過ぎを示唆しており、短期的には調整も想定しておく必要があるかもしれない。
根拠は以下3点である。
①スローストキャスティクスが80付近と買われすぎ水準
②スローストキャスティクス、デッドクロス形成
③レンジ上限で反発からの続落
上記3点から、短期的な調整が起こった場合、下落する価格の目安は、直近安値付近となる2022/6/13の807円となろうか。
日足ベースでは下落となるが、807円で反発し、その後の上昇で1,536円を目指すというシナリオである。
(2022/7/21 午後9:00時点)
・銘柄別価格前日比(%)
社内データより作成
7/21の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は-0.47%、中央値は-0.80%、標準偏差は1.69%となった。
最大上昇銘柄はMONA/JPYの3.16%、最大下落銘柄はIOST/JPYの-2.38%。
最大上昇銘柄のMONA/JPYは、71円(ピボットポイント・S1、日足一目均衡表・基準線、転換線、日足5日移動平均付近)で反発。78円(日足21日移動平均、日足一目均衡表・雲上限付近)まで上昇した。
最大下落銘柄のIOST/JPYは、1.6円(ピボットポイント・S1付近)を下限、1.8円(日足5日移動平均付近)を上限とする横ばいが続いた。
・24時間ボラティリティ(%)
社内データより作成
7/21の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は6.75%、中央値は6.53%、標準偏差は2.36%となった。
最もボラティリティが高かった銘柄はETC/JPYで11.80%。
一方、最もボラティリティの低かった銘柄はZPG/JPYで1.72%となった。
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