ビットコイン(BTC)反発開始? 政府の援護射撃で400万円付近の底固めから
Daily Market Report 2022/6/2
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・当社取扱い15銘柄の騰落率
騰落率ランキング(期間2022/5/22 – 2022/5/28)
当社クローズレート(Bid)より作成
上図は、先週一週間(2022/5/22~2022/5/28)における当社取扱い銘柄の騰落率のランキングである。
イーサクラシック(ETC)を除く14銘柄が下落しており、ネム(XEM)とシンボル(XYM)は19%を超える大幅な下落となった。
時価総額1位のビットコイン(BTC)は底を打ったのか、-3.8%と下落幅は小さかったものの5月冒頭の高値510万円と比べると、5/28時点の価格は368万円と28%下落しており、5月は総じて軟調な相場だった。
今回は直近のニュースを、ビットコインのチャートとともに以下にまとめる。
・BTCのチャートで見る先週からのニュース(5/19~5/30)
BTC/JPY 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
BTC(ビットコイン)のチャート・価格情報はこちら
上図は、2022/5/19~2022/5/31のBTC/JPY日足Bidチャートに先週のニュースを記載したものである。
5/30の上昇が目立つが、何があったのか。ニュースとともに振り返る。
5/22~5/27は米株指数(ダウ平均株価)が続伸した。5/27には前日比500ドルを超える大幅な上昇となった。米国株価指数との連動が意識されていたBTCは、5/26、5/27と下落しており、株高に追従とはいかなかった。
ダウ平均株価が伸びた要因として、物価指数の減速が挙げられる。
4月のPCE(米個人消費支出)物価指数は前年同月比6.3%上昇と、前月の6.6%上昇から減速した。
市場はインフレのピークが過ぎたとの期待感から、株価の上昇に繋がったと考えられる(5/27 時事通信)。
5/30にBTCは前日比+7%と大幅に向上。400万円を超えた。
中国の主要都市が数カ月に及ぶロックダウンを解除するのではないかという期待感から、アジア株式が上昇。それに連れられる形でBTCが上昇したものと見受けられる(5/31 CoinDesk)。実際に、6/1には上海でロックダウンが制限付きで解除された。
その他の暗号資産のニュースとして、以下の2つに注目したい。
5/25、ダボス会議に参加しているマスターカードのCEOであるマイケル・ミーバッハ氏が、世界中の銀行を繋いできた送金・決済ネットワーク「SWIFT」(国際銀行間通信協会)は5年後も存在するかとの質問に「No」と答えた(5/25 CoinDesk)。
この発言は暗号資産企業が主催した討論会で行なわれ、クロスボーダー決済の未来と金融システムにおける中央銀行デジタル通貨(CBDC)の可能性について語った。
5/27、日本の岸田首相が暗号資産の税制改革に前向きな姿勢を示したと報道された。
予算委員会で国民民主党の玉木代表からの提案に対し、補正予算案成立後の挨拶の際、Web3(分散型ウェブ)の減税を進める趣旨の発言をしたという(5/28 CoinPost)。
米株指標の回復や中国のロックダウン解除等、金融市場としてポジティブなニュースが続いている中、今後はどのような値動きになるのか。
上昇シナリオと下落シナリオをファンダメンタルズの面で考察する。
<上昇シナリオ>400万円付近で底固めし、その後上昇
BTCは5/31に400万円に到達しているが、この付近で底固めをして下落がないことが確認できれば、上昇可能性も高くなる。
更に、株式市場も下落耐性が強まるような展開となっており、株高に連れられれば堅調な相場になることが考えられる。
中国のロックダウン解除や、米株指標の回復など金融市場は直近のネガティブな要因が解消され、投資家心理的にはやっと一息つけるといったところか。
米国の政策金利引き上げや、各国の情勢による原油価格の高騰等、不安な要素はあるものの、400万円付近を大きく割り込むことがなければ、力強いサポートラインと市場は見なすだろう。
加えて、Web3に対する期待や大手企業のNFT参入など暗号資産特有のポジティブなニュースも散見される。
このことから、400万円付近のキープと株高、暗号資産のポジティブニュースによって段階的に価格が切りあがることも想定できるかもしれない。
<下落シナリオ>400万円を大きく割り、悲観ムードへ
地政学リスクや米国金利、不安定な原油価格等、依然として金融市場にはネガティブな要素が懸念されている。
実際、5/30にFRB(連邦準備理事会)のウォラー理事は、インフレがしっかり抑制されるまで毎回のFOMC(連邦公開市場委員会)会合で50bp(ベーシスポイント)の利上げを行うべきだとの発言をした。
また、5/31に米原油先物相場が上昇し、インフレ状態が長引くと市場が認識したのか、米株市場は売り優勢。7日ぶりにダウ平均株価が下落した。
BTCは日足で見ると上昇状態でクローズしたものの、上記の事項のせいか伸びは弱く、投資家心理的には弱気になりつつある。
重要な節目である400万円を大きく割ることがあれば、悲観ムードに陥り、5月のレンジで揉み合っていた350~370万円付近まで一気に下落することも想定しておきたい。
(6/1 午後3:00時点)
・銘柄別価格前日比(%)
社内データより作成
6/1の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は-5.69%、中央値は-6.24%、標準偏差は2.14%となった。
最小下落銘柄はMONA/JPYの-0.11%、最大下落銘柄はXLM/JPYの-8.56%。
最小下落銘柄はMONA/JPYは、小幅ながらも上昇基調で推移。午後11時頃に下落したものの、上げ幅を押す形となり下落幅は大きくならなかった。
最大下落銘柄はXLM/JPYは4日ぶり反落。5/16以来の高値を上抜けて、午前8時頃には20円近辺まで差し掛かったものの、跳ね返され18円台で揉み合う展開から下落していった。
・24時間ボラティリティ(%)
社内データより作成
6/1の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は11.49%、中央値は11.91%、標準偏差は2.66%となった。
最もボラティリティが高かった銘柄はOMG/JPYで15.42%。
一方、最もボラティリティの低かった銘柄はMONA/JPYで4.08%となった。
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