大型アップグレードを経たLTC(ライトコイン)は強弱混在?

Daily Market Report 2022/6/6

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プライバシー強化「MimbleWinble」は強弱混在か

LTC/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
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上図は、2022/3/3~2022/6/5のLTC/JPYの日足チャートである。

上図の通り、LTC/JPYはロシアを発端とした国際情勢と米国の金融政策の影響を受けているが、これは他のリスク資産でも概ね同様である。

今回は、LTC個別のファンダメンタルズである、プライバシー強化のためのアップグレード「MimbleWinble」に注目したい。

「MimbleWinble」は取引金額を公開しない「機密取引」や、複数の取引データを混ぜ合わせるミキシング技術「CoinJoin」など、取引のプライバシー保護を目的としたプロトコルである(2/1 CoinPost)。

一方で、LTCのプライバシー強化については、KYC(本人確認)とAML(マネーロンダリング対策)に影響するとされ、5/23には韓国取引所2社から取引者へ警告が行われている(5/23 COINTELEGRAPH)。

今回のアップグレードはユーザー側が導入を決定できる「オプトイン」方式をとっており、ライトコイン開発者も規制への配慮からオプトインを選んだと述べているものの、韓国の取引所では過去に、同様の警告後に上場廃止を決定した歴史がある。

現在、 LTCの対KRW(韓国ウォン)取引シェアは1.9%程度を占めている(6/6 9:45 Cryptocompare)。

仮に規制された場合には取引シェアと同程度の売り圧力が発生すると考えられることや、諸外国の取引所による取引警告の追随を懸念した下落も想定されるため、警戒しておきたい。

足元では、5/24の下落時に5/12につけた月間安値を下回っておらず、その後も下値を切り上げており、黄矢印のような上向きのトレンドラインの存在も示唆される。

他のアセットに目を向けると、5月末より米国株式市場におけるS&P500(S&P500種指数)の8週ぶり反発や、日本・中国のコロナ規制緩和など、リスクオフ後退のファンダメンタルズも相次いでおり、今回のアップグレードの評価はもう少し時間が必要であるものの、LTCも悪材料一服したとする見方もできそうだ。

次にライン分析を用いて、今後の展開を想定する。

注目したい、2つの三角保ち合い

LTC/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図では、前項のLTC/JPYの日足チャートにトレンドライン(A)、(B)、(C)を引いている。

まず、(A)、(B)からみてみよう。

上方向のトレンドライン(A)(前項の黄矢印と同一)は、5/12安値(6,805.8円)から5/26安値(7,579.7円)にかけて引いたものであり、現在のLTC/JPYのサポートとして意識されているようだ。

下方向のトレンドライン(B)は5/18高値(9,556.3円)から6/1高値(9,008.3円)にかけて引いており、今後のLTC/JPYが上昇に向かううえでのレジスタンスとして示唆されるだろう。

これら(A)、(B)に形成された三角保ち合いについて、いずれは一方向にブレイクすると想定されるが、どちらに向かうことになるだろうか。

現在の暗号資産や株式市場のリスクオフ後退のように、戻り基調を形成している市場心理が持続するならば、黄矢印のように、上放れて10,000円台乗せを再び目指す展開も想定されることになろう。

一方で、LTCのアップグレードへの期待感が回収できておらず、本格的な事実売りが起きるとすれば、青矢印のように、6,805.8円割れを目指す動きも考えられるだろう。

次に(B)のレジスタンスを上放れた場合を考える。

(B)を抜けた場合に次に注目されるレジスタンスは(C)のトレンドラインといえる。

その場合は(A)、(C)に形成された三角保ち合いが考えられ、赤矢印のように(C)で反落しつつも(A)をサポートに切り上げる展開を想定しておきたい。

仮に黃矢印のように(C)を上抜けた場合には、節目となる価格帯の少なさから、(C)の16,347.9円を目指して大幅続伸する可能性も視野に入れておきたい。

一方、上昇継続の動きが失速し、(A)を割るようであれば、同じく青矢印のように6,805.8円に向けた下落が考えられ、あわせて警戒が必要だろう。

(6/6 午前5:00時点)

銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

6/5の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は0.96%、中央値は1.02%、標準偏差は1.77%となった。

最大上昇銘柄はXEM/JPY4.21%、最大下落銘柄はBCH/JPY-3.73%

最大上昇銘柄のXEM/JPYは、5/30以来の続伸となった。

朝方はボラタイルな動きで上昇後、下押したが、午後は底堅い動きで3日ぶりの高値圏に到達した。

今月のXEM/JPYは上値重くも下値も限られており、6/1につけた7円台前半の高値を上放れられるかが注目される。

最大下落銘柄のBCH/JPYは、ボラティリティも最大の銘柄となった。日中は約2%幅でレンジ推移していたが、午前1時からの1時間で最大約8%の急落が発生した。

特に明確な材料はなく、その後は買い戻される動きとなったものの、下落幅の6割近くを戻せなかった。

24時間ボラティリティ(%)

社内データより作成

6/5の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は4.43%、中央値は4.51%、標準偏差は1.59%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はBCH/JPY8.19%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はBTC/JPY2.41%となった。

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2022-06-06
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