XRP(リップル)、実は不安材料が少ない!?

Daily Market Report 2022/7/5

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“LUNAショック”以降も暗号資産への投資熱は衰えず

defillama.comより当社作成

上図は、2021/1~現在までのステーブルコインとDeFi市場規模を表すTVL(※)の時価総額推移を表したものである。
※TVL=Total value lockedの略であり、イーサリアムネットワーク等の分散型金融であるDeFi市場に預けられて(ロックされて)いる暗号資産の時価総額

5月はUST(LUNA)のディペグを発端としたLUNAショックと呼ばれる、暗号資産全体の急落によりDeFi市場はバブルが崩壊するように急激に縮小し、わずか数日でTVLは1,000億ドル近くの時価総額を失い半減した。

また、DeFiに深く関連しているETH(イーサリアム)は2022/5高値から現在に至るまで60%近くも下落しており、暗号資産市場全体は弱気相場に位置していると捉えられるだろう。

一方で、米ドルに価格が連動するように設計されたステーブルコインの時価総額は、TVLの時価総額と比べると堅調な推移をしている。

暗号資産市場から資金が抜ける際には、投資家はステーブルコインを法定通貨(米ドル)に換金する動きがあるため、暗号資産市場内で資金を待機させる役割を担っているステーブルコインの発行量(時価総額)は減少すると考えられる。

しかし、足元でのステーブルコインの時価総額はDeFi市場を上回る約1,500億ドルと2021/12の水準を維持しており、減少幅は比較的少ないと判断できるだろう。

従って、暗号資産市場に対する潜在的な投資熱は未だ健在であるといえそうだ。

BTC、ETHよりも狙い目はXRPか!?

defillama.com及び当社データより作成

上図は、2022/5/1を100としたBTC、ETH、XRPの価格と、TVLの時価総額の騰落推移を表したものである。

DeFi市場と関わりの強いETHは、TVLと併せて大きく下落しており、上記指数は40を割り込んでいる。

一方で、XRPは55付近と、暗号資産の中での安全資産とされるBTCを上回っており相対的に底堅い価格推移となっている。

5月以降の暗号資産急落とDeFi市場を紐づけて考察すると、相対的に弱いETHと相対的に強いBTC、XRPという構図が見えてきそうだ。

DeFiと”連れ安”になりにくいXRP

etherscan.io、oinmarketcap.com及びdefillama.comより当社作成
※は概算値

上表は、ETH、BTC、XRPそれぞれの総発行量に対してどの程度の割合がDeFi市場に紐づけられているかを表したものである。

なお、BTCとXRPの同割合は、イーサリアムブロックチェーン内でBTCやXRPと同等の価値を有するwBTC(ラップドビットコイン)、wXRP(ラップドリップル)の総発行量とみなし計算している。
wBTC 、wXRP:他のブロックチェーンで使用できるように元の暗号資産の価値とペッグさせたトークンのこと

ETHがDeFi市場に紐づけられている割合は約35%とであり、依然としてETHはDeFi市場と密接な関係があると言える。

また、wBTCは約1.3%と低く映るが、BTCの流動性を考慮(例えば、BTC総発行量に対して直近3カ月で取引されたBTCはわずか全体の約17%)するとDefi市場がBTCに及ぼす影響は無視できないだろう。

その一方で、wXRPの割合は約0.03%であり、DeFi市場との関連性は相対的に薄いと判断できそうだ。この割合の低さは、5月以降の暗号資産の急落局面でXRPの価格下落が限定的となった要因とも考えられようか。

「5、6月の下値固め→上昇」となるか

XRP/JPY 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
XRP(リップル)のチャート・価格情報はこちら

上図は、XRP/JPYの日足チャート(2022/3~)である。

DeFi市場との関連性は相対的に薄いXRP/JPYは5月のLUNAショック、6月のBTC2万ドル割れといった悲観的な相場環境の中であっても40円付近で下値を固めており、これから上昇に転じる見方もできるだろう。

このため、短期的には下落幅を取り戻すような上昇シナリオが期待されようか。

一方で、DeFi市場との関連性が相対的に薄いXRPはWeb3やDAOの文脈とは正反対の位置にあることが、今後どのように評価されてくるのかに注目したい。

つまり、XRPは中央集権的な暗号資産であることにより、LUNAショックにみる下落からは遠い位置にあったものの、市場の関心の高い非中央的な分散型自立組織の暗号資産が注目される流れが強くなれば、XRPが蚊帳の外になるリスクは否定できないだろう。

中長期目線ではSEC(米国証券取引委員会)と闘争中のXRP有価証券問題(裁判)の進展や、毎年11月頃にあるRippleSwell開催等のファンダメンタルズ材料にも目を配りたい。

(7/5 午前5:00時点)

銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

7/4の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は2.64%、中央値は2.50%、標準偏差は2.54%となった。

最大上昇銘柄はENJ/JPY8.61%、最大下落銘柄はXEM/JPY-3.35%

最大上昇銘柄のENJ/JPYは70円に迫る価格帯まで回復。80円付近のレジスタンスラインが次の目標か。

最大下落銘柄のXEM/JPYは、昨日も9.8%下落となっており、独歩安の展開。

24時間ボラティリティ(%)

社内データより作成

7/4の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は6.54%、中央値は6.45%、標準偏差は2.18%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はENJ/JPY10.86%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はMONA/JPY2.24%となった。

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2022-07-05
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