米国株、銅と高い相関を見せるBTC。高い相関が続くと…
Daily Market Report 2022/7/7
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CoinGecko、The Wall Street Journalより当社作成
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上図は、2020/12/1から2022/7/3におけるBTC/USD(左軸)と米国政策金利誘導目標(右軸)の推移だ。
BTCは2021/11に一時約67,000ドルを記録しながらも、年末には46,000ドル台まで下落し、今年に入っても20,000ドル台まで下落するなど軟調な推移を見せている。
特に、今年の2回目となる5/5及び3回目となる6/16の金利引き上げによる影響は大きく、6/19には終値で2020/12/16以来となる20,000ドルを割る展開となり、その後も現在に至るまで20,000ドル台の攻防が繰り広げられている状況だ。
主な下落の要因としては、米国においてFRB(連邦準備理事会)による繰り返しの利上げにもかかわらず高インフレに歯止めがかからない現在の状況下において、投資家がリスク資産を売却する流れとなっていることが影響しているとみられているようだ。
一方、かねてよりナスダックやS&P500等の米国株価指数はBTCと連動性の高いと指摘されているが、現在の状況においても同様だろうか。
本稿では、現在の状況においてBTCと連動性の高い金融商品を分析する。
・BTC/USDと主要米国株価指数の相関係数
CoinGecko、Nasdaq、The Wall Street Journalより当社作成
上図は、2022/5/2から2022/7/6におけるBTC/USDと米国株価指数の相関係数の30営業日推移(青=ナスダック、紫=S&P500、緑=ダウ平均株価)だ。
図より、BTCと米国株価指数は5/2と6/11に相関関係が大幅に下落したケースがあったものの、現在はおよそ0.8と、回復状況にあるといえるだろう。
とはいえ、BTCと米国株価指数の相関係数は、高い時期では0.9を超える期間もあり、現在BTCはナスダックとの相関関係がやや落ち込み始めているものの、米国株価指数の価格推移がBTCと高い連動性は未だ高いといえるだろう。
・BTC/USDと貴金属先物の相関係数
CoinGecko、Nasdaqより当社作成
続いて、BTCと貴金属の相関関係について紹介したい。
上図は、CMEの貴金属先物(中心限月)とBTCの30営業日相関関係の推移(黄色=金先物、茶色=銅先物、白=パラジウム先物)だが、特筆すべき貴金属は銅だろう。
6/13頃には相関係数が大きく下落しているが、この動きも前項で取り上げた米国株価指数とBTCの相関関係に似ており、その期間を除くと比較的高い相関で推移している。
銅はたびたびBTCとの連動性が注目される事があるが、30営業日における相関係数は現在約0.9と高水準であり、5月以降の推移も他の米国株価指数と遜色ない状況だ。
もちろん、相関関係の高さはあくまで価格の連動性にしか影響を及ぼさず、価格の上昇に繋がるわけではないものの、銅先物の価格や材料を把握しておくことはよいかもしれない。
なお、パラジウムも一時高い相関関係を維持していたが、5月には相関関係がマイナスとなっている期間もあり、現在は下落傾向にある事から、BTCとの相関関係が必ずしも高いとはいえないだろう。
・長期目線での相関係数について
今回挙げた事例は全て30営業日での相関係数であるが、最後に、長期的な相関係数における連動性についても確認しておきたい。
CoinGecko、Nasdaq、The Wall Street Journalより当社作成
上図は、BTC/USDの価格推移(左軸)、BTCと米国株価指数およびCME銅先物の100営業日相関係数(右軸 緑=ダウ平均株価、紫=S&P500、青=ナスダック、茶色=銅先物)だ。
過去2020/5~2021/5に1年ほど相関係数が高まった際、BTC価格は最初の半年近く横ばいぎみに推移していたが、その後は急上昇した。
2021/6頃になると相関関係が崩れると共にBTC価格は下落したが、この時期は中国におけるBTCのマイニングが禁止され、暗号資産市場が大きな逆風を受けたタイミングと重なる。
その後は、中国のマイニングプールが米国、カザフスタンを始めとした国外でのマイニング活動を再開した事により、2021/10以降にかけて再度相関係数が高まると共に、BTC価格は上昇する事となった。
現在は2021/4以来となるBTCと米国株価指数や銅先物との相関関係の高まりを見せているものの、三者ともに下落傾向にある。
これには、米国の政策金利の引き上げが影響し、より低リスク資産に注目が集まると共に、暗号資産市場、株式市場、先物市場の価格が揃って下落している事が理由かもしれない。
米国の金利引き上げが長期的に見込まれる事から、現在約270万円となっているBTCは今後米国株価指数と相関係数は高いまま長期的に推移する見込みはあるものの、下落相場は長期にわたって持続する可能性もあるかもしれない。
(7/6 午後7:00時点)
・銘柄別価格前日比(%)
社内データより作成
7/6の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は-0.15%、中央値は0.00%、標準偏差は1.17%となった。
最大上昇銘柄はXTZ/JPYの2.21%、最大下落銘柄はBAT/JPYの-3.22%。
最大上昇銘柄のXTZ/JPYは短期上昇トレンドを形成しており、1時間足前回高値209円付近まで上昇した。
最大下落銘柄のBAT/JPYは1時間足レベルの押し目買い勢力が利益を確定させ始め、値を落としたが、安値56.8円をつけた後、3.4%ほど上昇した59円付近を推移している。
・24時間ボラティリティ(%)
社内データより作成
7/6の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は4.74%、中央値は4.33%、標準偏差は1.37%となった。
最もボラティリティが高かった銘柄はIOST/JPYで7.33%。
一方、最もボラティリティの低かった銘柄はMONA/JPYで1.29%となった。
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