The Merge アップデートに一歩近づいたETH(イーサリアム)。今後の展開は?

Daily Market Report 2022/7/1

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ETH(イーサリアム)を取り巻く材料

6/23のレポート(Daily Market Report 2022/6/23「”氷河”で遠のく大規模アップデート。ETH(イーサリアム)に待ち受ける未来は…」参照)で記載した Gray Glacierアップデートが無事実装された(7/1 Coinpost)。

このアップデートにより難易度爆弾(ディフィカルティボム)の起動がおよそ3か月延期されることとなり、最短で9月、遅くとも予定通り年内にメインネットでThe Mergeが実施される可能性が高まったと考えられるだろう。

ETH/JPY 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
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上図は、前回のArrow Glacier実装後のETH/JPYの日足チャートの値動きである(2021/12/1~12/31)。上図を確認すると大きな値動きは生じなかったことから、今回もGray Glacierアップデート自体が材料となることはないと考えられる。

しかしながら、The Mergeアップデートは「PoS(プルーフオブステーク)」への移行という大きなアップデートなので値動きに影響を与える可能性も考えられる。

そのため追加のGlacierアップデートが行われる可能性など、今後のアップデートの進捗には注意を向けたい。

今回は、そんなETH(イーサリアム)の今後の展開を足元の指標を参考にしながら考察する。

安全資産への逃避

6/30 21:30発表の米5月PCEコアデフレーター(変動の大きい食品とエネルギーを除いた個人消費支出)の前年比は、予想4.8%に対して4.7%とインフレのピークアウトを示唆する内容であったが、リセッションへの懸念から米国10年債利回りが一時3%を割り込むなど、リスク資産から安全資産への逃避の動きが見受けられる。

この動きがそのまま暗号資産市場に波及した場合、暗号資産から法定通貨への逃避はもちろん、暗号資産の代表であるビットコインに向けたアルトコインからの資金流出の動きが強まる可能性も想定したい。

TradingViewより当社作成

そこで、上図に今年2月から現在までのBTCドミナンスチャートを示し、過去の大きなリスクイベントとなった出来事をプロットした。

イベント発生後の値動きを確認すると、いずれもリスクイベント発生直後に価格が上昇していることがわかる。

上図は、暗号資産市場におけるBTCの占有率(=ドミナンス)を示しており、価格の上昇はBTCドミナンスの上昇と同義となる。

従って、リスクイベント時にはアルトコインからビットコインへの逃避の動きが強まったと解釈することも可能だろう。

ETH/BTC 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)

続いて、上図は5/1から現在までのETH/BTC 日足Bidチャートである。

5月上旬からはETH/BTCが下落、つまりETH安・BTC高が進行しており、相対的にETHよりもBTCが選好されていたことがわかる。

以上から今後のETHの長期的な展望としては、暗号資産から法定通貨への逃避、アルトコインからビットコインへの逃避の二点をいかに乗り越えるかがカギとなるだろう。

今後、The Mergeアップデートが実装されることでBTCやその他のアルトコインに対する独自性を打ち出すことが出来れば、ETHが選好されやすくなることも考えられるだろう。

その結果、ETHからBTCへの逃避についてはクリアできるかもしれない。

テクニカル分析

ETH/JPY 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、5/1から現在までのETH/JPYの日足チャートに25日移動平均線ボリンジャーバンド(±2σ)を図示したものだ。

直近の価格水準を確認すると、5日程連続して下落しているが、短期的にはボリンジャーバンド-2σと、短期反発局面の起点となった6/18の終値水準である125,000円が接近しており、同水準が一旦の下値目途となりそうか。

一方で、ここから反発に向かう場合には、ボリンジャーバンド+2σ水準である184,000円付近が意識されようか。

ただし、25日移動平均線が上方向の蓋をする形となっていることに加え、同水準に6/26高値(172,583円)が位置している点には注意したい。

同水準で頭を抑えられるようだと、反発力の弱さが意識され下げ相場が再開する可能性もあろう。

(7/1 午前4:00時点)

銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

6/30の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は-6.45%、中央値は-6.47%、標準偏差は1.85%となった。

最小下落銘柄はXLM/JPY-3.11%、最大下落銘柄はENJ/JPY-9.76%

最小下落銘柄のXLM/JPYは、14.901円でオープンした後下落を続け、19時台には安値13.778円をつけた。その後22時台には相場全体の下落に伴う形で急落する場面もあったが、その後は徐々に値を戻す形で推移し終値14.510円でクローズした。

最大下落銘柄のENJ/JPYは、71.161円でオープンした後、下落方向で推移、11時台に反発したかに思えたが、15時台の下落によって65円を下回り、22時台の下落によって安値61.297円をつけた。その後は再度反発する局面もあったが下落幅を回復するには至らず終値64.551円でクローズした。

24時間ボラティリティ(%)

社内データより作成

6/30の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は10.61%、中央値は10.20%、標準偏差は2.05%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はENJ/JPY15.40%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はMONA/JPY6.66%となった。

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2022-07-01
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