QTUM(クアンタム)・一目均衡表分析:大勢売りで一段落、もみ合い放れは米CPI次第か?
Daily Market Report 2022/7/13
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本稿では、QTUM(クアンタム)について、一目均衡表を用いて分析する。
・370円を相場水準とする底値もみ合い形成、放れは米CPI次第か
図1. QTUM/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
QTUM(クアンタム)のチャート・価格情報はこちら
図1は、QTUM/JPY日足チャートに一目均衡表(基準線期間:13日、遅行スパン期間:13日、転換線期間:9日、先行スパン2期間:52日)を設定した図(期間:2022/4~現在)である。
現在のQTUM/JPYは370円付近での価格推移となっているが、一目均衡表の雲が上部に覆いかぶさっており、300円へ下落する可能性が高まりつつありそうだ。
一方で、本日は米国のCPI(消費者物価指数)の発表が予定されており、前年比9%を超えるような結果となれば、ドル買い需要から暗号資産は一段安となる展開も想定しておく必要がある。
もっとも、市場は高いCPIを相当程度織り込んだ可能性もあり、結果の如何を問わず、指数の発表とともにドル売り(ドルロングの手じまい)、暗号資産の買戻し(ショートカバー)が巻き起こる可能性も持っておきたいところか。
<テクニカル面> :大勢売りで一段落、もみ合いは下放れが無難?
[注目点]
①:遅行スパン(26)と基準線(26)が同水準であること
②:7/9に先行スパン2(52)で戻したこと
①: 遅行スパン(26)と基準線(26)が同水準であること
遅行スパン(26)と基準線(26)は、370円付近で同水準。また、遅行スパン(26)は同水準で一定とした場合に、6/21足で相場実線から放れる見込みとなる。
この状況からは、遅行スパンの6/16から6/21(6日間)のいずれかが26日間もみ合いの起点となり、7/11から7/16(遅行スパン同様の期間)の間に、相場実線が370円(基準線、26日間の半値水準)から大きく放れる展開が考えられる。
その理由は、基準線(半値水準)が押し戻しやスイングのポイントとなる傾向があることと、もみ合い放れのポイントは基本数値になるケースが多いためである。今回の場合、基本数値は「26」(遅行スパンと基準線の設定値)となる。
但し、実線と遅行スパンが6/16に触れた後、転換線(9)と基準線(26)の位置関係が「転換線(9)>基準線(26)>実線」の状況からすると、「実線>転換線(9)>基準線(26)」(上げ相場)又は「実線<転換線(9)<基準線(26)」(下げ相場)が成立するまでは、26日間もみ合い放れの検討期間となるだろう。
②: 7/9に先行スパン2(52)で戻したこと
相場実線は、7/9に先行スパン2(52)で戻した。
これは、52日間の大勢売りによって、相場実線が一段下げたことを意味している。また、一目均衡表の雲は下降雲を形成中であることから、相場実線が下落の勢いから脱出できていないことを描画している。
つまり、短期勢需給は長期勢に敵わず、下落が継続すると考える方が無難となる。①で述べた370円をスイングローする場合、26日間レンジの下限となる300円が次なる目標値となる。
以上①・②より、テクニカル面からは、370円を相場出発点に300円を試す展開を想定することになるだろう。
<ファンダメンタル面>:米CPI発表、追加利上げの決意は
[注目ニュース]
Ⓐ:米CPIは「非常に高い」水準が予想される―大統領報道官
“米大統領報道官は、6月の米消費者物価指数(CPI)について、ガソリンと商品を含む全体の数字が「非常に高い」水準になる”(7/12 Broombergより引用)との見通しを明らかにした。
7/13の日本時間午後9時半に発表される同指標(CPI)[前月比]*の市場予想は+1.1%増となっている。商品・エネルギー価格の高騰が米経済のインフレを高進させるとの見方が強い場合は、7/28に控えた米連邦公開市場委員会(FOMC)で持続的かつ大幅な利上げを思惑とするドルの需要増加が考えられる。
発表時間に向けた市場の動きによっては、暗号資産市場はドル需要増加により上値圧迫される可能性もあるだろう。また、発表後は(思惑通りに進む場合)セル・ザ・ファクト的な動きも見られるかもしれない。
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Ⓑ:ロシアの侵攻が為替変動高める、日米が適切に協力-財務相声明
“来日したイエレン米財務長官は12日、東京都内で鈴木俊一財務相と会談した後、米国が買い支えの介入を支持する考えはないことを示唆した。”(7/12 Bloombergより引用)
7/12の円相場は、鈴木俊一財務相とイエレン米財務省長官が同日午後の会談で「為替の問題について適切に協力する」(7/12 日本経済新聞)と声明を発表したことで円買いが高進したものの、介入については協議しなかったとして、上昇一服した。
イエレン氏が円買い支えの介入を支持する考えがないという示唆を受け、日本時間は(再び)日銀の大規模金融緩和が当面継続の見方や、日米金利差の拡大を意識された展開となる可能性もある。
以上Ⓐ・Ⓑの場合、暗号資産市場は、日本時間はドル高・円安のギクシャクする流れで、ロンドン時間から米CPI発表の午後9時半まではドル需要増加が圧迫要因として意識される可能性もあるだろう。
このようなニュース等は、370円を相場水準とし底値もみ合い形成となっているQTUMのみならず、暗号資産市場の価格に影響するので、注目が必要である。
(7/12 午後10:00時点)
・銘柄別価格前日比(%)
社内データより作成
7/12の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は-4.21%、中央値は-4.05%、標準偏差は2.12%となった。
最小下落銘柄はTRX/JPYの-1.11%、最大下落銘柄はXTZ/JPYの-10.75%。
最小下落銘柄のTRX/JPYは、レンジ下限で支えられる形となり、揉み合いを継続した。他のほとんどの暗号資産は直近安値を更新していったため、当社取扱銘柄の内では最小下落となった。
最大下落銘柄のXTZ/JPYは、前々日まで他の暗号資産と比べると下落率が低かったため、ここで大幅下落となった。他の暗号資産と比べると、まだ下値余地がある可能性もあるか。
・24時間 ボラティリティ(%)
社内データより作成
7/12の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は5.67%、中央値は5.31%、標準偏差は2.00%となった。
最もボラティリティが高かった銘柄はXTZ/JPYで11.91%。
一方、最もボラティリティの低かった銘柄はTRX/JPYで2.50%となった。
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