ETC(イーサクラシック)、上昇の足は早い?ボラティリティに注目

Daily Market Report 2022/5/31

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騰落率2022年度

騰落率(当社クローズレートより作成)

上図は、2022年1月からの当社取扱い銘柄(レバレッジ取引)の騰落率をグラフにしたものである。

年初から下落傾向が続いているが、3月の下旬にはBTCが600万円付近に迫るなど、いったんは反発する局面もあった。

この反発局面で目立った動きとなったのはETC(イーサクラシック)である。

3月下旬の上昇においては、昨年同様に投機的な値動きが先行したのか、年初から50%ほどの上昇を見せた(Daily Market Report 2022/4/13「ETC(イーサクラシック)はアノマリー的に4月に強く上昇傾向あり!」参照)。

しかし、その後は他の暗号資産に足並みをそろえるように下落し、5月中旬には一時40%ほどの下落となっており。山高ければ谷深しといった状況である。

米国の過度なインフレ警戒感が後退し、利上げ速度の減速可能性から米国株式市場は反発局面となっており、これを受けて暗号資産市場もショートカバーが出やすい状況となっている。

5/29時点でETCの年初来騰落率は-26%と他の暗号資産に比べてダメージが少ない状況だが、短期的なラリーは続くのか?

今回はこのETCに注目して分析してみたい。

ETC日次変化率

ETC日次変化率分布(当社クローズレートより作成)

上図は、2022/1/1から5/28までのETC/JPYの日次変化率の分布である(日次変化率は、前日の終値から当日の終値の変動幅をX%で示したもの)。

ETCの日次変化率の大きな特徴として、-4%から+3%に高い山を作り、±10%以上のところに小さな山が点在する点が挙げられる。このことからボラティリティが高い銘柄であることが読み取れるだろう。BTCと比較すると一目瞭然である。次の図で確認してみよう。

BTCとの比較

ETC・BTC日次変化率分布(当社クローズレートより作成)

BTCは-1%以上+0.5%未満のところに一番大きな山を作り、±10%以上の山はETCのように点在していない。ETCのボラティリティの高さが確認できるだろう。

では、次に値動きを見てみよう。

フィボナッチ・リトレースメントによる分析

ETC/JPY Bid 週足チャート(当社取引ツールより作成)
ETC(イーサクラシック)のチャート・価格情報はこちら

上図は、ETC/JPYの週足チャートに2021/5/3の終値12,411.5円と2022/5/16の安値2435.7円を結んで、描画ツールにあるフィボナッチ・リトレースメント一目均衡表およびボリンジャーバンド(±2σ)を反映させたものである。

<現状>

ETC/JPYは、2021年からの下落基調を受けて、今年1月に2,500円を割り込むも反発し、3月には6,000円台にまで上昇した。しかし、そこから再び下落に転じ、5月に入ると再び2,500円を割り込むものの、足元においては3,000円付近まで反発している。

<上昇シナリオ>:もう一度6,000円台へ

フィボナッチリトレースメントの灰色のライン(0.0%:2,435.7円)とボリンジャーバンドの-2σはサポートとして機能しており、1月に一時2,500円を割り込んだ際も、このサポートに支えられ、6,000円台にまで上昇した。

現在、ETC/JPYは1月時点と同水準の価格帯にあり、1月と同様に2,500円にタッチしてからの反発上昇である。フィボナッチリトレースメントの赤のライン(23.6%:4790.0円)上抜けに成功出来れば、前回と同様に再び6,000円台を目指す可能性も考えられるだろうか。

また、赤のライン(23.6%:4790.0円)に沿って広がる一目均衡表の厚い雲もあるため、6,000円台を目指すには、まずこの赤のラインと雲を突破する必要があるだろう。

ETCは上昇する時のボラティリティが高くなる傾向にある。3月に6,000円台まで回復した時も、+20%以上の日次変化率を観測している。上昇となった場合は早い動きとなるかもしれない。

<下落シナリオ>:厚い雲に阻まれ、1,000円割れも?

6,000円台にはフィボナッチリトレースメントのオレンジのライン(38.2%:6,246.5円)があり、前回の上昇はこのオレンジのラインに阻まれた。

上抜けに失敗して再び下落に転じた場合は、フィボナッチリトレースメントの灰色のライン(00.0%:2,435.7円)まで、再度下落する展開を想定しておきたい。

更に、それをも突き抜けて下落する場合は、2021年2月から3月の価格帯となる1,000円台や、2021年1月の価格帯となる1,000円割れも視野に入ってくることになろう。

(5/30 午後8:00時点)

銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

5/30の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は8.05%、中央値は8.55%、標準偏差は2.38%となった。

最大上昇銘柄はETH/JPY10.60%、最小上昇銘柄はMONA/JPY0.78%

5/30の当社取扱い銘柄は全面高となった。

日中から東京株式市場の続伸に連れる形で、暗号資産市場にも買いが集まった。

前週末に発表された米国の個人消費支出(PCE)の鈍化が、インフレ懸念を後退させ、グロース株などのリスク資産の躍進に繋がったようだ(5/30日本経済新聞)。

米国株式市場はメモリアルデーのため休場だったが、暗号資産市場では休み明けの期待感等を背景に夜間も上値追いを持続させた。

最大上昇銘柄のETH/JPYは、大幅続伸し3連騰。

ETHは6/8にパブリックテストネット「Ropsten」で「The Merge」の実行を控えている。このテストは「メインネットのThe Merge実行に向け、非常に大きな一歩になる」とイーサリアムのコア開発者の一人がコメントしており(5/19 CoinPost)、暗号資産市場の堅調さに加えて、直近の固有イベントも好感された模様。

最小上昇銘柄のMONA/JPYは小幅な3連騰。

MONAは日本発祥の暗号資産だが、同日の東京株式市場につれた大幅高とはいかなかったようだ。

MONAの停滞の一因として、現時点で固有のファンダメンタルズがない点が挙げられるが、悪材料が存在しないとも換言できるため、MONAを「出遅れ銘柄」とした見直し買いの動きとなる可能性も想定しておきたい。

24時間 ボラティリティ(%)

社内データより作成

5/30の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は9.44%、中央値は9.59%、標準偏差は1.47%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はENJ/JPY11.56%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はXYM/JPY7.15%となった。

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2022-05-31
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