QTUM(クアンタム)、189円がキーポイント

Daily Market Report 2022/6/24

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BTCとQTUMの騰落率(2022年度)を比較

騰落率(当社クローズレートより作成)

上図は、2022年1月からのBTC/JPYとQTUM/JPY(レバレッジ取引)の騰落率をグラフにして比較したものである。

2022年1月当初は同程度の下落率だったが、2月に入るとQTUM/JPYの下落率の方が大きくなり、6/22時点でBTC/JPYは-50%、QTUM/JPYは-63%の下落となった。

次のグラフでこの下落に対する投資家たちの動きを探ってみよう。

現物保有高の増減

JVCEA統計情報(https://jvcea.or.jp/about/statistics/)より当社作成

上図は、日本暗号資産取引業協会(JVCEA)が発表している利用者現物保有状況の推移をグラフ化したものである。

2021年2月からBTCとQTUMの保有高の推移を見てみると、2021年2月から2022年2月まではBTCとQTUMの保有高の増減は概ね同じ動きであり、BTCの保有高が増えるとQTUMも増え、BTCの保有高が減少するとQTUMの保有高も減少している。

その関係が変わったのが2022年3月以降である。BTCの保有高が減少している一方でQTUMの保有高が増加した。この背景には何があるのだろうか?

価格と現物保有高

JVCEA統計情報(https://jvcea.or.jp/about/statistics/)及び当社クローズレートより当社作成

上図のグラフは、QTUM現物保有高にQTUM/JPYの当社月末レートを表示させたものである。

2021年からの推移で分かるように、価格が安い時に現物保有高が増加し、高くなった時に現物保有高は減少する傾向が顕著に表れている。

つまり、2022年3月以降、QTUMの保有がBTCと逆の動きとなったのは、2021年12月から2022年4月にかけて価格が下落したことにより、投資家が押し目買いの好機と捉えたための買いが背景にありそうだ。

さて、そんなQTUMの値動きをテクニカルチャートから分析してみよう。

フィボナッチ・リトレースメントによる分析

QTUM/JPY 週足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
QTUM(クアンタム)のチャート・価格情報はこちら

上図は、QTUM/JPYの週足チャートに2020/12/21の安値189.677円と2021/5/3の高値3,598.038円を結んで、描画ツールにあるフィボナッチ・リトレースメントボリンジャーバンド(±2σ)を反映させたものである。

<現状>

2021年11月にフィボナッチ・リトレースメントの紫のライン(50.0%:1,893円)で上抜けに失敗してから下落基調が続いている。

2022年1月にはフィボナッチ・リトレースメントの赤のライン(23.6%:994円)も下抜けた。2月と3月に反発を見せる局面もあったが、赤のラインを上抜けることはできず、再び下落している。

<下落シナリオ>:189円を割り込み二桁台へ陥落

上下ともにキーポイントとなるのはフィボナッチ・リトレースメントの白のライン(0.0%:189円)であろう。この価格帯は2020年以来の価格水準となる。

下落シナリオにおいては、189円が直近のターゲットプライスとなり、この価格帯を割り込むと、2020年の安値となる72円台も見えてきそうだ。

週足の形状からは下落トレンドが進む弱いチャート形状となっており、反発局面となるには、500円の回復が必要となろうか。このレベルを回復できないようであれば、戻り売りのスタンスが効果的となる可能性が高くなるかもしれない。

<上昇シナリオ>:189円で反発し900円台を目指す

前述のとおり、フィボナッチ・リトレースメントの白のライン(0.0%:189円)は、下落シナリオにおける直近のターゲットプライスとなるが、それと同時にサポートラインとして機能する可能性をよりどころにするのが上昇シナリオとなる。

現状、ボリンジャーバンドをみると、バンド下限となる2σ付近まで下落しており、基調は弱い。ただし、前回、2σにタッチした2022年1月には短期的な反発から1000円まで戻しており、今回も上昇の足掛かりとなる可能性は否定できないだろう。

一方、ファンダメンタルズに目を転じてみると、QTUMは、2022/8/1頃に、ブロック高2,080,512到達に伴い、Taprootやシュノア署名を実装するためのハードフォーク実施を予定している。

これが、QTUMの再評価につながるような状況となれば、テクニカルに加えて反発のきっかけとなる可能性も出てくるかもしれないため、引き続き注目していきたいところだ。

(6/23 午後8:00時点)

銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

6/23の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は2.56%、中央値は3.40%、標準偏差は2.24%となった。

最大上昇銘柄はENJ/JPY9.21%、最大下落銘柄はTRX/JPY-1.71%

最大上昇銘柄のENJ/JPYは、62.079円でオープンし、9時頃に10円近い上げ幅で上昇。高値71.462円をつけた。その後は、64円台の水準まで戻す場面もあったものの概ね高値圏で推移し、68.753円でクローズした。

最大下落銘柄のTRX/JPYは、8.503円でオープンした後、小幅な値動きで推移。24日午前3時に安値8.191円をつけ、そのまま反転し8.422円でクローズした。スローストキャスティクス(1時間足)は50付近を示しており、方向感の見えない相場となっている。

24時間ボラティリティ(%)

社内データより作成

6/23の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は6.47%、中央値は7.25%、標準偏差は3.30%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はENJ/JPY15.58%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はXRP/JPY3.48%となった。

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2022-06-24
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