下落が一服した今こそ見たいRSIランキング:BCH(ビットコインキャッシュ)、本当の再起なるか

Daily Market Report 2022/6/27

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BTC、BCHのRSIが著しい低さを示す

6/26 RSI(14日間)ランキング
当社クローズレートMid(6/26 7:00算出)より作成(日足)

上表は、6/26 午前7時に算出した当社取扱銘柄のRSIランキングである。

RSI(Relative Strength Index:相対力指数)は相場の加熱感を示す指標の一つであり、50を基準とする0~100の値で表され、100へ近づくほど市場参加者が「買い」に傾き、0に近づけば「売り」へ傾いているとされる。

暗号資産市場は4月、5月の急落に続き、米国の金融市場を巡る思惑やロシア・ウクライナ情勢への警戒感から6月も下落して始まり、6/18には暗号資産の時価総額が17ヶ月ぶりに8,200億ドルを割った。

その後は売られ過ぎからの反発局面となり、6/24に再び9,000億ドル台を回復(Tradingview)するなど、先週は底堅さを示していた。

ランキングをみると、19銘柄中7銘柄がRSIの中間地点とされる50を上回っており、確かに暗号資産市場の悲観色は薄まりつつあるようだ。

一方で、BTC(ビットコイン)とBCH(ビットコインキャッシュ)は反発が弱く、RSIはともに30を下回った状態である。

BTCとBCHはこのまま反発が弱く、低迷が長くなるのか。あるいは、他の暗号資産と同様に戻りを試しに行く展開となるのか。

本日は最もRSIの低いBCHに注目して分析を実施する。

まず、足元のBTCを巡る主な強弱材料として次の2点が挙げられる。

(強材料)
米フィデリティ・インベストメンツが確定拠出年金を通じてBTC投資を提供し始めたこと(4/26 CoinPost)や、ゴールドマン・サックスが大手暗号資産取引所のFTXと協業しデリバティブ取引を導入するとの報道(6/1 CoinPost)

(弱材料)
米マイクロストラテジー社のビットコインが含み損となったこと(5/13 CoinPost)

強材料については、大手金融機関の暗号資産市場への参入が進んでいる点である。

2021年頃から、暗号資産市場においても機関投資家の資金の流入が進み、相場は大きく上昇する場面も見られた。

しかし、相場が下落に向かう際に暗号資産市場において高い流動性をもつBTCに売りが集中する傾向もあり、機関投資家の参入が足元の暴落の一要因としても見られている側面もある。

機関投資家の参入に関しては、参入後に暗号資産を保有することに対する上昇期待とともに、相場が下落し始めた際の売り圧力となる懸念も孕んでおり、手放しに喜べる材料とも言い難い。

そのため市場へのポジティブインパクトは限られているとも言えそうだ。

弱材料については、BTCを大量保有する大手企業の含み損である。

米マイクロストラテジー社は2020年からBTCの大量保有により金融市場で話題になるなど、BTC購入の先駆者ともいえる。

この企業が含み損を抱えたことによる市場心理悪化のほか、BTCを保有する他の企業やBTC建の投資信託、ニューヨーク州などのBTCでの給与受け取りを選択できる行政機関にとっても悪材料といえ、さらなる市場心理の悪化も織り込んでいるともいえそうだ。

一方、BCHはビットコインから分岐した暗号資産であるが、BCH固有の材料は先月通過したハードフォークのみで、際立った強弱材料はないといえそうだ。

また、RSI上位の銘柄について、時価総額に着目すると、BATやENJなど、BCHよりも時価総額の低いアルトコインがあり、XRPやDOTのような高い銘柄、ほぼ同等のLTCも存在しており、時価総額が選好要素とは考えづらいともいえる。

ハードフォーク銘柄については、XYMが2位であるほかETCも11位と決して避けられているとはいえない。

本当にBTCが軟調であることによる連れ安であるならば、今後、見直し買いの動きが起こりうる、上昇余地のある銘柄ともいえるため、注目する必要があるかもしれない。

次に、テクニカル分析の観点から今後の展開を考察する。

長期の流れはいまだベア相場

BCH/JPY 4時間足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、BCH/JPYの4時間足チャート(2022年6月~執筆時点)である。

現在のBCH/JPYの相場状況としては、今月17日に長期的に続いていた下落を止めた水準として、安値a(14,000円付近)を付けた。

その後価格を戻し、6/20に高値b(16,700円付近)をつけた。再度下落し、安値a(14,000円付近)を下抜けることなく6/26に安値c(14,700円付近)をつけた。

ここから4時間足目線では下落トレンドを継続しているものの、一旦は保ち合い相場を形成していることがわかる。

以上を踏まえて今回はテクニカルとして、ライン分析と移動平均線を用いて今後のシナリオを分析していく。

分析をするに当たって、以下の項目を描写し、考察する。

・チャネルα(安値a(14,000円付近)、高値b(16,700円ライン)、)
・赤色の10期間移動平均線(以下SMAと呼ぶ)
・日足の10SMAである、黄色の60SMA(10SMA×6時間(4時間の6倍))

<上昇シナリオ>価格は4時間足レベルで上昇トレンド確定、チャネルα上限を目指す。

BCH/JPY 4時間足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、XRP/JPYの4時間足チャートに上昇のシナリオ(点線ライン)を描画したものだ。

上昇シナリオとしては、チャネルαを意識しながら上昇し、高値b(16,700円付近)を上抜けることで4時間足レベルでの上昇トレンドが確定されるだろう。

加えて、10SMA、60SMAがゴールデンクロスし、下値をすくい上げるように推移してくる展開も想定されるか。

上昇の場合のターゲットポイントとしては、チャネルα上限(17,500円付近)を一旦の目処としたい。

気をつけたいのは、チャネル上限に到達した場合においても、上位足は下落のトレンドが継続されていることだ。

したがって、日足や週足レベルの戻り売りが出てくる可能性もあるため、下落には十分注意が必要となるだろう。

<下落シナリオ>価格は4時間足レベルで下落トレンド確定、週足前回安値13,000円ラインを目指す。

BCH/JPY 4時間足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、BCH/JPYの4時間足チャートに下落のシナリオ(点線黒矢印)を描画したものだ。

下落のシナリオとしては、チャネルαと安値c(14,700円付近)を下抜けて、4時間足レベルの下落トレンドが確定されるだろう。

10SMA、60SMAが交わることなく60SMAが上に位置したままで下落することで、日足や週足レベルでの売り圧力が継続する展開だろうか。

下落の場合のターゲットポイントとしては、週足の前回安値13,000円ラインをいったんの目処としたいところか。

(6/27 午前4:00時点)

銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

6/26の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は-1.02%、中央値は-0.67%、標準偏差は2.15%となった。

最大上昇銘柄はETC/JPY4.29%、最大下落銘柄はENJ/JPY-5.79%

最大上昇銘柄のETC/JPYは、6/21から意識されていた高値2,240円のラインを27日の午前5時半ごろに大きくブレイクし、値を伸ばした。

最大下落銘柄のENJ/JPYは、6/19から続く上昇トレンドが一旦調整を迎え、下落している。昨日の午前4時につけた82.5円の高値から、7%下落した76円付近を推移している。

24時間ボラティリティ(%)

社内データより作成

6/26の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は6.46%、中央値は7.00%、標準偏差は2.18%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はETC/JPY10.67%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はMONA/JPY2.18%となった。

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2022-06-27
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