XLM(ステラ・ルーメン)、20円回復の成否が今後のポイントか

Daily Market Report 2022/6/8

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アルトコイン銘柄の中でも特に強い戻りに

CoinMarketCap (https://coinmarketcap.com/)より当社作成
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上図は、2022/1/1から執筆時点までのXLM/JPY(ステラ・ルーメン)の出来高と終値を表したもの(図1)と、5/9(始値)~6/6(終値)での当社取り扱い銘柄の騰落率(/JPY)ランキング(図2)である。

図1に記載のとおり、5月半ばにはUST(TerraUSD)でのディペッグ発生に伴うLUNA(テラ)の暴落により、暗号資産市場全体が下落してXLMも出来高を伴い急落した。

ショックに対する反応一巡後、XLMの出来高は直近半年間における低水準である200億円程度(上図1 黄色破線)まで落ち込み、価格は16円台を中心に上値の重い展開が続いていた。

そうした低調な動きを続ける中、送金サービス大手のマネーグラム・インターナショナルとステラ開発財団が提携し、USDC(USDコイン)送金プラットフォームを構築するとの報道(5/31 CoinTelegraph)が好感されたのか、報道前後を境に価格を切り返す動きがやや強まっている印象を受ける。

直近の動きを見てみると、上図2のランキングのとおり、当社取扱銘柄のうちXLMはBTCに次いで上昇しており、アルトコインの中では最も戻りが強い状況であることがわかる。

ランキング1位であるBTCは暗号資産の代表であり、時価総額や流動性において他銘柄に大きく水をあけており、暗号資産市場の中では信用度が高い。そのため、暗号資産市場内での資金の循環においては信用度の面から選好されやすく、アルトコインから抜ける資金の受け皿として機能すると考えられ、強い戻りを見せたと推測できるだろう。

次に、ランキング2位であるXLMは、前述のニュースの影響からか出来高が5月半ばの下落以後の水準の2倍程度まで急増し、値ごろ感から買いも入りやすい状況から価格も上昇に転じている。(上図1 棒グラフ参照)

暗号資産市場全体でのネガティブ材料への反応が一巡し次の材料待ちとなる中、ポジティブな独自材料が見られたことがXLMの戻りに繋がったと考えられそうだ。

暗号資産市場全体が落ち込む中でもミクロで見れば強い動きを見せる銘柄もあり、個別に影響を与えるファンダメンタルズ要素に関しても重要視する必要がありそうだ。

次にXLMの値動きについて、上昇、下落のシナリオについてテクニカル面から整理する。

<上昇シナリオ>20円の節目回復で一段高へ

XLM/JPY 週足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、2021年10月からのXLM/JPYの週足チャートにレジスタンスライン(上図 黄色実線)、52週単純移動平均線フィボナッチリトレースメント(2021/11/8―2022/5/9 下落)を描画したチャートである。

上昇シナリオは、2021/11/8週高値と2022/3/28週高値を結んだレジスタンスラインを突破し、一段高となるシナリオである。

直近では、5/30週に大陽線を描き、6週連続陰線の下落の流れを断ち切ったが、上述のレジスタンスラインに上値を阻まれており、一旦伸び悩みを見せている。

執筆週(6/6)のローソク足で、レジスタンスライン以上の水準に浮上することが出来れば、目先の心理的節目である20円を突破する可能性も高くなろうか。

20円は5/9週に明確に下方ブレイクするまで、2022年内の週足終値で下回ることが一度のみであり、サポートとして意識されていた水準と考えられる。

 そのため、日柄を重ねることなく20円をしっかりと回復することが、上方向に対する安心材料の一つとなろう。

その後は20円台で値固めをこなしながら、38.2%戻し水準の26.46円や半値戻し水準の30.62円を目指す展開となろうか。

仮に、30円台まで上昇することが出来れば、52週移動平均線も上方ブレイクすることとなり、長期視点でも上方向へバイアスがかかりやすい相場となろう。

この場合、年初来高値33.83円を更新し、続伸する値動きになることを想定しておきたい。

<下落シナリオ>日足一目均衡表・雲下限に阻まれ再下落へ

XLM/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、XLM /JPYの日足チャートに一目均衡表を描画したチャートである。

下落シナリオは、下降を描く一目均衡表・雲下限に沿って上値が抑えられ、下落相場に巻き戻るシナリオである。

現在、日足では一旦下げ止まり、

・遅行線>ローソク足
・転換線>基準線

と2点の好転が発生している。

しかし、ここから雲下限に上値を阻まれ伸び悩む場合、下落の値幅次第では目先の数日間で感応度の高い短期線である転換線が下降に転じ、遅行線もローソク足を下回る水準へ突入する可能性もあるだろう。

その場合、好転状態が崩れ、場合によっては三役逆転状態に巻き戻ることとなり、強く下落が示唆されるチャート形状へ回帰することも考えらえる。

ここで直近の値動きを確認すると、15円を底として一旦は下げ止まったようだが、上昇後は節目の20円に達するどころか、終値で19円すら維持することができておらず、上値の重さも意識される状況と言えるだろう。

雲下限に上値が阻まれることで、5月以降のレンジ上限(19円付近)で跳ね返される格好ともなる。

それにより上がり目がないと判断されれば、一転して下値模索の値動きになる可能性もあろう。

この場合、15円のブレイクを目指した値動きになることにまず警戒をしたい。

15円が陥落した場合には、5/12安値の13円や節目の10円を意識した下落相場が続くことを視野に入れておくことも必要かもしれない。

(6/7 午後9:00時点)

銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

6/7の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は0.50%、中央値は0.23%、標準偏差は1.74%となった。

最大上昇銘柄はXTZ/JPY4.59%、最大下落銘柄はETC/JPY-1.90%。

最大上昇銘柄のXTZ/JPYは、前日に続いて大幅高となった。

スローストキャスティクスが80付近(日足)と買われすぎ水準でオープンし、その後下落した。しかし、15時台には5/10以降の高値をつけた。

安値を切り上げ、三角保合いを形成(日足)しているようにも捉えることができ、相場が煮詰まっている場面といえるかもしれない。

最大下落銘柄のETC/JPYは、反落。

日中は8%近い急落となったが、夜間に力強い戻りをみせ、下げ幅の6割以上を取り戻して引けた。ETCに目立った強弱材料はないものの、6月以降、2,800円付近で買い支えられる動きが続いている。

24時間ボラティリティ(%)

社内データより作成

6/7の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は8.51%、中央値は8.24%、標準偏差は1.91%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はOMG/JPY12.09%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はMONA/JPY3.88%となった。

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2022-06-08
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