XTZ(テゾス)、221円付近が今後の鍵か
Daily Market Report 2022/6/21
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今回のレポートは前回レポート(Daily Market Report 2022/5/11「サポートラインブレイクのXTZ(テゾス)、次のターゲットプライスは?」参照)の結果を振り返りつつ、最新の市場環境を織り込んで新たにシナリオをアップデートしていく。
前回のレポートでは以下のシナリオを考察した。
・上昇シナリオ(ターゲットプライス①307.5円 ②545.0円)
スローストキャスティクスとボリンジャーバンド下限で反発する
・下落シナリオ(ターゲットプライス①221.703円 ②154.078円 ③91.315円)
サポートラインがレジスタンスラインとなる
現在、XTZ/JPYの価格は190円付近を推移していることから、「下落シナリオ」が進行していると解釈できそうだ。
前回のレポートから外部環境も大きく変化しており、グローバルに広がるインフレリスク、とりわけ米国の状況は、経済の悪化とインフレが同時に進むスタグフレーション懸念となっている。
FOMC(連邦公開市場委員会)は6月に0.75%の利上げを決定し、インフレ退治へのスタンスを鮮明にしたが、これが株価の下落速度を高めることにつながっているようだ。
暗号資産においても米国を中心とした株価の下落の影響を受けるとともに、暗号資産固有の悪材料も健在化している。
テラUSD(UST)に見られるステーブルコインの信認の低下やstETH(DeFiプロトコルでETHをステーキングすることで入手できる債権トークン)の価格低下など、暗号資産市場全体への下押し要因の一つとなった可能性も考えられる。
このようにファンダメンタルズにおいては、株式市場のみならず暗号資産市場にもアゲインストの風が吹いている状況ではあるが、昨今の下落が行き過ぎではないのかと冷静に考える視点も重要であり、本稿もテクニカル分析に注目して上下シナリオを分析する。
・下落シナリオの予想と結果
XTZ/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
XTZ(テゾス)のチャート・価格情報はこちら
上図は、XTZ/JPYの日足チャート(期間:2020/12/10~現在)に前回レポートの下落シナリオを模したものである。
前回の下落シナリオの要点は以下の3つであった。
1.サポートラインがレジスタンスラインへ
2.移動平均線(25日、75日、200日)
3.ターゲットプライスは①221.703円 ②154.078円 ③91.315円
それぞれの要点を振り返り、結果をまとめてみる。
1.サポートラインがレジスタンスラインへ(上図ピンク丸部分)
このサポートライン(白線)は週足チャートの2020/3/9の安値を起点としたラインである。過去に何度も反発している(上図白丸)ことから、同ラインは強力なサポートラインとして機能していた。
このため、一度ブレイクされたサポートラインは反対に強力なレジスタンスとして機能してくることを想定した。
結果、上図ピンク丸部分からの値動きは一度もレジスタンスラインを上回ることが出来ず、強力なレジスタンスとして機能していることが確認できる。
2.移動平均線(25日、75日、200日)
移動平均線(25日、75日、200日)3本が順に下向きになっており、パーフェクトオーダーが形成していた点から、日足目線では下落が続くことを想定した。
結果、下落が進み、依然としてパーフェクトオーダーを形成中である。
3.ターゲットプライスは①221.703円 ②154.078円 ③91.315円
ターゲットプライスはそれぞれサポートラインで反発している点である①221.703円②154.078円③91.315円と設定していた。
結果、①221.703円は達成し、②154.078円目前で下げ止まっている状態である。
221円で反発としたが、実際は反発がなく184円と予想を上回る下落となった。
以上の結果を踏まえ、今後の値動きについて考察していく。
<下落シナリオ> パーフェクトオーダーで続落
XTZ/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
上図は、XTZ/JPYの日足チャート(期間:2020/12/10~現在)に単純移動平均線(25日、75日、200日)を反映させたものである。
下落シナリオは先述の続きであり、上述のとおり221円が引き続きレジスタンスとして機能することを想定し、下落トレンドが継続すると仮定して展開する。
今回の下落シナリオの要点は以下の3つである。
1.221円がレジスタンスに
2.移動平均線(25日、75日、200日)のパーフェクトオーダー
3.ターゲットプライスは①154.078円 ②91.315円
1.221円がレジスタンスに
一つのサポートラインだった221円がブレイクされたことから、221円のラインはサポートラインからレジスタンスラインへとして機能するのではないかと推測することもできるだろう。そうなった場合、下落の要因として挙げることができるのではないだろうか。
2.移動平均線(25日、75日、200日)のパーフェクトオーダー
前回のレポートに引き続き、移動平均線(25日、75日、200日)でパーフェクトオーダーを形成している。このことから続落の可能性もあるのではないだろうか。
3.ターゲットプライスは①154.078円 ②91.315円
以上2点から下落となった場合のターゲットプライスは、それぞれサポートラインで反発している点である①154.078円②91.315円と設定する。
①154.078円をブレイクした場合、②91.315円までサポートが見当たらないため、急落に注意したいところだろう。
以上のことから下落シナリオを想定したが、他のテクニカルや週足から考えると上昇の可能性も出てくることになるだろう。
<上昇シナリオ> オシレーターのMTF分析
週足Bidチャート(左図)日足Bidチャート(右図)(当社取引ツールより作成)
上:XTZ/JPY価格
中:MACD(12,26,9)
下:スローストキャスティクス(14,3,3)
上図は、XTZ/JPYのチャートであり、左は週足(期間:2021/11/1~現在)、右は日足(期間:2022/5/12~現在)のそれぞれにMACD(12,26,9)とスローストキャスティクス(14,3,3)を反映させたものである。
根拠を強くするためにMTF分析(※)を用いた。
※MTF分析とはマルチタイムフレーム分析の略。異なる時間軸のチャートを用いて、上位足環境から下位足環境の方向性を分析する手法。
上昇シナリオの要点は以下の2つである。
1.週足、日足の4つのオシレーターが上昇目線
2.ターゲットプライスは①221円 ②320円付近
1.週足、日足の4つのオシレーターが上昇目線
4つのオシレーターとは、週足のMACDとスローストキャスティクス、日足のMACDとスローストキャスティクスのことである。一つずつ解説していく。
前提知識として、一般にMACDからは相場のピークや強弱、トレンド転換点などが推測でき、スローストキャスティクスからは「売られ過ぎ」「買われ過ぎ」がわかるとされている。
①週足のMACD
MACD線(黄線)とシグナル線(青線)が-50付近とマイナス圏に位置し、緩やかに推移していることから、下げ止まりを示唆。そしてわずかだが、ヒストグラムのダイバージェンス(上図緑部分)が確認できる。
このことからトレンド転換のサインなのではないかと推測することができよう。ダイバージェンスの後はMACD線とシグナル線のクロスが起こりやすいので、今後そのクロスが起こるかにも注目したい。
②週足のスローストキャスティクス
売られすぎの水準に位置しているため、上昇目線の要因として挙げた。しかし、戻りのタイミング(20ラインへ回帰)ではないことが懸念点となろう。
③日足のMACD
週足同様、マイナス圏に位置することから大幅な下落よりも上昇要因と考えた。また、マイナス圏でのゴールデンクロス目前という点も上昇要因といえるのではないだろうか。
④日足のスローストキャスティクス
週足同様、売られすぎ水準に位置している。こちらは戻りのタイミングを連想させるような動きである。さらに、売られすぎ圏内でのゴールデンクロスが確認できる。
①②③④の以上4点をまとめると、上位足環境(週足)と下位足環境(日足)の方向性が同じであることがわかるだろう。
このことから今後のXTZ/JPYは短期的な反発局面となるのではないだろうか。
2.ターゲットプライスは①221円 ②320円付近
先述の4点から上昇となった場合、ターゲットプライスは①221円 ②320円付近と設定する。①221円は下落シナリオでレジスタンスになると推測したラインである。
そしてそこをブレイクした場合はその上のレジスタンスライン(白線)の②320円付近を目指すという展開である。
下落シナリオ、上昇シナリオともに221円付近の値動きが鍵となりそうだ。
(6/21 午前5:00時点)
・銘柄別価格前日比(%)
社内データより作成
6/20の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は0.65%、中央値は1.82%、標準偏差は2.93%となった。
最大上昇銘柄はBAT/JPYの5.03%、最大下落銘柄はLTC/JPYの-4.34%。
最大上昇銘柄はBAT/JPYは、4時間足の雲上限(45.1円)でオープンした。その後、三役好転となり19時台には51.7円まで上昇したが、レジスタンス帯で反発し47.4円で終えた。スローストキャスティクス(14,3,3)は80での戻りとなっている。
最大下落銘柄はLTC/JPYは、前日のような勢いはなく、9時台に4.2%下落するとその後は軟調な動きとなった。4時間足の雲上限がサポートとなっているようだ。こちらもスローストキャスティクス(14,3,3)は80での戻りとなっている。
・24時間ボラティリティ(%)
社内データより作成
6/20の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は9.60%、中央値は9.70%、標準偏差は3.00%となった。
最もボラティリティが高かった銘柄はBAT/JPYで15.03%。
一方、最もボラティリティの低かった銘柄はTRX/JPYで5.05%となった。
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