ビットコイン(BTC)大ピンチ。持ち直すことができるのか?

Daily Market Report 2022/6/16

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当社取扱い15銘柄の騰落率

騰落率ランキング(期間2022/6/5 – 2022/6/11)
当社クローズレート(Bid)より作成

上図は、先週1週間(2022/6/5~2022/6/11)における当社取扱い銘柄の騰落率のランキングである。

マイナス10%を超える大幅な下落に見舞われた銘柄もある中、先週時点のBTCは-2.26%となんとか持ちこたえていた。

しかし、6/13に約370万円をつけた後に下値を切り下げ、6/14には一時約270万円に下落するなど大幅に値を下げた。

昨日のFOMC(米連邦公開市場委員会)では75bpと大幅な利上げを実施した米国であるが、いったんの材料出尽くし感からか株価は反発している。ひとまず安心感は広がったようであり、暗号資産全般にも買戻しが入る状況となっているといえるだろう。

BTC/JPYも昨日は一時270万円を割り込む場面があったものの、現在は290~300万円付近を推移している。

ただし、米国の利上げは継続する可能性が高く、じわじわと実体経済に影響を及ぼすことが考えられ、そうなるとリスク資産、とりわけ株価の上昇期待は大きく萎む展開が想定しやすくなる。

こうした展開になると短期はともかく、年内は暗号資産、BTCの反発も難しくなろうが、一方で昨日の米国株反発に見られるように、利上げに対する投資家の耐性も増してくることも考慮に入れておきたい。

このような状況でBTCは今後どのような動きになっていくのか注目しておきたい。

本稿ではBTCの今回の大幅下落の要因を考察しつつ、今後のシナリオを想定してみる。

BTCに起こった出来事

暗号資産市場は一体なぜここまで大幅な下落が起こったのか。

まずは、過去のメイントピックを確認し、市場状況を振り返ってみる。

BTCは2021/11に史上最高値である770万円付近に到達した後に下落。途中反発などしつつも、2022/1には400万円付近まで下落してしまった。

ロシアによるウクライナ侵攻や、米国金利上昇等の金融市場を揺るがす出来事がある中、BTCは健闘し2022/3末には430万円付近から580万円台まで復帰。

その後も、2022/5冒頭までは500万円付近で揉み合う状況が続いた。

しかし、5/9に状況が一変する。

時価総額10位以内に位置していたUST(現:USTC)がディペッグを起こし、5/13には前代未聞の大幅下落を記録。

好材料が乏しいこともあり、暗号資産市場は一気に弱気ムードに転換。5/10にBTCは400万円を割り、5/12には一時320万円台を付けた。

そこから360~410万円のレンジでしばらく揉み合うが、6/13に300万円を割る。

その大きな要因としては、以下の3点が考えられるだろう。

①軟調相場が続き、大規模なレバレッジ取引のポジション清算(ロスカット)
②暗号資産レンディング大手の出金停止
③米国金利利上げ発表前のリスク回避

①に関しては、大幅な価格の上下でロング、ショートともに大規模なロスカットが発生した。

割合的にはロングが多いため、反対売買で売りが売りを呼ぶ状況となり価格が大幅に下がったと考えられるだろう。

②は「極端な市場」を理由に、暗号資産レンディング大手が顧客財産の出金停止を発表したことが、投資家心理としてマイナスに働きかけたと考えられる。

年利最大17%を謳う同サービスは、運用先サービスのハッキング被害と、DeFiプロトコルでETHをステーキングすることで入手できる債券トークン「stETH」の相対価格下落によりキャッシュフローが悪化したとみられる。

今回のサービス停止に加え、①の要因で市場参加者の心理状況の悪化につながったと考えられよう。

③はFOMCが従来の3倍となる0.75%の利上げに踏み切るのではとの観測が強まっており、米株市場を中心に売りが膨らんでいるようだ。

それに連れられる形で、暗号資産市場も下落。軟調な相場も相まって米株市場と同じく売りが膨らんだのではないだろうか。

はたしてここが底値となり復調するのか。

最後に上昇・下落のシナリオを記載する。

<上昇シナリオ>売られすぎラインからの反発

BTC/JPY 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
BTC(ビットコイン)のチャート・価格情報はこちら

6/16、10時現在の価格は300万円前半で、RSI(14日)で見ると大幅な下落が発生した6/13から30%を割り込んでいる状態が続いている(上図 白丸)。

RSIは一般的に30%を下回った場合は「売られすぎ」、70%を上回った場合は「買われすぎ」と判断されるため、市場参加者は割安感を感じていると言えるかもしれない。

事実、6/13には反発し上ヒゲをつける場面もあった。

短期的な反発を見込んだ断続的な買いが入り、下値を切り上げることができれば価格は落ち着きを取り戻してくるだろう。この場合、5月下旬のレンジ360~400万円まで復帰することが考えられるだろう。

<下落シナリオ>まだまだ続く悲観ムード

BTC/JPY 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、2022/3/20~現在までのチャートに、高値・安値のライン(緑線)を引いたものである。

現在の価格300万円台前半は、2021/1初頭の水準であり、1年6カ月ぶりの安値となる。

この頃の価格を見ると200万円付近がレジスタンスとなっており、150~200万円付近で2カ月ほど揉み合っていた。

順調に下値を切り下げていることから、このまま好材料が無い状態が続く場合は1年6カ月ぶりの低水準から悲観ムードがしばらく続くこと視野に入れておくことも必要かもしれない。

下値を切り下げていった場合、250万円でサポートされなければ2020/12頃の200万円前後でもみ合っていた水準まで下落する可能性も考えられるだろう。

(6/16 午前10:00時点)

銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

6/15の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は8.57%、中央値は6.12%、標準偏差は7.51%となった。

最大上昇銘柄はBAT/JPY26.48%、最大下落銘柄はMONA/JPY-0.29%

最大上昇銘柄のBAT/JPYは、午前11時頃に34円をつけた後、反発。日本時間午前3時の米連邦公開市場委員会(FOMC)の影響により他銘柄同様大きく変動し、勢いを落とすことなく47円に上昇。6/10から続いた下落を大きく戻す格好となった。

最大下落銘柄のMONA/JPYは、午後8時頃に63円台まで下落。その後市場全体の上昇に合わせる形で反発するも、流動性が乏しく、大きな変動は見られなかった。

24時間ボラティリティ(%)

社内データより作成

6/15の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は15.08%、中央値は14.23%、標準偏差は4.72%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はBAT/JPY25.84%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はMONA/JPY8.47%となった。

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2022-06-16
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