レンジ下限を突破したBTC(ビットコイン)。300万円を割れた後、本日の値動きが方向性を決める重要な局面か
Daily Market Report 2022/6/14
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・これまでの値動き
BTC/JPY 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
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上図は、5/13から現在までの日足BTC/JPYチャートに、前々回のレポート(Daily Market Report 2022/5/16「週末の動きから読みとくBTC(ビットコイン)」参照)で設定したレンジ上限・下限を描画したものである。
①レンジ上限:5/13の高値399万円の水平ライン
②レンジ下限:5/13の安値361万円の水平ライン
前回のレポート(Daily Market Report 2022/6/10「BTC(ビットコイン)レンジ上放れを示唆か?3月安値422万円に注目」参照)では、レンジ上放れを想定したが、6/10の米国CPIの結果を受けて金融市場は売りで反応、ビットコインも例にもれず下落し、レンジを下放れした300万円近辺をさまよう形となっている。
その後、本日6/14の朝方には300万円をあっさり割り込み、11時時点では280万円まで強く売り込まれている状況だ。
280万円は2021年1月以来の水準であり、米国株式の大幅な下落を受けてビットコインも下落幅を拡大している。
本稿では、こうした相場展開のもと、前回設定したシナリオを修正し、今後の展開を考察する。
・現在の価格水準
BTC/JPY 週足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
上図は、BTC/JPY 週足 Bidチャートに2021/5/19の安値315万円の水平線を描画したものである。過去の下落局面では、①2021/6/22、②2021/7/20、③2022/5/12の3回この水準まで下落した局面があった。
直近の2022/5/12の下落を振り返ると、UST(テラUSD)、LUNA(テラ)に関連して暗号資産市場全体が急落しFUD相場(※)に発展した。その結果、安値328万円をつけたのが図表③の下落である。
※Fear, Uncertainty, and Doubt(不安、疑念、不審)」の略
図表③の下落では懸念が最高潮に達した際に安値を付け、その後急速に値戻しをしたが、今回はCPIの発表後から時間をかけて下落しているように見えたが、一昨日からの下落によって、下値模索となる展開が濃厚になってきたといえるだろう。
本日も反発がなく、300~315万円の水準を確実に割り込んだ場合、その下には目立ったサポートが存在しないことから急速に下落する可能性にも注意したい。
・テクニカル(ボリンジャーバンド、RSI)
BTC/JPY 8時間足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
上図は、BTC/JPY 8時間足チャートにボリンジャーバンド(2.0,20,終値)、RSI(14,終値)を適用したものである。
ボリンジャーバンドを確認すると、バンドウォーク状態(バンドの上限下限に沿って価格が移動すること。強いトレンドを示唆するとされる)であることがわかる。
続いて、RSI(買われすぎ、売られすぎを測る指標で、一般的に75を超えると買われすぎ、25を下回ると売られすぎとされる)を確認してみると、25以下と売られすぎを示唆する水準にある。
以上のことからテクニカル面では、ボリンジャーバンドからは下落が示唆され、RSIからは上昇が示唆される形となろう。
・まとめ(上昇シナリオ、下落シナリオ)
今回の想定のまとめは以下の通り。
<上昇シナリオ>
ⅰ300~315万円のサポートライン水準にあること(本日、300万円に戻れるかがカギ)
ⅱRSIは売られすぎを示唆していること
これらが上昇シナリオを支えるポイントとなろうか。特にRSIは25を下回っており、一旦の反発も視野に入れておきたい。その場合はひとまずレンジ下限の361万円の水準への復帰が目標と考えられるだろう。
<下落シナリオ>
ⅰ2021年1月の水準まで下落していること
ⅱボリンジャーバンドがバンドウォーク状態にあること
これらが下落シナリオを支えるポイントとなろうか。特にファンダメンタルズは他の金融市場も下落で反応しているため、今後の動向に注目したい。下落シナリオの場合は節目となる250万円でサポートされるかに注目しておきたい。
(6/14 午前11:00時点)
・銘柄別価格前日比(%)
社内データより作成
6/13の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は-12.38%、中央値は-12.47%、標準偏差は3.32%となった。
最小下落銘柄はMONA/JPYの-5.55%、最大下落銘柄はETC/JPYの-17.39%。
リスクオフの動きから、6/13の当社取扱い銘柄は全面安となった。
最小下落銘柄のMONA/JPYは、4日続けて下落。
午前8時過ぎに移動平均線を抜けて、段階的に下落。午後6時頃には70円を割り、67円を付けた。
最大下落銘柄のETC/JPYは、7日連続の大幅下落。
目立った材料はないものの、連日下落基調で推移し、午後4時過ぎには5/12の安値を下回り、2,000円を割る展開となった。
その後1,800円台まで落ち込むと、一旦下落は収まり、揉み合いながら1,900円台半ばまで徐々に値を戻した。しかし、大きな下げを取り戻す上げ幅には至らなかった。
・24時間ボラティリティ(%)
社内データより作成
6/13の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は19.89%、中央値は20.32%、標準偏差は4.48%となった。
最もボラティリティが高かった銘柄はETC/JPYで27.89%。
一方、最もボラティリティの低かった銘柄はMONA/JPYで7.33%となった。
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