IOST(アイオーエスティー)、注目すべきプロジェクトは?

Daily Market Report 2022/7/11

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IOSTについて

IOSTとは、ブロックチェーン技術を様々なサービスに活用できるようにすることを目指した暗号資産であり、大きな特徴は次の3つである。

① PoB(Proof of Believability)を採用
スケーラビリティ問題を解決
③ 様々なDapps(分散型アプリケーション)の開発が行いやすい

今回は、IOSTに注目し、過去のニュースから価格変動を見ていく。

IOSTに関するニュースと価格変動

IOST/JPY 週足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
IOST(アイオーエスティー)のチャート・価格情報はこちら

上図は、IOST/JPYの週足チャート(期間:2020/12/28~現在)にニュースを記したものである。Dappsの開発がしやすいというIOSTの特徴もあり、NFT関連のニュースが多い。

以下、各概要と解説である。

・Polkadotと提携。クロスチェーンの相互運用性を飛躍的に向上させ、クロスチェーンブリッジのテストネットを正常に完了と報告(2021/3/5 IOST財団HP)
クロスチェーンとは、異なるブロックチェーン間を跨ぐこと、またその技術を指す。クロスチェーンが実装されると、ユーザーは面倒な操作やスマートコントラクトを移行したりする必要がなくなるため、前向きなニュースではないだろうか。

・国内の医療データ共有プロジェクトで、IOSTブロックチェーンの技術を活用、PHR※の導入に向けての第1フェーズを終了(2021/3/22 PRTIMES)
※PHRとは、Personal Health Recordの略で、個人が管理できる医療データのこと。

2020/6/8に発表されていたプロジェクト「プラクス」は、医療業界でブロックチェーンを活用し、データのプライバシーや医療情報交換などの信頼性と機密性を保証するなどさまざまなことが期待されている。

精密医療および患者ケアにおけるデータ管理のためのブロックチェーンテクノロジーの研究開発が今後数年間で増加し、2025年までに16億ユーロを超えると予測されている。成長が見込まれるプロジェクトであるため、IOSTホルダーのみならず、市場参加者からの関心も高いのではないだろうか。

・NFT マーケットプレイス「Revival」が IOST ブロックチェーンで正式にスタート(2021/7/21 PR TIMES)
Revival は IOST 上の最初のマルチチェーンNFTマーケットプレイスである。IOSTの革新的な技術により、超高速で実質的に手数料のかからないトランザクションを提供し、技術やブロックチェーンの専門知識を必要としないシームレスなユーザー体験を実現する。それにより、アーティストは自分が最も得意とする素晴らしいアートの創造に集中することができる。

初のマルチチェーンNFTマーケットプレイスという点が上昇要因となったものと考えられる。

・総合格闘技連盟 RIZIN が提供するスポーツ NFT に IOST ブロックチェーンを採用(2021/8/26 PR TIMES)
NFTマーケットプレイス「RIZIN FIGHTING COLLECTION」は試合のハイライトやベストショットを収録したNFTを購入し、コレクションやトレーディングを楽しむことができるデジタルトレーディングサービスである。トランザクション手数料の優位性と低コスト開発の観点からIOSTが採用された。

このニュースについて、格闘家である朝倉未来選手のIOSTに関するツイート(4/14)に1.8万もの「いいね」がつき、注目を集めた。

・パレットトークン開発のHashpaletteとIOSTが戦略的提携(2021/9/28 CoinPost)
ブロックチェーン「パレット」の開発を行う株式会社Hashpaletteは、IOST財団と戦略的パートナーシップを締結し、今後共同でネットワークの運営など行うことを発表。特にIP(知的財産)分野で拡大を図り、両方のブロックチェーンのエコシステムの成長を加速させていくと説明している。また、異なるブロックチェーン間の互換性を作る「クロスチェーン」についても検討。先述のPolkadotとの提携と同様、前向きなニュースと捉えることができるのではないだろうか。

・ウォレット内蔵の新しいNFTマーケットプレイス『tomonity』が IOSTブロックチェーンを採⽤、事前ユーザー登録で限定NFTを付与(2022/3/17 CoinPost)
tomonityは、本来ユーザー側に発⽣するトランザクション(取引)にかかる費⽤をサービス提供側が負担することが売りのNFTマーケットプレイスである。トランザクションの処理速度、柔軟性の観点からIOSTを採用。また、NFTアイテムを扱うブロックチェーンゲームを運営するサービスプロバイダーにtomonityが開発するゲームAPIを提供することにより、ゲーム内でNFTのトレード売買が可能となる。

tomonityへの期待とIOSTの需要が増え、価格上昇に繋がったともいえるのではないだろうか。

・「Project Entroverse」のローンチを発表(2022/3/31 IOST財団HP)
当プロジェクトの目的は、より大きなエコシステムの相互接続されたビルディングブロックとして機能する未来を創造することのようだ。イーサリアムとそのネットワークでのDappsの流行を利用して、IOSTエコシステムを強化することを目指し、これにより、強力で説得力のある相互運用可能なブロックチェーンネットワークに近づけることを目的としている。

振り返ると前向きなニュースが多いが、IOSTも米連邦準備理事会(FRB)による急速な金融引締めやテラUSD(UST)に見られるステーブルコインへの不安感などの要因による暗号資産全体の下落に相関した。

しかし、注目すべき点は3月末~4月上旬である(上図黄色部分)。

Tradingviewより当社作成

上図は、2022/1/1を起点とする当社取り扱い銘柄の騰落率を表した比較チャートである。
関連レポート:Daily Market Report 2022/6/28「下落相場の中、強さを見せたTRX(トロン)。その背景と今後の動きは?」

3月末~4月上旬は、BTCは年初来水準±0%付近だが、IOSTは約+25%と強さを見せている。それ以降は暗号資産市場全体と相関を持つように下落したが、この強さの要因は、上記ニュースでも触れたように医療プロジェクトのプラクスEntroverseの影響とも考えられる。

現在のIOSTの価格は2021/6以来の安値水準の1.5円付近を推移しているが、今後この2つのプロジェクトの進捗によっては他通貨が年初来騰落率-60%で推移している中、年初来騰落率-25%と、他通貨と逆相関する動きを見せたTRXのような強さを、IOSTも見せるかもしれない。

(7/11 午前7:00時点)

銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

7/10の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は-3.27%、中央値は-3.09%、標準偏差は1.73%となった。

最大上昇銘柄はXTZ/JPY0.35%、最大下落銘柄はXLM/JPY-5.53%

最大上昇銘柄のXTZ/JPYは、他の暗号資産が下落調整局面に入っている中、未だ上昇トレンドを継続しており、日足前回高値である225.5円ラインを推移している。

最大下落銘柄のXLM/JPYは、昨日から日足レベルで高値を切り下げつつ下落していたが、安値の更新はできておらず、今月7/8から再度高値を切り下げて下落。1時間足レベルのレジスタンス14円付近のラインを目指して下落した。

24時間ボラティリティ(%)

社内データより作成

7/10の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は6.47%、中央値は6.59%、標準偏差は1.86%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はXRP/JPY10.40%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はMONA/JPY2.02%となった。

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2022-07-11
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