BTC(ビットコイン)価格上昇も、厳しい下落相場?反転のカギは包み足にあり?!

Daily Market Report 2022/7/20

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現在のBTCの週足

BTC/JPY 週足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
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上図は、2020年6月中旬から現在までのBTC/JPYの週足チャートである。

足元の状況を確認すると、BTC/JPYは290万円付近を推移している。また、トレンドの転換を示唆するといわれている、ヘッドアンドショルダー(三尊天井、上図黄色矢印)を上図のスパンで形成している。
(※ヘッドアンドショルダーとは、高値圏でみられるチャート形状の一つで、3つの山を示し、真ん中の山が一番高くなる形のことを指す。この形状は、上昇相場が終わり、近いうちに下降相場に入ることを示すとされている。)

BTCは直近1カ月にて下値を固めつつあるように見える。

その一方で、BTCは年初来40%以上も下落していることを考慮すると、2020年10月の約110万円を起点とした、7週連続陽線(上図丸部分)を伴った長期上昇トレンドを全て打ち消す悲観的シナリオも想定しておく必要があるかもしれない。

そこで、今回は、過去においてトレンドが転換するときのチャートにはどのような特徴があるのかを考察する。

まず、2017年のビットコインバブルから、2018年にビットコインバブルが崩壊し、その後トレンドが転換した2019年初頭のチャート(下図の白枠1)と、2021年5月のCoinbaseがNASDAQに上場した時期をピークとし、その後トレンドが転換した2021年7月頃のチャート(下図の白枠2)を参考に一例を出したい。

BTC/JPY 週足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

<1の拡大図>

BTC/JPY 週足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、2017年5月から2019年9月にかけてのBTC/JPYの週足チャートである。

一連の流れを振り返ると、2017年12月が天井(226万円)となり下落。

下降トレンドに入った後、2018年の冬から2019年初頭までレンジを形成し(上図四角部分)、2019年4月にレンジブレイクし、上昇トレンドへと転じている。

次に、上方トレンド転換となったシグナルを探るため、上図の四角部分を拡大する。

ここで注視したいのが、上図丸部分の3か所で発生している包み足(はらみ足ともいう)だ。

包み足とは、1本目のロウソク足の高値または安値を、次の足の終値が完全に超えている状態を指す。

さらに言えば、1本目のロウソク足の逆側のヒゲ(今回の場合は下ヒゲ)を、2本目のロウソク足の下ヒゲでカバーできていればなお強い形といえる(短期足で見れば、そこでダブルボトム以上のボトム形成がなされているため)。

つまり、この期間では、下落後に一つ目の包み足が発生した後、底値を更新せずレンジになり、二つ目、三つ目の包み足が発生し、トレンドが発生していることがわかる。

<2の拡大図>

BTC/JPY 週足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、2020年12月から2021年8月にかけてのBTC/JPYの週足チャートである。

一連の流れを振り返ると、2021年の4/12週の高値(700万円)から5/17週にかけて、最大50%以上の下落(307万円)を記録した(上図黄色矢印)。その後2021年の7/26週までレンジ相場となり(上図四角部分)、2021年の8/2週にレンジブレイク(450万円)し、上昇していく流れになっている。

ここで注視したいのが、<1の拡大図>と同様、<2の拡大図>で白丸部分である。

これも包み足になっており、下ヒゲでボトムチェックをした後に反発し上昇している。

すなわち、週足レベルでレンジを組み、そこで包み足が出現すれば、底値付近だという可能性が高いと言えるかもしれない。

無論、包み足があれば絶対反転するというわけでもなく、他にも反転しやすいチャートパターンはあるので、底値付近で必ず包み足が見られるというわけではないため注意されたい。

レンジを組む可能性がある価格帯

BTC/JPY 週足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

では、レンジを組む可能性がある箇所を3つ挙げる。

1つ目は、上図A部分。これは、2017年のバブルの高値(約220万円)を下値のサポートラインとするレンジ想定である。これは、現在形成されつつあるレンジに匹敵する。

2つ目は、上図B部分。これは、2019年の高値(約150万円)を下値のサポートラインとするレンジ想定である。

3つ目は、上図C部分。これは、本レポート冒頭に述べた、7連続陽線という強い上昇の始値の約110万円まで下落し、全戻しした場合のレンジ想定である。

Aの想定が否定されればB、Bの想定が否定されればCと柔軟に見方を変えていきたい。

上昇時に出現した包み足

次に、上げ相場における包み足でも確認してみる。

BTC/JPY 週足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、<2の拡大図>である。

上図の2020年12月から2021年8月の期間では先述の通り、一週間で最大約40%の下落を記録した(上図黄色矢印)。

この40%規模の下落時においても包み足は発生している(上図白丸部分)。

上昇、下落どちらのシナリオを想定するにしても、“レンジを組んだ後の包み足”は注目してもよいのではないだろうか。

(7/20 午前9:00時点)

銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

7/19の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は7.47%、中央値は6.84%、標準偏差は4.46%となった。

最大上昇銘柄はXEM/JPY20.29%、最小上昇銘柄はZPG/JPY0.19%

最大上昇銘柄のXEM/JPYは、7/13に4.8円台で底値を付けて以降上昇を続けている。

BTC/JPYが7/20の0時頃レンジを抜け、ブレイクしたタイミングでXEM/JPYも大きく反応し、7/3に急騰した価格とほぼ同じである7.8円台まで上昇した。

5月に4.6円台につけて以来、底堅く推移しており、底値を上げ上昇を続けるか注目したい。

最小上昇銘柄のZPG/JPYは、暗号資産市場が大きく変動する中、金相場への連動を目標としているZPG/JPYに大きな動きは見られなかった。

24時間ボラティリティ(%)

社内データより作成

7/19の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は10.27%、中央値は8.62%、標準偏差は7.56%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はXEM/JPY38.55%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はZPG/JPY1.03%となった。

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2022-07-20
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