底値模索中のETH(イーサリアム)~トレンド転換シグナルを探せ~

Daily Market Report 2022/6/15

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底値模索が続く展開

ETH/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
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上図は、2022/3/21から現在までのETH/JPYの日足チャートにサポートラインを線画したものである。

足元の状況を確認すると、ETH/JPYは5/12から6/10まで続いていた20万円~30万円台のレンジ(上図白枠)を下振れ、10万円台で推移するところまで陥落した。

まず、5月中旬にテラ(LUNA)暴落による暗号資産市場全体のショックから22万円台まで下落したが、その後一旦反発の動きが強まり6/10頃まで22万円~28万円のレンジで推移していた。

しかし、6/10に発表された米インフレ率(CPI)が市場予想の8.3%を上回る8.6%と発表されると、インフレ再加速への懸念が高まり米国主要3指数が揃って5%程度の急落となり、リスクオフムードが高まることとなった。

リスクアセットである暗号資産市場にも影響が波及し、ETH/JPYでは、直近のサポートラインである21万6000円を下抜けした。

それに加えて、DeFi市場ではstETHという、ETHをレンディングプラットフォームでステーキングすることで、1:1の割合で発行されるトークンにその割合が崩れるディペッグが生じた。

次いで、暗号資産レンディングにおいて大きなシェアを持つ、セルシウスネットワークが出金を停止するとの発表を行った(6/13 CoinPost)。

暗号資産市場全体が動揺する中、渦中のETHは特に下落が強く一時14万円台まで下値を拡大した。

本稿では、下落色の強まるETH/JPYについて、テクニカル指標を用いて今後のシナリオを考察していく。

<下落シナリオ>:パーフェクトオーダーの出現

ETH/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、2022/1/17から現在までのETH/JPYの日足チャートに単純移動平均線(10日、50日、100日)を線画したものである。

3種類の単純移動平均線(10日、50日、100日)は、それぞれ短期のトレーダー、中期のトレーダー、長期のトレーダーとして取引動向の参考とする。

移動平均線がそれぞれ下向きとなっていることから、しばらく下降トレンドが続く可能性が高いとみられること、また、上から長期(黄色)>中期(青色)>短期(オレンジ色)の順に並んでいることから、下落のパーフェクトオーダーが発生していることがわかる。

パーフェクトオーダーとは、100日→50日→10日の順番のように長期から短期にかけて移動平均線が順番どおりに並ぶことを指し、発生時には依然として相場が弱気であり、すべての時間軸のトレーダーが下目線であることを表す。

トレンドを確認する際にパーフェクトオーダーが支持される理由として、ある一定期間の平均値を使用することから、一般的には目先の大きな上下の値動きにあまり影響されることがなく、価格の方向性が上昇又は下落方向なのかを視覚的にわかりやすくなることが挙げられる。

したがって、この場合、下落相場が長きにわたって継続するシナリオが予想されるだろう。

また、直近では2022/5/24に中期移動平均線が長期移動平均線を上から下へ突き抜けるデッドクロスが発生しており、価格の下落を後押しする材料となる可能性もある。(上図 白丸)

ここから更に下落が続く可能性もあるため、引き続き価格動向に注意が必要といえるだろう。

<上昇シナリオ>:ダイバージェンスの発生

ETH/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、2022/1/17から現在までのETH/JPYの日足チャートにRSI(14,終値)を表示したものである。

RSIは、一般的に逆張りの目安として使われており、70%~80%を超えると買われ過ぎ、反対に20%~30%を割り込むと売られ過ぎと判断されるが、現在RSIは12%前後となっており、日々割安感を強めているといえよう。

上昇シナリオは、RSI(14 ,終値)の下値切り上げを強気シグナルと捉え、100日移動平均線を突破し、上値を追求していくシナリオである。

テクニカル面ではETH/JPYの割安感は顕著に現れていることに加え、「Ropsten」テストネットで大型アップグレード「The Merge」の実装が完了した。

これにより、イーサリアムのテストネット上でプルーフ・オブ・ステーク(PoS)の導入が成功しており、年内に予定されているメインネットでのアップグレードに対し期待感が高まる可能性もあろう。

目先に好材料となるイベントが控えていることと、テクニカル面から、割安買いの好機と捉え、これから買い勢力が強まれば、下落状態から反発し、強固な上昇シグナルが点灯するかもしれない。

(6/14 午後8:30時点)

銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

6/14の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は-2.98%、中央値は-2.80%、標準偏差は2.94%となった。

最大上昇銘柄はLTC/JPY1.84%、最大下落銘柄はXTZ/JPY-9.35%

最大上昇銘柄のLTC/JPYは、市場全体の下落に伴い午前11時頃、5,300円台で底をつけた後、反発。6,000円付近の上値で維持する展開となった。

最大下落銘柄のXTZ/JPYは、午前7時頃から大きく下落し、他銘柄と同様午前11時頃に底をつき反発するも、上値が重たく下落トレンドが続いた。

24時間ボラティリティ(%)

社内データより作成

6/14の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は13.48%、中央値は14.05%、標準偏差は2.96%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はENJ/JPY19.29%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はMONA/JPY6.01%となった。

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2022-06-15
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